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ジュラ紀のヒボダス類の全身骨格の化石が発見されました。

 ヒボダス類は約3億6100万年前(古生代デボン紀末期)に出現し、中生代白亜紀末に絶滅した軟骨魚類です。中生代、特に三畳紀からジュラ紀(約2億5200万年前〜約1億4500万年前)に繁栄しました。がっしりした体つきで、前縁にトゲがある2つの背ビレをもっていました。見つかっている化石のほとんどはバラバラになったトゲまたは歯で、全体の形がわかる化石はほとんど発見されていません。
 Asteracanthusは、中生代のヒボダス類の中でもっとも繁栄した属の1つです。その化石は、世界中の三畳紀中期から白亜紀後期(約2億4700万年前〜約6600万年前)の地層から発見されています。1837年にジュラ紀後期の地層から発見されたトゲの化石をもとに記載されました。1888年に、Asteracanthusのトゲの化石と同じ場所から噛み砕き型の歯の化石が発見されたことから、Asteracanthusは噛み砕き型の歯をもっていたと、一般に考えられています。しかし、同一個体の骨格にトゲと歯が一緒に保存された化石は、これまで発見されていませんでした。
 今回、ドイツの約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の化石産地ゾルンホーフェンから、頭部から尾ひれまでほぼ全身が保存されたAsteracanthusの化石が発見されました。顎には歯も保存されていましたが、その歯はこれまでAsteracanthusの歯と考えられてきた噛み砕き型の歯ではなく、咬頭(とんがり)がいくつも並んだ全く違った形の歯だったそうです。Asteracanthusは、さまざまな種類の獲物を食べる捕食者だったと、研究者は考えています。
 これまでAsteracanthusの歯と考えられてきた噛み砕き型の歯は、Strophodusというヒボダス類の歯と、研究者は考えています。Strophodusは歯の化石をもとに1838年に報告されたものの、1889年にAsteracanthusと同属とされた属です。

1/14 University of ViennaA unique hybodontiform skeleton provides novel insights into Mesozoic chondrichthyan life. Papers in Palaeontology, 2021, 1-27

2021/1/17

メガロドンが巨大な赤ちゃんを産んでいたらしいということがわかりました。

 メガロドンは、約2300万年前〜約360万年前(新生代新第三紀中新世〜鮮新世)に生きていた巨大ザメです。その全長は、14.1m〜15.3mと推定されています。歯の化石は世界中から発見されていますが、体の化石は発見されていないため、生殖や成長などの生態についてはよくわかっていません。
 体の化石は発見されていないものの、メガロドンのものと思われる巨大な脊椎の化石は発見されています。今回、ベルギーから発見された、メガロドンのものと思われる脊椎の化石の成長線(年輪のようなもの)が、CTスキャンによって調べられました。その脊椎の長径は15.5cm、ホホジロザメと比較した結果、この脊椎のもち主のメガロドンの全長は9.2mと推定されています。
 この結果、成長線は46本確認され、このメガロドンの死亡時の年齢は46歳だったらしいということがわかったそうです。また、それぞれの成長線が形成されたときの全長を計算したところ、生まれた時の全長は2mという結果が出たそうです。
 このことから、メガロドンはサイズの大きな赤ちゃんを産んでいたと、研究者は考えています。また、胎児は母親の胎内で、まだ孵化していない卵を食べていたとも、推測しています。また、メガロドンには急激な成長期はなく、平均年16cmの速度で成長していたらしいということもわかったそうです。

1/11 Taylor & Francis GroupOntogenetic growth pattern of the extinct megatooth shark Otodus megalodon -implications for its reproductive biology, development, and life expectancy. Historical Biology

2021/1/17

白亜紀末に南半球で植物が大量に絶滅したらしいということがわかりました。

 約6600万年前、地球に隕石が衝突し、恐竜を含む多くの動物が絶滅しました。この時、植物も大ダメージを受けました。花粉と胞子の化石から、南半球では北半球ほど植物は絶滅せず、回復も早かったと考えられています。しかし、植物本体の化石をもとに南半球でどのくらいの植物が絶滅したかはこれまで調べられてきませんでいた。
 今回、アルゼンチンの2地点から約7210万年前〜約6600万年前(中生代白亜紀末期)と約6600万年前〜約6160万年前(新生代古第三紀暁新世初期)の植物化石3500点以上が採集され、どのくらいの種が白亜紀末の大量絶滅を生き残ったかが調べられました。この結果、92%の種が絶滅したらしいということがわかったそうです。一方、花粉や胞子の化石を調べた結果、科のレベルでは80%が生き残ったという結果が出たそうです。
 また、外形、サイズ、葉脈のパターンなどの葉の形の多様性が白亜紀と暁新世でどのように変化したかも調べられました。この結果、暁新世の葉の形の多様性は高かったらしいということがわかったそうです。また、寒い環境で典型的にみられる形の葉の割合が高いという結果も出たそうです。これは、隕石衝突後、気候が寒冷化したことを示唆します。
 今回の結果から、白亜紀末に南半球の植物は種のレベルで多く絶滅したものの科のレベルでは多く生き残り、暁新世の間に多様性が増加したと研究者は考えています。

1/11 Penn StateCretaceous-Paleogene plant extinction and recovery in Patagonia. Paleobiology, 46(4): 445-469

2021/1/11

スミロドンがトラとライオンを合わせたような成長戦略をとっていたらしいということがわかりました。

 スミロドンは、新生代第四紀更新世(約258万年前〜約1万年前)の北米と南米で繁栄したネコ類です。3種が知られています。そのうち、S. fatalisは、ロサンゼルスのアスファルトが堆積してできた地層から数千点の化石が発見されており、もっともよく知られた種となっています。
 今回、エクアドルの更新世の地層から1961年に採集されたS. fatalisの化石が詳しく調べられました。今回調べられた化石は、生えている歯、骨のサイズ、骨の癒合具合から、1体の成体と2体の亜成体で構成されていると考えられるそうです。成体は親、亜成体は同じ年齢の兄弟で、2歳くらいと研究者は考えています。第1大臼歯をもとに体重を推測した結果、亜成体の1体は雄で成体の55%の体重であり、もう1体は雌で成体の98%の体重であったらしいという結果が出たそうです。
 現生のネコ類では、トラは2歳の時点で親から独立しており、一方、2歳のライオンはまだ親の世話を受けています。また、2歳のトラの体重は雄で成体の68%、雌で成体の94%とのことです。一方、2歳のライオンの体重は雄で成体の58%、雌で成体の72%とのことです。
 今回の研究から、S. fatalisは、現生のトラのように雄と雌で成長速度が異なり、現生のライオンのように親の世話を長期間受けていただろうと、研究者は考えています。

1/7 Royal Ontario MuseumSmilodon fatalis siblings reveal life history in a saber-toothed cat. iScience

2021/1/11

最古のニシキヘビ類の化石が発見されました。

 ドイツの約4700万年前(新生代古第三紀始新世)の地層から新属新種のヘビの化石が発見され、Messelopython freyiと名付けられました。Messelopythonは原始的なニシキヘビ類だと、研究者は考えています。これまでに発見されていた最古のニシキヘビ類は、オーストラリアから発見された2000万年くらい前のものでした。今回の発見は、それよりも2000万年以上古いものになります。
 今回の発見から、ニシキヘビ類は北半球で出現したのではないかと研究者は考えています。

2020/12/31 Smithonian MagazinePythons in the Eocene of Europe reveal a much older divergence of the group in sympatry with boas. Biology Letters, 16(12)

2021/1/3