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白亜紀の南極に雨林が広がっていたらしいということがわかりました。

 白亜紀の中ごろは、白亜紀が始まってから現在までで最も温暖な時期だったと考えられています。この時期、海水準は現在よりも170m高く、熱帯地域の海水の表面温度は35度だったと推測されています。一方、この時期の南極圏の環境については、これまでよくわかっていませんでした。
 今回、西南極で白亜紀の堆積物が採取され、その中に含まれる植物の化石が調べられました。採取された堆積物は、約9200万年前〜約8300万年前に、南緯約82度の地域で堆積したものとのことです。この堆積物の中には、植物の根や、花粉、胞子などの保存状態の良い化石が入っていたそうす。
 この化石を調べた結果、当時の南緯80度付近には雨林が広がっていたらしいということがわかったそうです。この地域の年平均気温は約12度、夏の平均気温は約19度、そして川や沼の水温は20度に達したと推測されるそうです。
 これまで、白亜紀の大気中の二酸化炭素は約1000ppmと考えられていました。しかし今回の結果から計算しなおしたところ、1120〜1680ppmだった可能性があるとのことです。

4/1 Northumbria UniversityTemperate rainforests near the South Pole during peak Cretaceous warmth. Nature, 580, 81-86

2020/4/2

白亜紀末期のドロマエオサウルス類が発見されました。

 アメリカ合衆国ニューメキシコ州の約7000万年前〜約6800万年前(中生代白亜紀末期)の地層から、新属新種のドロマエオサウルス類の化石が発見されました。
 今回発見されたドロマエオサウルス類はDineobellator notohesperusと名付けられました。コヨーテと同じくらいのサイズだったと推測されています。前肢の骨にはには大きな筋肉がついていたとみられる突起があり、握力が強かったと考えられるそうです。また尾の付け根は柔軟に動くようになっており、現生のチーターのように素早く方向転換することができた可能性があるとのことです。
 これらの特徴から、Dineobellatorは機敏に獲物を狩る恐ろしい捕食者だったと、研究者は考えています。

3/26 Smithonian MagazineNew Dromaeosaurid Dinosaur (Theropoda, Dromaeosauridae) from New Mexico and Biodiversity of Dromaeosaurids at the end of the Cretaceous. Scientific Reports, 1010, 5105

2020/3/29

ペルム紀末、海よりも陸上で先に絶滅が始まったらしいということがわかりました。

 古生代ペルム紀末(約2億5200万年前)、史上最大の大量絶滅が起こり、海洋生物、陸上生物ともに大打撃を受けました。これまで、陸上の絶滅は海の絶滅と同時に起こったと考えられてきました。しかし陸上でいつ絶滅が始まったかは、正確にはわかっていませんでした。
 南アフリカ共和国のカル―盆地からはペルム紀から三畳紀にかけての脊椎動物化石が多く産出するため、この時期の動物相の変化が詳しくわかっています。今回、ペルム紀の動物相と三畳紀の動物相が入れ替わった後に、カル―盆地に堆積した火山灰に含まれるジルコンを用いて、年代が調べられました。この結果、カル―盆地でペルム紀の動物相と三畳紀の動物相が入れ替わった(カル―盆地で陸上動物の絶滅が始まった)年代は約2億5224万年前という結果が出たそうです。中国に堆積した火山灰を用いて年代を調べた研究から、海で絶滅が始まった年代は、約2億5190万年前という結果が出ています。カル―盆地では、海よりも30万年以上も前に絶滅が始まっていたことになります。
 一方、オーストラリアに堆積した火山灰を用いて年代を調べた研究では、ペルム紀の陸上植物と三畳紀の陸上植物が入れ替わった年代は、約2億5350万年前という結果が出ています。このことから、ゴンドワナ大陸での動植物の絶滅は、北半球の海での絶滅よりも数十万年早く始まっただろうと、研究者は考えています。

3/25 University of California - BerkeleyThe base of the Lystrosaurus Assemblage Zone, Karoo Basin, predates the end-Permian marine extinction. Nature Communications, 11(1), 1428

2020/3/28

エディアカラ紀の左右相称動物の化石が発見されました。

 エディアカラ紀(約6億3500万年前〜約5億4100万年前)に大型の生物が出現しました。しかしそのほとんどは現在の生物と違って、左右非対称の形をしています。そして口や消化管なども発見されていません。
 世界中のエディアカラ紀の地層から、左右相称動物によってつけられたと考えられる溝の化石が発見されています。しかし、その溝を作ったと考えられる動物の化石はこれまで発見されていませんでした。
 今回、オーストラリアのエディアカラ紀の地層にあるこの溝の近くに楕円形のへこみがあるのが発見されました。このへこみを3Dスキャンにかけたところ、かすかに筋肉の溝がある円筒形の体をもつ動物の印象化石であるらしいということがわかったそうです。この化石は、長さ2〜7mm、幅1〜2.5mmで、溝のサイズと合致するとのことです。
 この動物はIkaria wariootiaと名付けられました。Ikariaは、オーストラリアで最古の左右相称動物であると、研究者は考えています。溝の形から、Ikariaは筋肉を収縮させて移動していたのだろうと、研究者は考えています。また、海底の堆積物を食べて出していた痕跡があることから、Ikariaには口と肛門、そして消化管があったのだろうとも、考えられています。

3/23 University of California - RiversideDiscovery of the oldest bilaterian from the Ediacaran of South Australia. PNAS

2020/3/25

デボン紀の肉鰭類の胸ビレに、指の骨があるのが発見されました。

 魚から四足動物への進化は、生命史において特に大きな出来事です。魚から四足動物に進化する過程で最も大きな変化は、ヒレから四肢が進化したこととされています。
 ヒレから四肢がどのように進化したかを知るために、古生代デボン紀中期から後期(約3億9300万年前〜約3億5900万年前)の肉鰭類と四足動物の化石が研究されています。しかしこれまでに発見されている肉鰭類の化石のヒレは不完全なものばかりでした。
 今回、カナダの約3億8000万年前の地層から、肉鰭類Elpistostegeのほぼ完全な化石が発見されました。この化石をCTを用いて調べたところ、胸ビレに、四足動物の前肢を構成する骨(上腕骨、橈骨、尺骨、手根骨、指骨)があることがわかったそうです。指骨は、四足動物の指と同じように並んでいるとのことです。鰭条があるひれにはっきり指と分かる骨が確認されたのは、これが初めてです。
 今回の発見から、指が脊椎動物が上陸する直前の魚の段階で獲得されたと、研究者は考えています。

3/19 Sci NewsElpistostege and the origin of the vertebrate hand. Nature

2020/3/22