モササウルスの歯  
恐竜時代の海の帝王,海棲爬虫類「モササウルス」の歯の化石である。歯の先端から歯根まできれいに掘り出されたもので,128ミリメートルの長さがある。大人のこぶしよりも少し大きいサイズの化石である。
 恐竜と同じ「サウルス」の名をもってはいるが,モササウルスは恐竜ではない。同じく恐竜ではないクビナガリュウ類や魚竜類とあわせ,「中生代の三大爬虫類」とよばれる海の動物である。クジラやイルカなどの哺乳類が現在の海に進出しているように,中生代には爬虫類が海洋に進出し,覇をとなえていた。
 モササウルスは,巨大なトカゲといった図体である。全長は9メートル以上におよび,ワニよりも大きな頭部をもっていた。恐竜時代も終盤の白亜紀後期(約9000万年前)の北アメリカに出現し,わずか数百万年で当時の海洋生態系の頂点にのぼりつめたという。
 その歯の化石であるこの標本は,明らかに捕食性とわかる頑丈なつくりをしている。丸みを帯びており,獲物を切り裂くよりは噛み砕くことに適応した形状である。
(長さ約128ミリ:モロッコ産:中生代白亜紀)
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