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第7回目ツアー
カテゴリー一覧 始新世中ごろの北アメリカ日帰りの旅
旅日記へ 日程:2007年12月29日
場所:北アメリカ
 約4800万年前の北アメリカに日帰りで行ってきました。
チョット6億年の旅
先カンブリア時代
古生代  この頃の地球は現在よりも温暖・湿潤で,極地域近くまで森林が広がっていました。今回の旅の目的地,北アメリカ東部もまた,広範囲にわたって森林が広がっています。


 始新世は,現在まで生存している哺乳類の目の多くが出現すると同時に,コウモリやクジラなど,地上以外で生活する哺乳類が出現し始めた時期でもあります。どんな動物に会えるか,楽しみです。


 まずは,動物たちが多く集まる水場に行ってみました。

 あ,何かいるようです。何本も角が飛び出た奇妙なあの顔は……ウインタテリウムです。2頭が並んでのんびりと水を飲んでいます。のどかな風景ですね。
 と,ウインタテリウムの向こうの草むらがガサゴソと動き,しなやかに姿を現した影があります。犬歯が長く伸びたあの顔は……ホプロフォネウスです。スミロドンやティラコスミルスと同じように犬歯が長く伸びた肉食動物です。下顎には犬歯を収める突起までついて,武装は完璧という感じ。恐ろしいですね。
 ホプロフォネウスは,ものすごい形相でウインタテリウムを睨みつけたまま,じっと動きません。襲い掛かる機会でも窺っているのでしょうか?
 対するウインタテリウムはというと,




ホプロフォネウスを気にするそぶりを全く見せず,のんびりと水を飲み続けています。余裕綽々ですね。





 ホプロフォネウス,このウインタテリウムの態度にカチンと来たようです。次第に顔が高潮していき,遂にウインタテリウムめがけて,ものすごい速さで突進していきました。ホプロフォネウスの牙がウインタテリウムに届くかと思った次の瞬間,




ウインタテリウムは,ひょいとホプロフォネウスをかわしました。かわされたホプロフォネウスは,前肢が地面についた瞬間にしなやかに方向転換し,間髪入れずにウインタテリウムに襲い掛かっていく……


はずでした。しかしこれまた間髪いれずに突進してきたホプロフォネウスにわき腹を突かれ,







ものすごい勢いで木に激突してしまいました。










ミシミシミシ……
 ものすごい音を立てながら木が根元から倒れていきます。木を倒してしまうなんて,なんという馬鹿力なんでしょう。ホプロフォネウスは泡を吹いて完全に伸びてしまいました。勝負ありですね。


















ドォォン!!!
 ウインタテリウム(とホプロフォネウス)によって折られた木が,地面に倒れこみました。




















ポォォン……
 その衝撃で何かが飛び出てきました。












現生のコウモリによく似たあの姿は……イカロニクテリスです。折られた木はイカロニクテリスの棲家だったのでしょうね。かわいそうに,イカロニクテリスは何が起きたのかわからないまま,はるか遠くへ飛ばされてしまいました。
 勝負のついたウインタテリウムとホプロフォネウスのことはほっといて,飛ばされて見えなくなってしまったイカロニクテリスを探しに行ってみることにしました。

 イカロニクテリス,イカロニクテリスは,と……

いました,いました!さっきのところから300メートルほど飛ばされたでしょうか,眼を回しながら木の枝にひっかかっています。しかし災難ですね,ウインタテリウムとホプロフォネウスの勝負のとばっちりを受けて寝床が壊れてしまうなんて。イカロニクテリスはまだ目が覚めないようです。

 と,イカロニクテリスがぶら下がっている枝の上を何かが歩いてきました。まるでキツネザルのようなあの姿は……ノタルクトゥスです。どうやらあのノタルクトゥスの縄張りに落ちてしまったようです。イカロニクテリスのことを冷たい眼で見下ろしています。ノタルクトゥスはひょいと,イカロニクテリスの足をとって,眼の高さまでもち上げました。そして無造作に地面めがけて放り投げてしまいました。


 ポーン
イカロニクテリスは地面で軽くバウンドすると,近くの草むらに落ちました。落ちたショックで目が覚めたようですけど,まだ頭がくらくらしているようです。目が回っています。
 と,イカロニクテリスの後ろの草が動き,ぬっと,大きな顔が現れました。


















この大きな顔は……ヒエノドンです。イカロニクテリスが落ちる音を聞いてやってきたのでしょう,舌なめずりをしながらイカロニクテリスを見下ろしています。

ばくっ
ヒエノドンはいきなりイカロニクテリスに噛み付いてきました!イカロニクテリスは何がなんだかわからないながらも間一髪でこれを避け,空中に飛び立ちました!さらにヒエノドンの牙が追いかけてきます!尻尾の先をかすられながらも,イカロニクテリスは何とか逃げ延びていきました。



 ヒエノドンから十分に離れると,イカロニクテリスは手近にあった木の枝にぶらさがって一休みを始めました。イカロニクテリスはもうヘトヘトのようです。無理もありません。棲家で寝ていたはずなのにいきなり空中に放り出され,訳もわからないままヒエノドンに襲われる……。本当に厄日ですね。





























……

…………

………………あれ?

















出たぁ!ブタの遠い親戚,エンテロドンです!いったいいつの間に現れたのでしょう!エンテロドンに捕まると大変です!骨まで食べられてしまいます!イカロニクテリスは急いで逃げ始めました。空を飛んで逃げれば,エンテロドンは追ってこられないでしょう。これで一安心です。

























 ズドドドド!!!!
後ろの方でものすごい音が追いかけてきます!なんと,エンテロドン,イカロニクテリスが飛ぼうがお構いなしに追いかけてきます!恐ろしい……。イカロニクテリスの体力がなくなるまで追いかけてくるかもしれません。何とかしなければ!

 と,前方が急に開けました!断崖絶壁,その下は海です。イカロニクテリスはがけの上に飛び出しました!それにつられたエンテロドン,後先考えずに飛び出し,









まっさかさまに海の中へ……。なんとか助かったみたいです。

 しかしイカロニクテリスの体力も限界です。そのまま飛び続けることができずに,がけの下のほうへゆっくりと降りていきました。そして崖の途中に生えている木の枝にとまりました。これで一安心。




 と息をつこうとしたそのとき,大きな影が頭の下を泳いでいるのに気がつきました。一体なんだろうと確かめようとしたとき,大きな水しぶきを上げながらいきなり影が飛び上がってきました。あの大きくヘビのように長い体は……バシロサウルスです!イカロニクテリスがいるところに飛び上がってくるなんて,何という間の悪さ!
 イカロニクテリスはバシロサウルスが飛び上がった勢いで飛ばされてしまいました。






 そしてあきらめ顔を残しながら,空のかなたに消えていきました。















 最後まで災難続きのイカロニクテリスでしたね。私はこれで帰途につきましたが,イカロニクテリスはこの後もきっと,災難にみまわれ続けたのでしょうね。
 
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