Metopolichas platyrhinus(メトポリカス・プラティヌス)
ロシアは,St. Petersburg,Voybokalo quarryからオルドビス紀の超希少種「Metopolichas platyrhinus」である。
M. platyrhinusの最大の特徴は,ごらんの通り,頭部からのびたへら状の構造だ。「へら」というか,日本的にいえば,ちょっとした「しゃもじ」の ような構造。この構造から,本種を「ロングノーズ」ということもある。このロングノーズをのぞいた特徴は実にシンプルで,尾部はちょっと寸詰 まりな構造をしている。頭部がなんだかいかついのは,リカス系に共通する“表情”で,頭部底面のハイポストーマは大きめだ。
M. platyrhinusの標本は,この標本のように“ノーズ”を持ち上げている姿勢のものが多い。私自身,本標本をいれて3個体のM. platyrhinusを見たことがある。いずれもこの姿勢だった。実に不思議である。しかし研究者は,この姿勢こそが本来あるべき姿だったのではないか,と指摘している。
では,“ノーズ”は何の役に立ったのか?
レーダーのような役割をはたしていたのではないか,とみられている。たとえば,現代の軍用機でも,飛行機の上に丸いお盆のようなレーダーを搭載するものがいる。同じように,このノーズにも感覚器がつまっており, 水中につきだすことで周囲の状況をとらえていたのではないか,というわけだ。

