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Phacops rana  ファコプス・ラナ
三葉虫「ファコプス・ラナ」の防御姿勢である。
 「ダンゴムシ」をご存知だろうか? 庭先の岩の下などにいて,手でつつくとクルっとまるくなるアレである。丸くなるのは,外骨格に守られていない,自身の最大の弱点である腹部を隠すためだ。そんなダンゴムシとそっくりの姿勢をとる三葉虫の化石はいくつも発見されている。この標本は,三葉虫の代名詞ともいわれる有名種「ファコプス」のものだが,他種でも同様の姿勢をとるものは多い。総じて「エンロール」姿勢とよばれる。つまるところ,防御姿勢である。
 それにしても,ものの見事に丸まっている標本である。防御姿勢をとる三葉虫の化石は比較的簡単に入手できるが,きれいに丸まっていて,且つ無傷のものとなると実はそうそうみつからない。おまけに長径20ミリメートル強のサイズとなると,なおさらである。
 この標本は,眼の複眼を構成するレンズが一つずつきれいに確認できることも特徴の一つである。ファコプス類特有の大きなレンズが,まるでイチゴの種のように並んでいるのがよくわかる。また,クリーニングに携わった職人のこだわりで,あえて一部は埋もれたままになっている。
(長径約25ミリ:アメリカ産:古生代デボン紀)
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