| Marrela splendens マルレラ・スプレンデンス | |||||
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| カナダ,バージェス頁岩層から産出した節足動物「マルレラ」である。 古生物に関わる者ならば,プロ・アマ,洋の東西を問わず,生きているうちに一度は訪ねてみたいといわせる聖地(化石産地)がいくつかある。その中の代表格が,カナダのバージェス頁岩層だ。 この地層は,動物の進化史上「最大の事件」とよばれるイベントに密接に関わる。それは「カンブリア爆発」ともよばれる。今から約5億4000万年前,古生代カンブリア紀,動物が突然進化・多様化をとげたイベントである。このイベントによって,現在生きる動物の祖がほぼすべて出揃ったと考えられている。 バージェス頁岩層からは,多種多様な化石が産出されており,その多様さ・奇妙さから,ここで産出する一群の化石を「奇妙奇天烈動物群」とよんだ研究者もいた。 この地層は,20世紀初頭に発見されたものだが,そのとき最初に発見されたのが,この「マルレラ」である。まさに古生物学史上で記念碑的存在の化石なのだ。 この画像ではわかりにくいかもしれないが,マルレラは頭部から側方へのびる大きな1対のトゲと,後方へ伸びる1対のトゲが特徴的である。イギリスの研究者がこのトゲを分析したところ,少なくとも頭部からのびる一対には構造色があることが明らかになっている。「構造色」とは,CDやDVDの裏面の輝きのようなものである。光の波長以下の微細な構造で,光が反射するときに干渉を起こさせ,見る角度によって色がかわってみえるものだ。また,後方に黒く染み出しているのは,生存時の組織ではないか,とみられるもので,マルレラの化石にはほぼ共通して存在する。 現在,バージェス頁岩層一帯は,自然遺産に指定され,許可された研究者以外は立ち入ることがきびしく制限されている(事前申し込みのガイドツアーは存在するので,“聖地巡礼”には,これに申し込むことになる。もちろん倍率は高く,そうそう参加できるものではないらしい)。もちろん,化石の採集はもってのほかで,民間市場に化石がこれから流通する可能性はきわめて低いとされる。この標本は,自然遺産に指定される以前に入手したものである。 そのような背景があるため,バージェス頁岩層の化石は市場流通が極端に少ない。マルレラは,もともと個体数が多いため,比較的まだ眼にすることはできるが,割れていたり,一部欠損していたりと,この標本のように体節までしっかりと見ることのできるものはそうそう多くないのが現状である。 左の画像と右の画像は同じ個体のものだが,光のあて具合によってずいぶんと印象がかわることをわかってもらえるだろう。こうした特徴も,バージェス頁岩層に共通するものだ。 (体長約20ミリ:カナダ産:古生代カンブリア紀) |
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