クルジアナ of Gallery ふぉっしる

Cruziana1-1.jpg

Cruziana sp.(クルジアナ

 岩石を左右にはしる二本の構造をみてとれるだろうか。これは「クルジアナ」とよばれる三葉虫の「食べ歩き」の痕跡とされる化石である。いわゆる「生痕化石」の一種で,「恐竜の足跡」などと同じ類のものだ。
 三葉虫の多くは,泥食者だったとみられている。2列に並んだ足で海底の泥を掘り起こし,そのなかから有機物をとりだして,体の下についた口へ運ぶ。この一連の動作は歩きながら行われていたと考えられている。そして,有機物を取り除いた“あまった泥”は,後方へ送られるという。
 この後方に送られた泥が,這い跡の中心線をつくる。そして,それは移動方向を推理する材料ともなる。すなわち,後方へ送られた泥が,足の跡を後方に“ひっぱる”ので,進行方向とは逆に凸形となると考えられるのだ。この考えにしたがえば,上の標本はどちらの列も,右から左へ移動した三葉虫の痕跡となる。
 この標本の二列の「這い跡」は,必ずしも同時期につけられたものとは限らない。しかし,重なっている部分がなく,また同じ方向に移動しているので,ことなる時期のものということもできない。画像中,上の這い跡のほうが幅が大きいことから,両者に個体差があったのが伺える。大きな三葉虫のわきを,小さな三葉虫が懸命についていく。そんな光景が目に浮かんでくる。

DATA

時代:古生代シルル紀
産地:アメリカ産
標本サイズ:母岩長辺約58ミリ

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