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アフリカ大陸南部から、初めて植竜類の化石が発見されました。

 植竜類は、中生代三畳紀後期(約2億3700万年前〜約2億100万年前)に繁栄した半水棲の爬虫類です。吻部が細長く、ワニに似た姿をしていました。これまで、北米、ヨーロッパ、モロッコ、ブラジル、マダガスカル、インドなどから化石が発見されていましたが、アフリカ南部からは発見されていませんでした。
 今回、ジンバブエ北部の約2億1000万年前の地層から、植竜類の化石が発見されました。これまで植竜類の化石の多くが発見されてきた場所は、当時、赤道近くに位置する亜熱帯地域でした。しかし今回の発見から、植竜類がもっと高緯度にも棲んでいたらしいということがわかったそうです。
 植竜類は、湖や川などの大きな水域の近くに棲んでいたと考えられています。今回植竜類の化石が発見された産地からは、ハイギョの歯や両生類メトポサウルス類、そして球果植物のような植物の化石も発見されています。当時は、大きい川などの水域の周りを深い森林で囲まれた環境だったと、研究者は考えています。

1/23 Natural History MuseumThe age of the Tashinga Formation (Karoo Supergroup) in the Mid-Zambezi Basin, Zimbabwe and the first phytosaur from mainland sub-Saharan Africa. Gondwana Research, 81, 445-460

2020/1/26

初期地球の磁場が強かったらしいということがわかりました。

 地球の周りには磁場があります。磁場があるおかげで地球は太陽風から守られています。磁場がなければ、地球上の大気も水も吹き飛ばされてしまうと考えられています。
 現在の地球の磁場は、液体の鉄でできている外核の対流によって作り出されています。そして、外核の対流は内核に強く影響を受けていると考えられています。
 これまでの研究から、磁場は遅くとも約42億年前から存在していたらしいということがわかっています。一方、内核ができたのは約5億6500万年前と考えられています。これまでは、初期の地球の磁場は弱かったと考えられてきました。
 溶岩が冷えて固まるときに磁場を記録する鉱物があります。その鉱物を調べることによって、かつての磁場の向きや強さを推測することができます。ジルコンも、そのような磁場を記録する鉱物のひとつです。
 今回、オーストラリアのJack Hillsから採集されたジルコンが詳しく調べられた結果、約41億年〜約40億年前の磁場がこれまで考えられていたよりも強かったらしいということがわかったそうです。しかし、当時はまだ内核はできていなかったと考えられているため、強い磁場が発生するには、現在とは異なるメカニズムが働いていたと、研究者は考えています。初期地球が冷える過程で酸化マグネシウムが化学的沈殿を起こし、それが液体の核に対流を発生させて強い磁場を発生させていたのではないかと、研究者は考えています。

1/22 University of RochesterPaleomagnetism indicates that primary magnetite in zircon records a strong Hadean geodynamo. Proceedings of the National Academy of Sciences

2020/1/26

最古のサソリの化石が報告されました。

 アメリカ、ウィスコンシン州の古生代シルル紀の地層から1985年に発見された化石が、新属新種のサソリであるということがわかり、Parioscorpio venatorと名付けられました。この化石が発見された地層は、約4億3800万年前〜約4億3700万年前に堆積したものだと考えられています。これまで最古のサソリとされていた化石は約4億3600万年前〜約4億3500万年前のものであるため、Parioscorpioは最古のサソリということになります。
 初期のサソリが陸棲だったのか海棲だったのかは議論があります。Parioscorpioの化石には呼吸系と循環系が保存されているそうです。これらの構造は現生のサソリとほぼ同じであると同時に、現生のカブトガニとの類似点もあるそうです。Parioscorpioが完全に陸棲だったかどうかはわからないものの、陸上で行動することができただろうと、研究者は考えています。

1/16 Ohio State UniversityA Silurian ancestral scorpion with fossilised internal anatomy illustrating a pathway to arachnid terrestrialisation. Scientific Reports

2020/1/19

最古の消化管らしきものが残った化石が発見されました。

 Cloudinomorphは、先カンブリア時代エディアカラ紀末の地層から化石が発見されるチューブ状の殻をもった生物です。原始的な後生動物と考えられていますが、軟体部が残った化石は発見されていなかったため、その詳しい分類についてはよくわかっていません。
 今回、アメリカ合衆国ネヴァダ州の約5億5000万年前の地層から産出したCloudinomorpの化石がCTスキャンによって調べられました。
 この結果、軟体部が残っているらしいということがわかったそうです。チューブ状の殻の中に円筒状の構造が保存されており、これは消化管ではないかと研究者は考えています。もしこれが消化管なら、化石として最古の記録になります。また、Cloudinomorphは環形動物である可能性が高いと、研究者は考えています。

1/10 University of Missouri-ColumbiaDiscovery of bilaterian-type through-guts in cloudinomorphs from the terminal Ediacaran Period. Nature Communications, 11(1)

2020/1/19

ナノティラヌスがティラノサウルスの亜成体らしいという研究結果が出ました。

 1905年に報告されて以来、ティラノサウルスの形や行動に関する研究は、骨格の形や生物力学に基づいて多くなされてきました。しかし骨の組織に基づいたティラノサウルスの成長に関する研究は、15年前に始まったばかりです。
 2000年代前半に、モンタナ州のヘル・クリーク層から、比較的小型のティラノサウルス類の化石が2体発見されました。「ジェーン」と「ピーティ」というニックネームが付けられたこの2体のティラノサウルス類については、ナノティラヌスの成体ではないかという説があります。ナノティラヌスは、ティラノサウルスとは別種の恐竜とも、ティラノサウルスの幼体とも、考えられています。
 今回、ジェーンとピーティの大腿骨と脛骨の微細構造が調べられました。この結果、ジェーンとピーティはそれぞれ13歳と15歳のティラノサウルスであること、そして、ナノティラヌスは独立した属ではなく、ティラノサウルスの幼体であるということが結論付けられました。
 ティラノサウルスが成体になるまでに20年かかったと考えられています。研究者によると、亜成体のティラノサウルスは足の速いハンターで、肉を切り裂いて食べていたとのことです。足が遅く、骨をかみ砕いて食べる成体のティラノサウルスとは生態を変えることですみわけをしていたと、研究者は考えています。また、若いティラノサウルスは、哺乳類や鳥類といった現生の内温性の動物と同じくらいの速さで成長したということです。しかし骨の年輪から、成長は一定ではなく、獲物の多い年は急速に成長し、獲物の少ない年は成長が鈍くなったことが推測されるそうです。

1/2 Oklahoma State University Center for Health SciencesGrowing up Tyrannosaurus rex: Osteohistology refutes the pygmy “Nanotyrannus” and supports ontogenetic niche partitioning in juvenile Tyrannosaurus. Science Advances, 6(1), eaax6250

2020/1/12