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2017年、2018年、2019年のニュース

ニュージーランドから、新種の巨大なペンギンの化石が発見されました。

 ニュージーランドの約6200万年前〜約5800万年前(新生代古第三紀暁新世の中ごろ)の地層から、新種のペンギンの化石が発見されました。このペンギンは、南極大陸の暁新世の地層から発見されているCrossvallia unienwilliとおそらく同属別種だと研究者は考えています。今回発見されたペンギンは、Crossvallia waiparensisと名付けられました。
 今回C. waiparensisの化石が発見された地層は、これまでペンギンの化石が発見されている地層の中で最も古い時代に堆積したものです。後ろ足の骨のサイズから、C. waiparensisの体高は1.6m、体重は70〜80kgと推定されています。これまでに発見されているペンギンの中で最大級のサイズです。
 暁新世の地層からは、ほかにもサイズの大きなペンギンの化石がいくつも発見されています。このことから、ペンギンはその進化のごく初期の段階で巨大な体を獲得したのだろうと、研究者は考えています。

8/14 Canterbury MuseumLeg bones of a new penguin species from the Waipara Greensand add to the diversity of very large-sized Sphenisciformes in the Paleocene of New Zealand. Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology

2019/8/19

始祖鳥と同時期に生きていた鳥類の化石が発見されました。

 ドイツの約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層「ゾルンホーフェン石灰岩」からは、最古の鳥類である始祖鳥の化石が産出しています。これまで、ジュラ紀の地層からは始祖鳥以外の鳥類の化石は発見されていませんでした。今回、「ゾルンホーフェン石灰岩」から、始祖鳥以外の鳥類の化石が初めて発見されました。
 今回化石が発見された鳥類は、Alcmonavis poeschliiと名付けられました。Alcmonavisの化石は、始祖鳥の一番新しい時代の標本と同じ層準から発見されました。発見された部位は、右の翼(前肢)です。この化石が詳しく調べられた結果、始祖鳥には見られない、後の時代の鳥類と共通する特徴がいくつもあることがわかったそうです。Alcmonavisは羽ばたいて飛ぶことができたと、研究者は考えています。今回の発見から、ジュラ紀の鳥類はこれまで考えられていたよりも多様だったと、研究者は考えています。

5/14 Ludwig-Maximilians-Universitat MunchenA non-archaeopterygid avialan theropod from the Late Jurassic of southern Germany. eLife, 8

2019/5/19

白亜紀に複数の動物が営巣地を共有していた証拠が発見されました。

 9年前、ルーマニアの約7000万年前(中生代白亜紀後期)の地層から、営巣地の化石が発見されました。今回、卵の殻の化石を詳しく調べた結果、この営巣地には4種類の卵の殻があることがわかったそうです。4種類の動物が同じ営巣地を共有していたと、研究者は考えています。卵の殻から、その4種類の動物は、エナンティオルニス類、分類不明の鳥類、ヤモリ類、小型のワニ形類と推測されるそうです。
 異なる種類の動物による営巣地の共有は現在でも見られるそうです。鳥類の親が守っている巣の周りに卵を産むことによって、小型の爬虫類たちの卵もまた外敵から守られる効果があったと、研究者は考えています。今回の発見は、このような営巣地の共有の最古の証拠になります。

2/20 University of SouthamptonA mixed vertebrate eggshell assemblage from the Transylvanian Late Cretaceous. Scientific Reports, 9(1)

2019/2/24

これまで始祖鳥の羽根とされてきた化石が、ほかの獣脚類の羽根である可能性もあるということがわかりました。

 始祖鳥は、約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)にドイツに棲息していた最古の鳥類です。これまで10体ほどの化石が発見されています。これまで始祖鳥とされてきた化石の中で最初に発見されたのは、1861年に発見された羽根の化石です。この羽根が始祖鳥のどの位置に生えていたものなのか、これまではわかっていませんでした。
 今回、この羽根の化石がLaser-Stimulated Fluorescenceという技術を用いて詳しく調べられました。この方法によって、肉眼では確認できない羽軸を含む詳細な羽毛の構造がわかったそうです。この研究の結果、この羽根は始祖鳥の雨覆または大羽か、あるいは始祖鳥の羽根ではなく未知の羽毛恐竜の羽根である可能性があるということがわかったそうです。

2/7 The University of Hong KongDetection of lost calamus challenges identity of isolated Archaeopteryx feather. Scientific Reports, 9(1)

2019/2/10

エピオルニスは夜行性だったらしいということがわかりました。

 エピオルニス類は、体高最大4mの史上最大の鳥類です。新生代第四紀更新世に出現して捕食者のいないマダガスカルで繁栄し、完新世後期に絶滅しました。ニュージーランドのモアのように昼行性で植物食だと広く考えられていますが、その生態についてよくわかっていませんでした。
 今回、エピオルニス類の2種、Aepyornis maximusA. hildebrandtiの化石の脳函がCTスキャンによって調べられました。脳函の形を調べることによって、脳の形がわかります。
 この結果、視覚を司る視葉が両種で、特に最大種のA. maximusで小さいということがわかったそうです。このような特徴は、夜行性で目がほとんど見えないキーウィと同じです。また、嗅覚をつかさどる嗅球がA. maximusで大きく、A. hildebrandtiではそれほど大きくないということもわかったそうです。
 A. maximusは視界の遮られる森林に棲んで夜に行動し、A. hildebrandtiは開けた草原に棲んで夜よりは夕暮れ時に活発に活動していたと、研究者は考えています。

10/31 ScienceDailyNocturnal giants: evolution of the sensory ecology in elephant birds and other palaeognaths inferred from digital brain reconstructions. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 285(1890)

2018/11/4

始祖鳥が羽ばたいて飛べたかもしれないということがわかりました。

 始祖鳥は約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)に生きていた最古の鳥です。四肢と尾に翼をもっていましたが、始祖鳥が羽ばたいて飛べたのか、あるいは滑空するだけだったのかはよくわかっていません。
 今回、X線マイクロトモグラフィを用いて、ゾルンホーフェン標本、ミュンヘン標本、アイヒシュテット標本の3体の始祖鳥の上腕骨と尺骨の内部構造が調べられました。この2つの骨は、現生鳥類において、飛ぶことにもっとも強く適応した骨とのことです。そして、翼竜2種を含む69種の主竜類の上腕骨と尺骨と比較されました。
 この結果、始祖鳥の皮質骨(骨の外側の部分)には、現生鳥類と同じくらいの密度で血管が通っていたらしいということがわかったそうです。このことから、始祖鳥の代謝はかなりよかっただろうと、研究者は考えています。また、皮質骨の血管の密度はサイズの大きいゾルンホーフェン標本よりもサイズの小さいアイヒシュテット標本の方でかなり高いということもわかったそうです。これは成長段階の違いによるものではないかと研究者は考えています。
 皮質骨の厚さは、空を飛ばない種類では厚く、空を飛ぶ種類では薄いという傾向があります。始祖鳥の皮質骨の厚さは、キジに最も近いという結果が出たそうです。キジは捕食者から逃げたり障害物を越えたりするときに、短い距離を勢いよく羽ばたいて飛びます。始祖鳥も同じように短い距離を羽ばたいて飛んでいたのではないかと、研究者は考えています。ただし、始祖鳥の胸の骨は現生鳥類のように強い羽ばたきができるような構造をしていません。現生鳥類とは違った方法で羽ばたいていたのではないかと、研究者は考えています。

3/12 European Synchrotron Radiation FacilityWing bone geometry reveals active flight in Archaeopteryx. Nature Communications, 9(1)

2018/3/18

約4800万年前の鳥の化石に尾腺が保存されているのが発見されました。

 約4800万年前(新生代古第三紀始新世前期)の地層が分布するドイツのメッセル・ピットから産出した鳥の化石に、尾腺が保存されているのが発見されました。尾腺は鳥の尾の付け根の皮膚にあり、ここから油脂状の分泌物が分泌されます。この分泌物を嘴を使って羽毛に塗り、羽毛が湿るのを防ぎます。
 今回発見された尾腺の中には、油脂状の分泌物も残っていたそうです。新第三紀よりも古い脊椎動物の化石に脂質が保存されているのは非常に珍しいそうです。さらに、今回発見された脂質を分析した結果、少なくとも部分的には、もとの化学組成がそのまま残っていることがわかったそうです。尾腺の分泌物がバクテリアに分解されにくい構造をしていることや、脂質が急速に分解されにくい物質に変わったことなどが、脂質が残った原因ではないかと研究者は考えています。

10/18 Senckenberg Research Institute and Natural History MuseumPreservation of uropygial gland lipids in a 48-million-year-old bird. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 284(1865), 20171050

2017/10/22

白亜紀の琥珀の中に鳥のひなが保存されているのが発見されました。

 ミャンマーから採集された約9900万年前(中生代白亜紀中ごろ)の琥珀の中に、鳥のひなが保存されているのが発見されました。頭部から首、翼、後肢、尾まで、体の半分近くが保存されているそうです。しかも、骨だけではなく、皮膚や羽毛、爪までよく残っているそうです。
 今回発見された鳥は、中生代に生きていたエナンチオルニス類のひなだと、研究者は考えています。生後数日から数週間のひなだと考えられるそうです。このひなの翼には、初列風切り羽根、小翼、次列風切り羽根、雨覆い羽根といった飛ぶための羽根がそろっていたそうです。一方、それ以外の羽毛は薄く、獣脚類に見られるような羽毛が生えていたそうです。生まれたばかりのひなに飛ぶための羽根が生えていることから、エナンチオルニス類は生まれた直後から飛ぶことができ、現在の鳥のように親の世話を必要としなかったのではないかと研究者は考えています。

6/7 National Geographic NewsA mid-Cretaceous enantiornithine (Aves) hatchling preserved in Burmese amber with unusual plumage. Gondwana Research

2017/6/18