| Fallotaspis sp. ファロタスピス | |||||
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| モロッコ,カンブリア紀の三葉虫「ファロタスピス」である。胸部から左右に一本ずつのびる長いトゲが特徴の三葉虫で,この標本では右側葉からのものを確認できる。 レアではあるが,とくに目立つということでもないこの三葉虫は,しかし実は一部で有名である。……というのも,イギリスの研究者アンドリュー・パーカー博士が著した『眼の誕生』において重要な役割を果たす三葉虫として登場するからだ。 『眼の誕生』といえば,カンブリア大爆発をかつてなく理論的に説明した光スイッチ説(日本では「眼の誕生説」とも)である。生物の化石は,カンブリア紀に爆発的に多様にみつかることになるのだが,そのきっかけが「眼の誕生」にあったとする考え方だ。眼をもてば,捕食者と被捕食者の間に緊張感が生まれ,被捕食者は捕食者に抵抗するためにトゲなどの武装を,捕食者はそれを噛み砕いて食べるために歯などの武器を発達させていったというのは,骨子である。翻訳本が出ているので,ぜひ一読を進める(当ギャラリーの運営元「ふぉっしる」管理人の夫が書いたNewtonの記事でもわかりやすく紹介)。 その『眼の誕生』において,「捕食者側」としてえがかれているのが,ファロタスピスなのである。三葉虫といえば,基本的には生態系の弱者だが,カンブリア紀の世界では捕食者でもあったということが指摘されている。小さな化石だが,壮大なストーリーを背景に感じる一品。多少画像は粗くなってしまったが,パーカー博士のいう最初期の眼を右上に拡大してみた。 (体長17ミリ:モロッコ産:古生代カンブリア紀) |
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