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第4回目ツアー
カテゴリー一覧 中新世中ごろの南米日帰りの旅
旅日記へ 日程:2007年7月7日
場所:南米
 約1500万年前の南米に日帰りで行ってきました。
チョット6億年の旅
先カンブリア時代
古生代  南米大陸は,中生代白亜紀中期(約1億年前)にアフリカ大陸と分かれ,新生代鮮新世後期(約300万年前)に北米大陸とパナマ陸橋でつながるまで,他の大陸から孤立した島大陸でした。このため鮮新世後期に北米大陸とつながるまで,南米大陸の哺乳類は他の大陸に見られない独自の進化を遂げてきました。今回私が旅したのは,新生代中新世中期(約1500万年前)の南米大陸です。まだまだ南米大陸独自の哺乳類が繁栄していた時代です。


 今回は現地に夜明け前に到着しました。着いた場所は砂漠。寒いうえに周りはまだ真っ暗です。こんなに暗くては,うかつに動き回ることはできません。
 どうしようか悩んでいると,何かが地面を蹴る音が聞こえてきました。あまり大きくはありません。何かと辺りを見回していると,遠くで何かが走っているのが見えます。いいえ,走っているのではありません。ネズミのような小さな動物が跳んでこちらに向かってきているのです。あの姿は,アルギロラグスです。トビネズミに似ていますが,お腹に袋のある立派な有袋類です。
 アルギロラグスは私の目の前を通り過ぎ,少し離れたところにある草を食べ始めました。暗闇に眼が慣れてきたので,アルギロラグスの動きもはっきりと見えるようになってきました。一心不乱に食事をしているようです。と,そんなアルギロラグスの後ろにちょっと大きめの影があります。身を低くして草の中に隠れ,アルギロラグスを狙っているようです。



でも草はまばらで,うまく隠れられているとは思えませんが。一方のアルギロラグスも敵の存在に気づいているようで,ちらっ,ちらっと食べる口を止めています。逃げる隙を窺っているのでしょうか?

 事態が膠着するかと思われたとき,影が動きました。草の中から一気に飛び出し,アルギロラグスに襲いかかりました。アルギロラグス危うし!




















……と思いましたが,敵は短足。一生懸命足を動かしてはいるのですが,すばやくアルギロラグスに近づくことができません。ああ,あの胴長短足の姿はクラドシクティスですね。一生懸命走っているのでしょうが,ちょこちょこと足を動かす姿がなんともかわいらしい。一方のアルギロラグスは,敵の様子を注意深く窺っていた甲斐もあり,驚くべき跳躍力でどんどん逃げていきます。う〜ん,いくら夜とはいえ,あんな見え見えの場所に隠れていたのは,やはり無理がありましたね。アルギロラグスはまんまと逃げおおせてしまいました。あとには寂しげなクラドシクティスが残るのみ……。


 そんなクラドシクティスとアルギロラグスの様子を見ているうちに,夜が明けてきました。これからが今回の旅の本番です。いろいろと見て回りましょう。
 さっきの場所から小1時間ほど歩いていくうちに,草の数がだんだん増えてきました。どうやら砂漠から草原に入ったみたいです。少し歩いていくと,草むらの向こうに白いボールのようなものがかたまって置いてあるのが見えてきました。卵のようです。直径10センチくらいはあるでしょうか。結構大きい。大きさからして,フォルスラコスの卵でしょう。……ん?卵のところで何かがチョロチョロと動いているのが見えます。あれは……クラドシクティスです!どうやら卵を盗もうとしているみたいです。しかし相手は直径10センチの卵。なかなかうまくいかないようです。それにしても,フォルスラコスの卵に手を出すなんて度胸がありますね。……と,クラドシクティスが四苦八苦しているうちに,親が帰ってきてしまいました。



クラドシクティスをものすごい眼で見下ろしています。その視線に気づいたのか,クラドシクティスの動きも止まっています。そしてゆっくりゆっくり頭を上げ,フォルスラコスの姿を認めると,一目散に逃げ出しました。しかし,フォルスラコスがこれを黙って見過ごすわけがありません。巨大な足を振り下ろし,クラドシクティスを踏みつけようとします。クラドシクティスも必死で逃げますが,あの短い足では限界があります。ついにはフォルスラコスに踏みつけられ,巨大なくちばしに噛み付かれ,最後には空高く投げ飛ばされてしまいました。















ああ哀れ……。


 クラドシクティスの哀れな姿を目にするのは本日2回目。クラドシクティスの厄日でしょうか?そんなことを考えていると,周囲に動物がたくさんいるのに気づきました。遠くの木の下ではホマロドテリウムが枝を手繰り寄せて食事をしていますし,その手前ではプロパレオホプロフォルスが体を丸めて,いや,手足を背甲の下に隠して気持ちよさそうに寝ています。





 しかし現実はやはり甘くはないようです。近くの水場に目をやると,トアテリウムが数頭のティラコスミルスに取り囲まれているのが見えました。どうやらこれから狩りが始まるようです。数頭でトアテリウムを追い回して,疲れたところをしとめるつもりなのでしょう。1頭のティラコスミルスが,まさに準備万端といった様子でトアテリウムに襲い掛かろうとしました!これから鬼気迫る追跡劇の始まり!



















……と思ったら,トアテリウムはまるで車のような猛スピードで逃げていってしまいました。さすがはウマのように走ることに適応したトアテリウム。あまりの速さに,襲いかかろうとした1頭はその姿勢のまま固まってしまっていますし,他のティラコスミルスも呆然とトアテリウムの後ろ姿を見送るばかりです。この光景,どこかで見たような……。


 ティラコスミルスは肩を落としてどこかへと去っていってしまいました。見た目とは裏腹に厳しい世界ですね。そんなことを考えながら歩き出そうとしたところ,足元にウサギのような動物がいるのに気づきました。プロティポテリウムです。大きめのウサギのような形をしていますが,南蹄目という,ウサギとはまったく別の種類の哺乳類です。ウサギのように草を食べているのかとプロティポテリウムを覗き込んでみると,













口の周りにはべったり血が……。どうやら腐肉を食べていたみたいです。そう,プロティポテリウムは草のほかにも腐肉を食べていたんですね。いやぁ,本当に驚きました。


 と,ここまで見たところで帰りの時間になってしまいました。このころの南米大陸には,本当に面白い動物がたくさんいます。またいつか来てみたいですね。
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