Cybele panderi  シベレ・パンデリ
ロシアのレア三葉虫「シベレ」である。オルドビス紀のもの。
 シベレの特徴は,まずなんといっても,頭部から突き出た眼である。同様の特徴をもつ種に,アサフス・コワレウスキーがいるが,シベレの眼軸はそれよりもはるかに細い。まさしくカタツムリのようである。しかし,どんなに細くともこの眼軸は硬質であり,曲げたり伸ばしたりすることは不可能だったとみるのが妥当とされる。生物にとって弱点ともなる眼を,こんな細い眼軸の先につけて,いったい何をしていたのか。そのリスクに耐える役割をしていたはずだが,詳細は不明だ。
 シベレのもう一つの特徴は,胸部の後方から尾部にかけてのびる長いトゲの存在だ。こうしたトゲがあることで,防御姿勢(エンロール:当ギャラリーの「防御姿勢」標本を参考)をとれば鉄壁の防御体制をとれていたはずである。しかし,やはり頭部にはトゲが存在しないため,眼軸は無防備になってしまいそうだ。まったくもってなぞの種である。
 この標本は,こうした特徴がもれなく確認できるうえ,反り返った姿勢を利用して三葉虫の唇「ハイポストマ」まで確認できる逸品(右上)。
(体長約60ミリほど:ロシア産:古生代オルドビス紀)
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