トリアルトゥルス of Gallery ふぉっしる

Triathruseatoni2-1.JPG

Triarthrus eatoni(トリアルトゥルス・イートニ

 突然だが,軟組織は化石に残りにくい。
 それは,死後,真っ先に分解されてしまうからである。
 当ギャラリーの中核をなす三葉虫も,硬組織である殻は残されているものの,その殻をはがしても内部は何も残っていない。
 しかし三葉虫は,軟組織である足の構造,触覚の構造,果ては内蔵まで,おおよそわかっている動物だ。今から2億5000万年以上も前に絶滅した動物なのに,なぜ,そのような軟組織までわかるのか?
 それは例外的に軟組織を残した化石が発見されるからである。
 前置きが長くなったが,本標本は,そんな軟組織が残されたもの。黄鉄鉱とよばれる鉱物に置換され,足や触覚がしっかりと残っている。トリアルトゥルスは,こうした黄鉄鉱化した標本が数多くみつかっている。
 本標本のすばらしいところは,触覚や足に加え,えらがしっかりと確認できるということである。画像中央下の足から後方へのびる糸が束になったような構造がそれだ。三葉虫は,各足にえらがついていたとみられている。足を動かすたびに水中の酸素をとりこんでいたのだろう。
 本来であれば,こうした足もえらも,その大部分は殻の下に隠れているものだ。この標本は化石化の過程で,微妙に殻がスライドをして,下の足を出すことになったと思われる。

DATA

時代:古生代オルドビス紀
産地:アメリカ産
標本サイズ:全長9ミリ

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