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2013年のニュース

オーストラリアで最古の鳥の足跡化石が発見されました。

 オーストラリアの約1億1300万年前〜約1億100万年前(中生代白亜紀前期)の地層から,鳥の足跡の化石が発見されました。これはオーストラリアで最古の鳥の足跡化石になります。またゴンドワナ大陸では唯一の白亜紀前期の鳥の足跡化石だそうです。
 第1指の痕が長く伸びていることや足跡の変形から,この足跡は着地の時につけられたものだと研究者は考えています。また今回発見された足跡化石は白亜紀前期の地層から発見された鳥の足跡化石の中では最大級の大きさだそうです。この足跡をつけた鳥は大きなエナンティオルニス類か真鳥類だろうと研究者は考えています。

10/28 ScienceDailyOldest known avian footprints from Australia: Eumeralla Formation (Albian), Dinosaur Cove, Victoria. Palaeontology, Early View

2013/11/8

ジェホロルニスは2つの尾をもっていたらしいということがわかりました。

 約1億2000万年前(中生代白亜紀前期)に中国に棲息していた鳥類,ジェホロルニス。これまで,ジェホロルニスの尾は先端に扇状の尾羽のついた長い尾しか知られていませんでした。しかし今回,この長い尾の根元にもう1つ,葉のような形をした羽根があるのが発見されました。この羽根は背中側でまっすぐ上に突き出して生えていたそうです。
 このように尾の上から生えた羽根は現在の鳥類でも見られます。現在の鳥類では雄だけが尾の上の羽根をもっているため,ジェホロルニスも雄しか尾の上の羽根をもっておらず,雌にアピールするディスプレイの役割があったと,研究者は考えています。
 またそれと同時に,飛行を安定させる役割もあったのではないかと,研究者は考えています。

10/7 National Geographic NewsUnique caudal plumage of Jeholornis and complex tail evolution in early birds. Proceedings of the National Academy of Sciences

2013/10/14

ガストルニスは植物食だったかもしれないということがわかりました。

 新生代古第三紀暁新世後期〜始新世前期(約5920万年前〜約4130万年前)に生きていた体高1.5mを超える巨大な鳥,ガストルニス。その巨大な体から,ガストルニスは一般に肉食だというイメージがあります。しかし実際はその食性については結論が出ていません。
 これは,くちばしの先がワシなどの肉食の鳥のように曲がっていない,北米から見つかったガストルニスの仲間の足跡に,獲物を抑え込むのに必要な鋭い爪がなかったなどの理由によります。しかし肉食,植物食のどちらにも強力な証拠が発見されていないため,その結論は現在も出ていません。
 今回,ガストルニスの骨の同位体比を調べて肉食か植物食かを推定するという研究が行われました。この研究で使われたのはカルシウムの同位体比です。ガストルニスを調べる前に,まず恐竜と現生の哺乳類で同位体比が調べられました。この結果,肉食ほどカルシウムの同位体比は「軽く」なることがわかったそうです。
 そしてガストルニスのカルシウムの同位体比が調べられた結果,植物食恐竜,植物食哺乳類の値と近かったそうです。このためガストルニスは植物食だったろうと,研究者は考えています。

8/29 ScienceDailyIsotopes in vertebrate bioapatite: proxies for climate, pCO2 and diet. Mineralogical Magazine, 77(5), 2368

2013/9/8

鳥類の多様化は尾が短くなることで起こったらしいということがわかりました。

 鳥類は現在,非常に多様な特徴をもっています。現生の鳥類の研究から,原始的な鳥類の多様化は飛行能力を獲得したずっと後に起こったと考えられてきました。しかし実際にどのように進化が起こったかはよくわかっていませんでした。
 今回,白亜紀(約1億4500万年前〜約6600万年前)の鳥類の化石が調べられました。この時期,鳥類はすでに飛行能力を獲得していました。
 この研究の結果,尾が短くなったことで,後肢の多様性が爆発的に増加したらしいということがわかったそうです。かぎ爪やセイタカシギに見られるような非常に長い肢など,特殊化した肢によって現生の鳥類は成功を納めています。この特殊化した肢の前身が出現したそうです。この初期の鳥類における後肢の進化は獣脚類の後肢の進化よりも非常に速い速度で起こっていたそうです。
 鳥類は恐竜がもつような長い尾を捨てることによって後肢を多様に進化させ,新しいニッチに進出することができたと,研究者は考えています。

8/14 University of OxfordRates of dinosaur limb evolution provide evidence for exceptional radiation in Mesozoic birds. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 280(1768)

2013/8/19

始祖鳥の羽根の色のパターンがわかりました。

 メラノソーム(メラニン色素を作る細胞小器官)の分析によって,古生物の色が近年わかるようになりました。始祖鳥もこの方法によって羽根が黒かったらしいということが昨年わかりました。
 今回,メラノソームともに,化石に残った化学成分を調べるという新たな分析が行われました。
 この結果,始祖鳥の羽根が真っ黒ではなく,大部分は明るい色で,外側の端と先端が黒い色だったらしいということがわかったそうです。

6/11 Manchester UniversitySynchrotron-based chemical imaging reveals plumage patterns in a 150 million year old early bird. Journal of Analytical Atomic Spectrometry

2013/6/17

始祖鳥よりも古い鳥類の化石が発見されました。

 中国の約1億6000万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層から,原始的な鳥類の化石が発見されました。Aurornis xuiと名付けられたこの鳥類は,これまで最古の鳥類と考えられていた始祖鳥よりも約1000万年古い鳥類になります。
 またこの研究では始祖鳥,シャオティンギア,アンキオルニスが鳥類の祖先よりもデイノニコサウルス類に近い位置に分類されました。

5/30 National Geographic NewsA Jurassic avialan dinosaur from China resolves the early phylogenetic history of birds. Nature

2013/6/3

アマツバメ目の飛行の仕方は体の小型化の後に変化したらしいということがわかりました。

 アメリカ合衆国ワイオミング州の約5000万年前(新生代古第三紀始新世前期)の地層から,新種の鳥類の化石が発見されました。
 Eocypselus roweiと名付けられたこの鳥類はハチドリやアマツバメなどの祖先に近い仲間と研究者は考えています。
 今回発見された化石には羽根の痕跡が残っていたそうです。ハチドリは空中でのホバリングに適した短い翼をもっており,アマツバメは滑空や高速飛行に適した非常に長い翼をもっています。E. roweiの翼はこの両者の中間の長さだそうです。この長さではホバリングも高速飛行もできません。
 E. roweiは頭部から尾まで約12cmと小型だそうです。今回の発見により,ハチドリやアマツバメなどの祖先は,その特殊な飛行を獲得する前に体が小型化したと,研究者は考えています。
 またE. roweiの化石にはメラノソーム(メラニン色素を作る細胞小器官)も残っていたそうです。このメラノソームの形などから,E. roweiの羽根は黒く,光沢または玉虫色の輝きをもっていたと,研究者は考えています。

5/1 ScienceDailyFossil evidence of wing shape in a stem relative of swifts and hummingbirds (Aves, Pan-Apodiformes). Proceedings of the Royal Society B

2013/5/5

孔子鳥の性別が確認されました。

 中国の中生代白亜紀前期(約1億4500万年前〜約1億年前)の地層からは,孔子鳥の化石が何百体と見つかっています。孔子鳥の中には長い2本の尾羽をもつタイプともたないタイプの2種類がいます。これまで長い尾羽をもつ個体は雄,もたない個体は雌と考えられてきましたがそれを確認するする証拠は発見されていませんでした。
 今回,骨髄骨をもつ孔子鳥の化石が発見されました。骨髄骨とは雌が卵殻形成に必要なカルシウムを蓄えるために骨の中に形成する骨です。つまり,骨髄骨があれば,その個体は繁殖期の雌であると考えられます。骨髄骨のある化石には長い尾羽はなかったそうです。今回の発見により,長い尾羽をもたない個体が雌であるということが初めて確認されました。
 また骨髄骨の発見された個体はまだ完全に成長しきっていなかったらしいということもわかったそうです。孔子鳥は成長しきる前に性成熟を迎えていたと,研究者は考えています。

1/22 ScienceDailyGender identification of the Mesozoic bird Confuciusornis sanctus. Nature Communications, 4, 1381

2013/1/27

非常に特殊な歯をもつ原始的な鳥類の化石が発見されました。

 中国の中生代白亜紀前期(約1億4500万年前〜約1億100万年前)の地層から,特殊な歯をもつ鳥の化石が発見されました。
 この鳥は新属新種と考えられ,Sulcavis geeorumと名付けられました。中生代に繁栄した原始的な鳥類であるエナンティオルニス類と考えられています。エナンティオルニス類は食性に適応した様々な形状の歯をもっていました。
 S. geeorumの歯はそのエナンティオルニス類の中でも非常に珍しい特徴をもっているそうです。歯は太くがっしりしており,内側には溝があるそうです。これは歯の強度を上げる役割があったと考えられています。これまで,鋸歯や溝などの装飾のある歯は鳥類では発見されていませんでした。
 S. geeorum
は昆虫やカニなどの硬い殻をもった生物を食べていたと,研究者は考えています。

1/7 SVPA new enantiornithine from the Yixian formation with the first recognized avian enamel specialization. Journal of Vertebrate Paleontology, 33(1), 1-12

2013/1/13