蝦夷層群産の材化石
こちらは珍しい北海道蝦夷層群産の木の化石である。植物の化石研究には,大きく葉,幹,花粉などのジャンルがある。このうちの対象の一つとなる幹の化石などを「材化石」とよぶ。
 この標本はずっしりと重く,存在感あふれる材化石である。一目見て木の幹とわかる。地味と思われるかもしれないが,実は非常に珍しいものだ。と,いうのも,そもそも蝦夷層群という地層は,海で泥がたまってできた地層である。主な化石としてアンモナイトを産出することからもわかるだろう。しかもその水深はけっして浅くはない。
 そんなところまで流されてきた木の幹が,微生物に分解もされず,こうして往時のまま保存される。きっとそれには幾重にも偶然が必要だったのだろう。
 (母岩長約14.5センチ:北海道産:中生代白亜紀)
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