Eurypterus remipes  ユーリプテルス・レミペス
ウミサソリ類「ユーリプテルス」である。
 進化のビッグバンによって動物が出現したのが,約5億4000万年前の古生代カンブリア紀。魚類が顎をもち,体を大きくして脊椎動物類が海洋の支配権を獲得したのが,約4億年前の古生代デボン紀。その間,海洋,とくに浅海域において覇をとなえていたのが,ウミサソリ類である。
 ユーリプテルスはウミサソリ類の中でも比較的“おとなしめ”の体をしている種類。パドル形の手をもち,浅海をゆらゆらと“泳いで”生活していたとみられている。サソリの名が示すように,尾部はするどい剣となっている。
 ウミサソリの体は三次元的な化石として残りにくい。そのため,このようなペシャンコにつぶれた二次元的な化石と発見されることが普通である。この標本のすばらしいところは,両パドルをはじめ,尾部の剣までしっかりとのこされていることである。体節もしっかりと確認できるし,頭部には眼の痕跡もある。
 この化石は,アメリカの著名なウミサソリコレクターに譲ってもらったものである。このコレクターはウミサソリに魅せられ,ニューヨーク州にあるその産地をまるごと買い取ったという,ものすごい豪腕の持ち主だ。
 なお右の写真は,高品質の古生物フィギュアで有名な海洋堂の作品。緑色に塗装されているが,実際にそのような色をしていたのかは,もちろん不明である。
(体長約70ミリ:アメリカ産:古生代シルル紀)
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