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2011年のニュース

白亜紀の原始的な鳥類は白亜紀末に突然絶滅したらしいということがわかりました。

 白亜紀に生きていた原始的な鳥類は白亜紀の末(約6550万年前)に絶滅しました。しかし鳥類の骨は軽くてもろく,化石として残りにくいため,これが恐竜とともに突然絶滅したのか,それとも徐々に絶滅していったのかはわかっていません。
 今回,北米西部の中生代白亜紀末期の地層から産出した20点以上の鳥類の化石が調べられました。この結果,エナンティオルニス類,イクチオルニス類,ヘスペロルニス類,Apsaravisに似た鳥類などの7種の原始的な鳥類を含む17種の鳥類が同定されました。これらの原始的な鳥類は白亜紀の後の新生代古第三紀暁新世の地層からは発見されていません。これらの鳥類が白亜紀末期の地層から発見されたことは,白亜紀末に突然絶滅したことの強力な証拠であると研究者は考えています。今回同定された鳥類のほとんどは真鳥類に含まれます。このことから白亜紀の間に真鳥類が大きく多様化したことが示唆されます。しかし現生鳥類につながる新鳥類は1種も発見されなかったそうです。白亜紀の鳥類の中で白亜紀末の大量絶滅を生き延びた種はほとんどなく,ほんのわずかに生き延びた種から現生の鳥類が進化していったと研究者は考えています。
 今回発見された鳥類化石は白亜紀後期では最も多様だそうです。現生の鳥類ほどではないもののサイズの幅も大きく,鳥類の多様性は白亜紀の末まで増加し続けていたと研究者は考えています。

9/19 Yale Daily BulletinMass extinction of birds at the Cretaceous?Paleogene (K?Pg) boundary. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(37), 15253-15257

2011/9/21

初期の鳥類の嗅覚は鋭かったらしいということがわかりました。

 現生の鳥類の嗅覚には大きな幅があることが知られています。しかし初期の鳥類の嗅覚や,恐竜から現生の鳥類への進化の過程での嗅覚の変化についてはほとんど知られていませんでした。これまでは飛行能力と関係して視覚とバランス感覚が発達した反面,嗅覚は弱くなっていったと考えられてきました。
 嗅覚の変化を調べるために,合計157種の恐竜,鳥類の化石種,そして鳥類の現生種の嗅球の大きさが調べられました。この結果,鳥類へとつながる恐竜のマニラプトル形類の進化の過程で嗅球は大きくなり,恐竜から鳥類への進化の間は変わらず,基盤的な鳥類と初期の新鳥類の進化の間にまた大きくなったことがわかったそうです。初期の新鳥類以降の新鳥類の進化の間嗅球の大きさは変わらず,現生の鳥類へと進化する過程で嗅球は小さくなっていったそうです。このことから,嗅覚は鳥類の進化の過程で一様に弱くなっていったわけではなく,鳥類の初期の進化においては嗅覚が発達したらしいということがわかったそうです。
 この嗅覚の発達によって初期の鳥類は食糧を探したり目的の場所に移動することが効率的にできるようになり,白亜紀末の大量絶滅を生き延びることができたのだろうと研究者は考えています。

4/13 OHIO: ResearchEvolution of olfaction in non-avian theropod dinosaurs and birds, Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, FirstCite

2011/4/17