Cyclopyge sp.(キクロピゲ)
モロッコは遊泳種,「キクロピゲ」である。
多くの三葉虫が,底性生活をしていたとみられる中で,本種は遊泳生活をしていたとみられている。
その根拠は,巨大な複眼。前後だけでなく,上下にも広い視野が確保されているのだ。この「下」というのがポイントで,その視野は遊泳するからこそ必要になるとみられているのである。
キクロピゲの標本は,近年になってこの標本のように複眼が確認できる良標本が市場に出回るようになってきた。それでも,複眼の欠けたもの,つぶれたものは数多い。いわゆる「通」の収集家は,ディラーにルーペを要求し,複眼の有無を確認してから交渉に入る。そういう光景がよく見られる。
本標本は,左複眼はご覧のように構造がしっかりと確認できる。しかし残念ながら,右複眼は見事に欠損しており,実は全体を見ると非常にアンバランスなのである。むぅ,本当に残念。

