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2010年のニュース

化石種のペンギンの色がわかりました。

 ペルーの約3600万年前(新生代古第三紀始新世後期)の地層から,ペンギンの絶滅種の化石が発見されました。
 Inkayacu paracasensisと名づけられたこのペンギンは,体長約1.5mもの大きさがあります。今回発見された化石からは,これまでわからなかった羽毛や色,ヒレの形がどのようなものだったかについての情報が得られたそうです。
 現生のペンギンと同じように,I. paracasensisの翼は細いヒレ状の形をしています。そこから生えている羽毛は左右対称で密集しており,上部で他の羽毛と絡まりあうようになっているそうです。このような羽毛は他の鳥には見られません。また体から生える羽毛では羽軸が広くなっています。これは現生のペンギンでは体を流線型にするのに役立っています。
 鳥の羽毛の色は,羽のサイズ,形,そしてメラノソームと呼ばれる,メラニン色素を作る細胞小器官の配列などによって決まります。I. paracasensisの化石から取り出されたメラノソームが,現生の鳥のメラノソームと比較され,I. paracasensisの羽毛の色が復元されました。この結果,I. paracasensisの羽毛は赤茶色と灰色だったことがわかったそうです。
 今回の発見により,ペンギンの泳ぐのに適したヒレや羽毛の形は早くから進化し,ペンギンの黒と白2色の羽毛の色は後から進化したらしいということがわかりました。

9/30 ScienceDailyFossil Evidence for Evolution of the Shape and Color of Penguin Feathers. Science, 330(6006), 954-957

2010/10/2

翼開長約5mの,巨大な飛行性の鳥の化石が発見されました。

 チリの,新生代新第三紀中新世後期(約1000万年前〜約500万年前)の地層から,翼開長5.2mの鳥の化石が発見されました。この鳥はなんと,空を飛ぶことができたと考えられています。
 発見されたのは,骨質歯鳥とも呼ばれる,pelagornithidです。歯のようなとがった突起の並んだ,細長いくちばしが特徴です。この「歯」のような突起は,魚やイカなどの滑りやすい獲物を捕まえるのに使われていたと考えられています。
 鳥の骨はもろい構造をしているため,化石として残ることは非常に難しく,壊れた状態の骨が単体で見つかることがほとんどです。しかし今回発見された化石は,体全体の約70%の骨が,ほぼ無傷の状態で残っていたそうです。このため,この鳥の大きさや体の構造を知るのに重要な情報を得ることができます。
 飛行性の鳥が最大でどのくらいの大きさになることができたかを知ることは,鳥がどのように飛んでいるかを理解するうえで重要です。このため,今回の発見は,巨大な鳥が飛ぶ際の物理的,解剖学的な仕組みを理解するのに役立つと考えられています。

9/18 ScienceDailyOsteology of a new giant bony-toothed bird from the Miocene of Chile, with a revision of the taxonomy of Neogene Pelagornithidae. Journal of Vertebrate Paleontology, 30(5), 1313-1330

2010/9/19

恐鳥類の生態が調べられました。

 かつて南米大陸には,約6000万年前に出現した恐鳥類という鳥類が棲息していました。恐鳥類は体高1.5mほどの歩行性の鳥で,北米大陸とつながる前の南米大陸では最強の捕食者だったと考えられています。
 現在,恐鳥類に近縁な鳥類はいないため,恐鳥類の生態は謎のままでした。今回,CTスキャンやコンピュータモデルなどを使って,恐鳥類の形態や狩りの際の行動などが調べられました。
 調べられたのは,新生代新第三紀中新世後期〜鮮新世(約1160万年前〜約360万年前)にアルゼンチン北部に棲息していたAndalgalornis steulletiです。体高約1.4m,体重は約40kgあったと考えられています。頭部は長さ約37cmと大きく,くちばしの先端はフックのように曲がっていました。
 A. steulletiの頭部がCTスキャンによって調べられた結果,骨と骨が固定されて動かないことがわかったそうです。通常鳥類の頭骨は,軽さと強度を兼ね備えるために,骨同士が大きく動くようになっています。しかしA. steulletiの頭骨は骨同士がしっかりつながり,前後方向の力に強い構造をしていたそうです。
 またCTスキャンを基にA. steulletiの3Dモデルが作られ,噛んだ際,首を後ろに引いた際,頭を横に振った際の生物力学が調べられました。また現生のワシとノガンモドキ科の3Dモデルも作られ,この2種類の鳥の結果と比べられました。この結果,A. steulletiは獲物を強く噛むのが得意だったことがわかったそうです。しかしワシとノガンモドキ科の結果を基に噛む力を推定した結果,A. steulletiと同サイズの肉食哺乳類よりも噛む力が弱かったそうです。この弱い噛む力を補うために,強い首の筋肉を使って頭部を斧のように前後に振って獲物を襲っていたと研究者は考えています。また3Dモデルから,頭を横に振る際の圧力に耐えられる構造はしていなかった,そして首を後ろに引くのに適していた,という結果も出ています。
 これらの結果から,首を繰り返し前後に動かして獲物に襲い掛かり,獲物が死ぬと首を後ろに引いて獲物を一口サイズに引き裂くか丸呑みにしていたと研究者は考えています。

8/18 ScienceDailyMechanical Analysis of Feeding Behavior in the Extinct "Terror Bird" Andalgalornis steulleti (Gruiformes: Phorusrhacidae). PLoS ONE

2010/8/19

始祖鳥は羽ばたいて飛ぶことはできなかったらしいということがわかりました。

 始祖鳥や孔子鳥は現生の鳥と似た翼をもちます。しかしその飛行能力についてはよくわかっていませんでした。
 これらの鳥の風切羽の羽軸が調べられたところ,現生の鳥のものに比べてかなり細く,そして強度もないことがわかったそうです。このためこの2種類の鳥は羽ばたいて飛ぶことはできなかっただろうと研究者は考えています。

Narrow Primary Feather Rachises in Confuciusornis and Archaeopteryx Suggest Poor Flight Ability. Science, 328(5980), 887-889

2010/5/16

鳥の卵殻の化石から,DNAが抽出されました。

 鳥の卵殻の化石から,DNAが抽出されました。研究に使われたのは,ニュージーランド,マダガスカル,オーストラリアから採集された化石で,最も古いものは約1万9000年前(新生代第四紀更新世末期)のものだそうです。
 これまで卵殻化石からDNAを抽出することはできませんでしたが,骨とは別の新たな手法を使うことによって,抽出が可能になったそうです。
 卵殻化石は放射年代測定や過去の環境を推定するのに使われています。これからはDNA分析にも使えるようになると考えられています。

3/12 ScienceDailyFossil avian eggshell preserves ancient DNA. Proceedings of the Royal Society B, 277(1690), 1991-2000

2010/3/14

白亜紀の鳥と恐竜の羽毛の色がわかりました。

 中国北東部に分布する熱河層群から産出した鳥と恐竜の羽毛から,2種類のメラノソーム(メラニン色素を作る細胞小器官)が発見されました。白亜紀の鳥や恐竜の羽毛の化石からメラノソームが発見されるのは初めてです。
 発見されたメラノソームから,獣脚類シノサウロプテリクスの尾にはオレンジと白の縞模様が,鳥である孔子鳥には,白,黒,そしてオレンジ〜茶色のまだら模様があるらしいということがわかりました。

1/28 ScienceDailyFossilized melanosomes and the colour of Cretaceous dinosaurs and birds. Nature, 463(7284), 1075-1078

2010/1/31