Microcrinus mundulus  ミクロクニヌス・ムンダルス
これは大変高品質なウミユリ「ミクロクニヌス」の化石。茎から触手まで,ほぼ完璧にそろった逸品である。
 この標本は,ウミユリの特徴を実によくあらわしている。ウミユリ類は茎で海底にはりついて,がくから細い腕を何本もをのばし,えさを食べていた動物である。茎には節構造があり,その節はところどころ太くなっていた。腕にはまるでフィルターのように細かな枝がならぶ。このミクロクニヌスに限らず,一般的にウミユリの腕は細かく分岐しているが,その根元をたどると五つしかない。「5」という数字に関係するこの構造は,棘皮動物の特徴である。
 この標本では,その腕の間から,太くのびているのはグロテスクな棒が一本にょっきとのびている。具体的な資料はないのだが,おそらくこの棒は,「アナルサック」とよばれるもの。ウミユリの肛門が,にゅ〜とのびて,触手の間から突き出しているのである。ウミユリはがくの上面に口と肛門が並んでいることが知られている。この種では,その肛門が突き出しているというわけだ。
 この化石の産地である,アメリカ・インディアナ州は,知る人ぞ知るウミユリの産地の一つ。古生代石炭紀の地層から,非常に高品質のウミユリ化石を産出する。この標本は,そうしたもの一つである。
(茎〜がくまで約7.5センチ:アメリカ産:古生代シルル紀)
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