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獣脚類の食性の多様性が調べられました。

 これまで、様々な肉食恐竜が発見されてきました。しかしあまりに肉食恐竜の種類が多いため、これらの肉食恐竜がすべて同じ方法で同じ動物を食べていたとすると、激しい競争が起こっていたことになります。
 今回、コエルロサウルス類に分類される獣脚類83種の下顎の形がコンピュータを使って分析されました。分類群で分けた場合、ティラノサウルス類は他のどのグループよりも厚い下顎をもっていつという結果が出たそうです。このことから、大きい獲物を食べていたとが示唆されるそうです。また、マニラプトル形類の下顎の形はほかのグループよりも多様性に富んでいるという結果が出たそうです。このことから、小型の恐竜や哺乳類、爬虫類、昆虫など、様々な獲物を食べていたと考えられるとのことです。

11/4 University of BristolMorphological disparity in theropod jaws: comparing discrete characters and geometric morphometrics. Palaeontology

2019/11/10

白亜期末の大量絶滅直後に哺乳類がどのように多様化したかがわかりました。

 約6600万年前、全生物の75%以上の種が絶滅した大量絶滅が起こりました。この大量絶滅後、有胎盤類、鳥類、被子植物など、現在繁栄している生物が多様化しました。しかし、大量絶滅の直後(約6600万年前〜約6500万年前)にどのように生態系が回復していったのかはこれまでよくわかっていませんでした。
 アメリカ合衆国コロラド州にあるDenver Basinには白亜紀から古第三紀暁新世にかけての地層が分布し、層序がよく研究されてきました。そして植物化石が多く発見されてきましたが、これまで脊椎動物の化石はあまり発見されてきませんでした。今回、ノジュールという岩の塊に注目したところ、その中から脊椎動物の化石が多く発見されたとのことです。この発見により、白亜紀末の大量絶滅から100万年間で哺乳類がどのように多様化していったかがわかったそうです。
 この研究によると、大量絶滅を生き抜いた哺乳類の体重は500gにも満たなかったとのことです。それが大量絶滅から10万年後には最大6kgの大きさになり、大量絶滅から30万年後には最大20kgの、70万年後には最大47kgの哺乳類が出現したとのことです。
 さらに、植物化石を調べたことで哺乳類の大型化の原因も推察できるそうです。大量絶滅後に最初に増加した植物は、栄養の多くないシダ植物でした。大量絶滅後から30万年後には温暖化が起こり、同時にクルミ科の花粉も多様化したそうです。さらに、70万年後には再び短期間の温暖化が起こり、この時期にマメ科植物が出現したとのことです。暁新世の温暖化が植物と動物の進化を促したと、研究者は考えています。

10/24 National Geographic NewsExceptional continental record of biotic recovery after the Cretaceous-Paleogene mass extinction. Science

2019/11/3

頭部の形がわかる最古の四足動物の化石が発見されました。

 古生代デボン紀後期(約3億8300万年前〜約3億5900万年前)の地層からは、初期の四足動物の化石がいくつも発見されています。しかしそのほとんどは断片的なもので、姿や生態が復元できる種はほとんど発見されていません。これまでに発見されている最古の復元可能な四足動物は、約3億6500万年前〜約3億5900万年前のアカントステガとイクチオステガです。そして同じ時代の地層から部分的に復元可能な種として、ヴェンタステガとチュレルペトンが発見されています。
 今回、ロシアの約3億7200万年前の地層から、新属新種の四足動物の化石が発見され、Parmastega aelidaeと名付けられました。肩の一部は軟骨でできており、ほぼ水中で過ごしていたと、研究者は考えています。またParmastegaの化石では特に頭骨が多く発見されており、頭部の形が復元されています。
 Parmastegaの眼は頭部の上に突き出ていました。現在のワニ類のように体を水の中に沈めながら水上を見ることができたと考えられています。しかし鼻の穴が上を向き、鼻で呼吸をしながら水上を見ることができるワニ類とは異なり、Parmastegaの鼻の穴は上顎の下のほうに付いています。鼻の穴から空気ではなく水を取り込んで鰓に送ることで呼吸をしていたのではないかと、研究者は考えています。Parmastegaの後頭部にはspiracleと呼ばれる大きな穴が開いています。この穴は現生の空気呼吸をする魚に見られるもので、Parmastegaは鰓呼吸とともにここから空気を取り込んで呼吸をしていたと考えられています。
 Parmastegaは体長1m以上と推測されています。浅い潟に棲み、水面近くで眼だけを出して獲物となる節足動物または陸に打ち上げられた魚の死骸を探していたのではないかと、研究者は考えています。

10/24 University of LincolnEarly tetrapods had an eye on the land. Nature, 574, 494-495Morphology of the earliest reconstructable tetrapod Parmastega aelidae. Nature, 574, 527-531

2019/10/27

三葉虫が列になって移動する行動が報告されました。

 現在の節足動物では、同種が群れとなって集団で移動する行動が多く見られます。三葉虫でも、同種が列になって並んでいたり、何体もが同じ方向を向いたりした状態の化石が発見されています。
 今回、モロッコの約4億8000万年前(古生代オルドビス紀前期)の地層から産出した、何体ものAmpyx priscusが1列に並んだ状態の化石が報告されました。Ampyxは、長いトゲを3本持つ三葉虫です。頭鞍部から前に1本、頭部の両脇から後ろに2本、長いトゲが伸びています。
 Ampyxが列になって並んだ標本は21点報告されています。この標本に含まれているAmpyxのほとんどが、前後の個体とトゲがつくくらいに密集して並び、前後の個体と同じような方向を向いているとのことです。
 この標本が産出した地層を調べた結果、周期的に嵐が起こっていたことがわかったそうです。Ampyxが列になって並んでいたのは、嵐の時に水流の静かな水深の深い場所に移動するためか、あるいは繁殖期に産卵場所に移動するためではないかと、研究者は考えています。長いトゲや触角、あるいはフェロモンのような化学物質を使って前後の個体との位置関係を把握し、列を作っていたと、研究者は考えています。

10/17 CNRSCollective behaviour in 480-million-year-old trilobite arthropods from Morocco. Scientific Reports

2019/10/20

むかわ竜が新属新種であることがわかり、カムイサウルス・ジャポニクスと名付けられました。

 2013年に北海道の約7200万年前(中生代白亜紀後期)の地層から発見されたハドロサウルス類のむかわ竜が新属新種ということがわかり、カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicusと名付けられました。カムイサウルスは全長8m、体重4〜5.3tと推定されており、骨の年輪から、9歳以上の成体だと研究者は考えています。
 ハドロサウルス類の系統解析がされた結果、カムイサウルスは原始的なエドモントサウルス類であるということがわかったそうです。

9/6 北海道大学プレスリリースA New Hadrosaurine (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Marine Deposits of the Late Cretaceous Hakobuchi Formation, Yezo Group, Japan. Scientific Reports, 9, 12389

2019/9/8