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9/5(日)
 白亜紀後期,ヨーロッパにどのような肉食恐竜が棲息していたかがわかりました。
 中生代白亜紀(約1億4600万年前〜約6550万年前),ヨーロッパの大半は現在よりも高い海面の下に沈み,島が散在する状態だったと考えられてます。
 ヨーロッパの島々に棲息していた植物食恐竜は,他の地域に棲息していた恐竜よりも体が小さく,原始的だったことがわかっています。しかし肉食恐竜に関しては,断片的な化石がごくわずか産出するのみで,どのよう肉食恐竜が棲息していたかはわかっていませんでした。
 今回,ルーマニアの白亜紀末期(約7060万年前〜約6550万年前)の地層から産出したドロマエオサウルス類の恐竜が報告されました。前肢や後肢,骨盤など,部分的な化石しか発見されていませんが,関節がつながった状態で発見されており,白亜紀中期から後期のヨーロッパで発見された肉食恐竜の化石の中では最も完璧な化石だそうです。
 Balaur bondocと名づけられたこの恐竜は,かなり目立った構造をもっているそうです。後肢には第2指だけではなく第3指にも鉤爪をもっていました。また後肢は短くがっしりしており,骨盤には多くの筋肉が付着する領域があったそうです。このことから,速く走るよりは後肢の力が強かったのだろうと研究者は考えています。また前肢は退化していくつかの骨は癒合し,物をつかむのが困難な状態だったそうです。このことから,前肢ではなく後肢を使って,獲物をつかみ引き裂いていたと研究者は考えています。
 今回の発見から,島に生息する種が必ずしも体サイズが小さかったり,原始的な特徴を備えているわけではないと研究者は述べています。(8/30 ScienceDailyAn aberrant island-dwelling theropod dinosaur from the Late Cretaceous of Romania, Proceedings of the National Academy of Sciences, 107(35), 15357-15361

8/27(金)
 イギリスの恐竜化石を大量に産出する地層が,洪水によって堆積したらしいということがわかりました。
 イギリスのワイト島には,中生代白亜紀前期(約1億3000万年前)の地層,Wessex Formationが広がっています。この地層は,恐竜化石が大量に産出することで有名です。今回,この地層の成因が調べられました。
 Wessex Formationは,主に河川成,そして湖成や陸成の堆積物で構成されています。この地層の中に,植物の破片がたくさん入った層があります。この層はWessex Formationの中でほんのわずかしかありませんが,恐竜を含む脊椎動物の化石は主にこの層から産出します。この植物の破片がたくさん入った層はWessex Formation全体に不規則に入っていますが,水平方向の広がりはあまりありません。ほとんどの植物の破片がたくさん入った層の下半分は粒子の大きさのそろっていない基質の多い礫岩で,上半分は構造の見られない泥岩で構成されています。またこの層には,淡水生の軟体動物,多様な水棲,陸棲の脊椎動物,そしてさまざまな保存状態の陸上植物が含まれています。
 この層は局地的に発生した洪水によって堆積したものだと研究者は考えています。洪水は後に土石流に変わり,この土石流に飲まれて恐竜などの生物の遺体が堆積したと研究者は考えています。(8/24 ScienceDailyThe plant debris beds of the Early Cretaceous (Barremian) Wessex Formation of the Isle of Wight, southern England: their genesis and palaeontological significance, Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 292(3-4), 409-424

7/25(日)
 恐竜によって襲われたと思われる哺乳類の巣穴の化石が発見されました。
 の約8000万年前(中生代白亜紀後期)の地層から,恐竜によって付けられたと思われる引っかき痕のある哺乳類の巣穴の化石が発見されました。
 当時,捕食者となりうる大きな哺乳類はまだ出現していなかったので,この引っかき痕は恐竜によって付けられたものだと考えられています。また引っかき痕の形が,近くで発見された少し後の時代の恐竜の爪の形とよく一致するそうです。この引っかき痕をつけたのは,トロオドン類かドロマエオサウルス類だと考えられています。
 哺乳類を食べるのに特化した形の恐竜の歯や顎,頭骨,そして噛み痕のある哺乳類の骨,また恐竜の消化管の内容物や糞など,恐竜が哺乳類を食べていたと思われる証拠は他にもありますが,今回の発見は,狩りの仕方が直接わかるという点で特異であると研究者は述べています。(7/23 DiscoveryNewsPredatory digging behavior by dinosaurs, Geology, 38(8), 699-702

7/11(日)
 ハート型のフリルをもった新種の角竜の化石が発見されました。
 カナダの中生代白亜紀後期(約7500万年前)の地層から,親属新種の角竜の化石が発見されました。
 Mojoceratops perifaniaと名づけられたこの角竜は,体長約4m,頭部にはハート型をした大きなフリルがついていました。カスモサウルス亜科に属すると考えられています。(7/8 ScienceDailyMojoceratops perifania, A New Chasmosaurine Ceratopsid from the Late Campanian of Western Canada, Journal of Paleontology, 84(4), 681-694

6/7(月)
 アメリカから,新種のハドロサウルス類の化石が発見されました。
 アメリカ合衆国ニューメキシコ州の中生代白亜紀後期(約9100万前)の地層から,新種の植物食恐竜の化石が発見されました。
 Jeyawati rugoculusと名づけられたこの恐竜は,基盤的なハドロサウルス類で,眼の上や後ろに大きなうろこがあったと考えられています。また傷の治った痕のある肋骨の化石が発見されているため,群れで暮らしていたと考えられています。(6/1 ScienceDaily

5/30(日)
 最古のカスモサウルス類の化石が発見されました。
 アメリカ合衆国モンタナ州の約7800万年前(中生代白亜紀後期)の地層から,新種の角竜の化石が発見されました。
 この角竜は体長約6m,眼の上に長さ90cm以上の大きな角をもち,また盾のような大きなフリルにはカーブした大きな骨がついていました。このヘビのような骨にちなんで,Medusaceratops lokiiと名づけられました。
 M. lokiiは,トリケラトプスなどが含まれるカスモサウルス亜科に属すると考えられています。カスモサウルス亜科の中では,最古の種になります。(5/30 ScienceDailyNew Perspectives on Horned Dinosaurs

4/4(日)
 竜脚類ディプロドクスの頭部の形が,成体と幼体とで大きく違っていたらしいということがわかりました。
 竜脚類ディプロドクスの頭骨は口先(吻部)が平らで,全体的に四角い変わった形をしています。これまで見つかっているディプロドクスの頭骨は成体のものばかりだったため,幼体の頭骨も成体と同じように四角いと考えられてきました。
 今回,カーネギー自然史博物館の標本の中に,ディプロドクスの幼体の頭骨があるのがわかりました。この頭骨は,吻部が成体のように平らではなく,他の竜脚類と同じように丸い形をしていたそうです。このことから,ディプロドクスの頭骨は成長に従って大きく形が変わったらしいということがわかりました。
 この頭骨の形の違いは,食性の違いによると研究者は考えています。(4/1 ScienceDailyDescription of a Nearly Complete Juvenile Skull of Diplodocus (Sauropoda: Diplodocoidea) from the Late Jurassic of North America, Journal of Vertebrate Paleontology, 30 (2), 442-457

3/28(日)
 南半球から初めて,ティラノサウルス類の化石が発見されました。
 オーストラリアの中生代白亜紀中期(約1億1000万年前)の地層から,原始的なティラノサウルス類の化石が発見されました。南半球からティラノサウルス類が発見されたのは,初めてです。
 発見されたのは,長さ約30cmの恥骨で,その大きさから,この恐竜が体長約3m,体重約80kgだったと推定されるそうです。
 今回の発見により,ティラノサウルス類が進化の初期の段階で南半球に広がった可能性があると,またアフリカ大陸や南米大陸など,南半球のほかの大陸からもティラノサウルス類が発見される可能性が出てきたと研究者は考えています。(3/26 ScienceDailyA Southern Tyrant Reptile, Science, 327(5973), 1613

3/21(日)
 モンゴルから,新種のドロマエオサウルス類の化石が発見されました。
 中国,内モンゴル自治区の中生代白亜紀後期(約9960万年前〜約6550万年前)の地層から,ドロマエオサウルス類の新属新種の恐竜の化石が発見されました。
 Linheraptor exquisitusと名づけられたこの恐竜は,体長約2.5m,体重約25kgと推定され,ドロマエオサウルス類の他の恐竜と同じく,俊敏なハンターだったと考えられています。ドロマエオサウルス類の中では,最近発見されたTsaagan mangasに最も近縁と考えられています。
 L. exquisitusは,頭骨の眼窩の前に開いた穴,前眼窩窓が,他のドロマエオサウルス類の恐竜とは違った形をしています。前眼窩窓が2つに分かれ,1個はもう1個よりも著しく大きくなっています。
 L. exquisitusは,原始的なドロマエオサウルス類と,進化したドロマエオサウルス類との過渡期に当たる恐竜だと考えられています。(3/19 ScienceDailyA new dromaeosaurid (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous Wulansuhai Formation of Inner Mongolia, China, Zootaxa, 2403, 1-9

2/27(土)
 ユタ州の白亜紀の地層から,新種の恐竜の化石が発見されました。
 アメリカ合衆国ユタ州に分布する中生代白亜紀中期(約1億500万年前)の地層から,新属新種の竜脚類の化石が発見されました。
 見つかったのは,非常に保存状態のよい4体の幼体の頭骨の化石だそうです。竜脚類の頭骨はもろく壊れやすいため,竜脚類の頭骨の化石が発見されることはまれです。今回発見された恐竜はAbydosaurus mcintoshiと名づけられました。ジュラ紀後期に生きていたブラキオサウルスに近縁だと考えられています。
 竜脚類は植物を食べ,その歯は生涯生え変わり続けていたと考えられています。ジュラ紀には竜脚類の歯は種によってさまざまな形をしていましたが,白亜紀の後期になると,すべて細い,鉛筆のような形だけになりました。Abydosaurusの歯は,この両者の中間的な形をしているそうです。(2/24 ScienceDailyFirst complete sauropod dinosaur skull from the Cretaceous of the Americas and the evolution of sauropod dentition, Naturwissenschaften, Online First

2/7(日)
 羽毛恐竜の全身の色が,詳しくわかりました。
 中国の中生代ジュラ紀後期(約1億6100万年前〜約1億4600万年前)の地層から発見された恐竜,Anchiornis huxleyiの全身の羽毛の色が調べられました。
 A. huxleyiはトロオドン科の小型の肉食恐竜で,全身を羽毛に覆われ,四肢には翼があったと考えられています。この羽毛に含まれるメラノソーム(メラニン色素を作る細胞小器官)を,現生の鳥がもっている,特定の色を作り出すメラノソームと統計学的に比較することにより,その羽毛がどのような色をしていたかが推定されました。この手法では,90%の正確さで色を推定することができたそうです。
 この結果,体は全体的に灰色で,頭部には赤味がかった茶色のトサカ,そして顔にはトサカと同じ色の斑点があったことがわかったそうです。四肢の翼は白い羽毛で覆われ,光る黒い羽毛で太く縁取りされていたらしいということもわかったそうです。
 この派手な色の翼は,コミュニケーションや異性をひきつけるのに使われていたと研究者は考えています。(2/5 ScienceDailyPlumage Color Patterns of an Extinct Dinosaur, Science, Online February 4

1/31(日)
 最古のアルヴァレスサウルス科の恐竜の化石が発見されました。
 ゴビ砂漠の中生代ジュラ紀後期(約1億6000万年前)の地層から,アルヴァレスサウルス科の新種の恐竜の化石が発見されました。アルヴァレスサウルス科には,ダチョウに似た体形で前肢に1本の爪しかもたないモノニクスなどが含まれます。これまでアルヴァレスサウルス科の恐竜は白亜紀(約1億4600万年前〜約6550万年前)の地層からしか発見されていませんでした。今回の発見により,アルヴァレスサウルス科の恐竜がジュラ紀(約2億年前〜約1億4600万年前)にも生息していたらしいということがわかりました。
 今回発見された恐竜は,Haplocheirus sollersと名付けられました。体長は約3m。1本の爪しかもたないながらも強力な筋肉の付いたアルヴァレスサウルス科の前肢への進化の初期段階が見られるそうです。(1/29 ScienceDailyA Basal Alvarezsauroid Theropod from the Early Late Jurassic of Xinjiang, China, Science, 327(5965), 571-574

 白亜紀の鳥と恐竜の羽毛の色がわかりました。
 中国北東部に分布する熱河層群から産出した鳥と恐竜の羽毛から,2種類のメラノソーム(メラニン色素を作る細胞小器官)が発見されました。白亜紀の鳥や恐竜の羽毛の化石からメラノソームが発見されるのは初めてです。
 発見されたメラノソームから,獣脚類シノサウロプテリクスの尾にはオレンジと白の縞模様が,鳥である孔子鳥には,白,黒,そしてオレンジ〜茶色のまだら模様があるらしいということがわかりました。(1/28 ScienceDailyFossilized melanosomes and the colour of Cretaceous dinosaurs and birds, Nature advance online publication 27 January 2010

1/10(金)
 最古のティラノサウルス科の恐竜の化石が発見されました。
 ロンドン自然史博物館に所蔵されている恐竜の頭骨が,最古のティラノサウルス科の恐竜の化石であるらしいということがわかりました。
 この化石は約100年前,イングランド西部の中生代ジュラ紀中期(約1億7000万年前)の地層から発見されました。この頭骨をCTスキャンを用いて調べなおした結果,歯,顎,頭蓋腔の構造などにティラノサウルスと共通の特徴が見られたそうです。このためこの恐竜は,ティラノサウルス科に属すると研究者は考えています。この恐竜はProceratosaurus と名付けられました。Proceratosaurusはティラノサウルスよりも約1億年も古く,ティラノサウルス科としては最古の属になります。
 Proceratosaurusの発見により,ティラノサウルスが含まれるコエルロサウルス類の起源がジュラ紀中期にまでさかのぼること,そしてティラノサウルス類がジュラ紀中期から後期にローラシア大陸に広く分布していたことが示唆されると研究者は考えています。(1/6 ScienceDailyCranial osteology and phylogenetic position of the theropod dinosaur Proceratosaurus bradleyi (Woodward, 1910) from the Middle Jurassic of England, Zoological Journal of the Linnean Society, Early View

2009年
12/27(日)
 肉食恐竜シノルニトサウルスが,牙から毒を出していたらしいということがわかりました。
 中国の中生代白亜紀前期(約1億2800万年前)の地層から産出した肉食恐竜シノルニトサウルスの化石の頭部に,現生のヘビに見られるような,毒液を出す構造に似た構造があるのが発見されました。
 今回発見された頭骨の横にはくぼみがあり,このくぼみは上顎から生えた歯につながっているそうです。このくぼみとつながった歯は長く,溝があるそうです。この構造は,現生のヘビやトカゲに見られる,毒液を分泌する器官に似ているそうです。化石の頭部の横にあるくぼみは毒液を分泌する毒腺で,ここから歯に毒液が送られていたと考えられています。(12/22 ScienceDailyThe birdlike raptor Sinornithosaurus was venomous, Proceedings of the National Academy of Sciences, Early Edition

12/13(日)
 恐竜は南米で出現して分化した後に,世界中に広がっていったらしいということがわかりました。
 アメリカ合衆国ニューメキシコ州北部に分布する約2億1300万年前(中生代三畳紀後期)の地層から,新種の獣脚類(肉食恐竜)の化石が発見されました。
 この地層からは,前述の新種(Tawa hallaeと名付けられました)を含めて,3種類の獣脚類が発見されているそうです。この3種類の恐竜は系統的に遠い関係にあり,逆にそれぞれ,南米から発見された恐竜と近い関係にあることがわかったそうです。このことから,大陸が1箇所に集まって超大陸パンゲアを形成していたときに現在の南米で恐竜が出現し,獣脚類,竜脚形類,鳥盤類へと分化した後に,他の地域に広がっていった可能性があると,研究者は考えています。(12/10 ScienceDailyA Complete Skeleton of a Late Triassic Saurischian and the Early Evolution of Dinosaurs, Science, 326(5959), 1530 - 1533

11/28(土)
 国内ではじめて,角竜の化石が発見されました。
 兵庫県篠山氏に分布する篠山層群下部層(中生代白亜紀前期,約1億2000万年前〜約1億4000万年前)から,角竜(植物食恐竜トリケラトプスの仲間)の頭部の化石が発見されました。国内で角竜の化石が発見されるのは,初めてです。
 今回発見された恐竜は,トリケラトプスと同じ系統のネオケラトプス類に属すると考えられています。
 原始的なネオケラトプス類は中国とモンゴルで5例見つかっているだけです。今回の発見は,角竜類の初期進化を知るうえで貴重であると研究者は考えています。(11/27 YOMIURI ONLINE

11/15(日)
 南アフリカ共和国で竜脚類の祖先の化石が発見されました。
 南アフリカ共和国の中生代ジュラ紀前期(約1億9500万年前)の地層から,新種の植物食恐竜の化石が発見されました。
 Aardonyx celestaeと名付けられたこの恐竜は体長約7m,重いを支えられる強力な構造をした背骨をもち,その前足は,物をつかむことも,地面につけて体重を支えることも,両方ともできる形をしているそうです。通常は二足歩行で歩いていましたが,時には前足を地面につけて四足で歩くこともあったと研究者は考えています。
 A. celestaeは原始的な竜脚形類から竜脚類への過渡期にある種だと考えられています。竜脚類の祖先や原始的な竜脚類は二足歩行であり,それが四足歩行へと変化していったと考えられています。これまで,この四足歩行への移行はもっと後の時代になってから起こったと考えられてきましたが,今回のA. celestaeの発見により,四足歩行への移行がこれまで考えられてきたよりも早く起こったことが示唆されると研究者は考えています。(11/12 SciencedailyA new transitional sauropodomorph dinosaur from the Early Jurassic of South Africa and the evolution of sauropod feeding and quadrupedalism, Proceedings of the Royal Society B, FirstCite

10/16(金)
 大量の恐竜化石が,壊れた状態で化石化しているのが発見されました。
 アメリカ合衆国ユタ州に,中生代白亜紀前期(約1億4600万年前〜約9960万年前)の恐竜化石がたくさん産出する地層があります。全体のほんの5%の地層を調べただけでも,4200個以上の骨が発見されたそうです。この中には,少なくとも8属,67個体の恐竜の化石が含まれているそうです。そしてこの恐竜化石のほとんどが,粉々に壊れた状態で化石化していたそうです。
 何らかの事件により,その一帯に棲む恐竜が大量に死んだものと考えられています。おそらく干ばつが原因だったと研究者は考えています。
 しかしこれだけでは骨が粉々になった理由は説明できません。化石の状態から,骨はまだ化石化する前に壊れたのだろうと考えられています。おそらく死んだ後に土石流によって運ばれて地中に埋まり,その上を竜脚類やイグアノドン類などの体の大きい恐竜に踏みつけられて壊れたのだろうと研究者は考えています。(10/14 ScienceDailyTaphonomy of debris-flow hosted dinosaur bonebeds at Dalton Wells, Utah (Lower Cretaceous, Cedar Mountain Formation, USA) , Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 280(1-2), 1-22

10/11(日)
 足場の違いで,恐竜がどのように歩き方を変えていたかがわかりました。
 アフリカ南部にあるレソトに分布する中生代ジュラ紀前期(約2億年前)の地層には,恐竜の足跡化石が250以上も残されています。
 この足跡化石がたくさん残されている地層は,ジュラ紀前期には砂州だったと考えられています。この地層に広がる足跡化石を調べることによって,濡れた川底,坂になった川岸,そして平らな砂州の上と,足場の違いによって恐竜がどのように歩き方を変えていたかがわかると研究者は考えています。
 足跡化石を調べた結果,鳥盤類は足場によって四足歩行と二足歩行を切り替えていたらしいということがわかったそうです。川底を歩くときは体をかがめてべた足で四足歩行で歩き,坂では四足歩行ではあるものの足を上げて指先で歩き,平らな場所では二足歩行で歩いていたらしいということがわかったそうです。
 これに対し,獣脚類は足場が変わっても歩き方は変わらなかったそうです。爪で滑りやすい表面をつかみながら二足歩行で歩いていたと考えられています。(10/8 ScienceDailyDynamic Locomotor Capabilities Revealed by Early Dinosaur Trackmakers from Southern Africa, PLoS ONE

 小柄で吻部の長いティラノサウルス類の化石が発見されました。
 モンゴルの中生代白亜紀後期(約7060万年前〜約6550万年前)の地層から,保存の良い肉食恐竜の化石が発見されました。
 この恐竜はAlioramus altaiといいます。体は小さく体重約369kgと推定されています。頭部は小さく8本の角がついており,吻部は長く伸びています。歯は細く,顎の筋肉はあまり付いていなかったと考えられています。
 CTスキャンでA. altaiの化石を調べたところ,大きな気嚢があり,嗅球が大きく,内耳が小さいなど,ティラノサウルス類に見られる特徴が確認されたそうです。このため,A. altaiはティラノサウルス類に属すると考えられています。
 A. altaiは,ティラノサウルス類がこれまで考えられてきたよりも,形態的にも生態的にもかなり多様性に富んでいたことを示していると研究者は考えています。(10/5 ScienceDailyA long-snouted, multihorned tyrannosaurid from the Late Cretaceous of Mongolia, Proceedings of the National Academy of Sciences, Early Edittion

10/3(土)
 始祖鳥よりも古い,四肢に翼をもつ恐竜の化石が発見されました。
 中国遼寧省の中生代ジュラ紀初期(約1億6100万年前〜1億5600万年前)の地層から,四肢に翼のある恐竜の化石が発見されました。A. huxleyiと名付けられたこの恐竜は,恐竜と鳥類との中間段階にある最古の種だと考えられています。
 鳥類は恐竜から進化したと考えられていますが,恐竜から鳥類への変化は,その中間段階の保存の良い化石がほとんど見つかっていないため,詳しくはわかっていません。またこれまで発見されている鳥類との中間段階にあると考えられている恐竜の化石は,鳥類の化石が発見され始める時代と比べて新しすぎるという問題もありました。
 A. huxleyiはトロオドン科の恐竜だと考えられています。A. huxleyiが見つかった地層は,始祖鳥が産出する地層(約1億5000万年前)よりも古いものです。(9/29 ScienceDailyA pre-Archaeopteryx troodontid theropod from China with long feathers on the metatarsus, Nature, 461(7264), 640-643

9/18(金)
 T. rexと似た体の特徴をもつ小型のティラノサウルス類の化石が発見されました。
 中国の中生代白亜紀前期(約1億2500万年前)の地層から,ティラノサウルス類の化石が発見されました。
 Raptorex kriegsteiniと名付けられたこの恐竜は,体長約2.7m,体重約70kgと,体重からいえばTyrannosaurus rexの数十分の1のサイズにも関わらず,大きな頭部,小さな前肢,細長い後肢といった,T. rexと同じような体の特徴をもっていました。また嗅球が大きく,T. rexと同じように嗅覚が発達していたと考えられています。
 これまで,大きな頭部や小さな前肢といったT. rexの体の特徴は,巨大化する過程で進化してきたものだと考えられてきました。しかしR. kriegsteiniの発見により,これらの特徴がまだ体の小さいうちから獲得されていたことがわかりました。(9/17 ScienceDailyTyrannosaurid Skeletal Design First Evolved at Small Body Size, ScienceExpress

8/7(金)
 肉食恐竜は,幼体などの体の小さい恐竜を主に襲っていたらしいという論文が発表されました。
 イラストなどで,ティラノサウルスなどの肉食恐竜が自分よりも体の大きい恐竜を襲っているシーンがよくあります。しかし実際には,肉食恐竜は主に幼体などの小さい恐竜を襲って食べていたらしいという論文が発表されました。幼体を襲うほうが肉食恐竜にとって危険が少なく,また幼体の軟らかい骨を食べることによって,肉食恐竜にとって重要な栄養素を補給できると研究者は考えています。
 また胃の内容物や糞の化石などの直接的な証拠からも,幼体や体のとても小さな獲物が食べられていたということが支持されるそうです。丸飲みにされた体のとても小さな獲物の化石も発見されています。
 現生の捕食者も,老体や病気などで体の弱った獲物や幼体を好んで襲います。また恐竜に最も近縁な爬虫類のワニは,とても強い酸性の胃液で,完全に骨化していない幼体の骨を完全に溶かすことができ,これによって重要な栄養素を補給しているそうです。肉食恐竜によって丸飲みにされた幼体の恐竜の化石は,肉食恐竜もワニと同じように栄養を補給していたことを裏付ける証拠であると考えられています。(8/7 ScienceDailyFeeding behaviour and bone utilization by theropod dinosaurs, Lethaia, Early View

7/12(日)
 オーストラリアから,恐竜の巣穴と思われる化石が発見されました。
 オーストラリア・ヴィクトリア州の約1億1000万年前(白亜紀前期)の地層から,恐竜の巣穴の化石と思われる生痕化石(足跡や巣穴などの化石のこと)が発見されました。この穴は直径約30cm,長さ約2.1mで傾斜がつけられており,やや螺旋状の形をして奥の空間は広がっていたそうです。この後同じ地域から,同じような生痕化石が2つ発見されたそうです。生痕化石の時代,形,大きさから,小型の鳥脚類によって掘られたものだと研究者は考えています。
 これまでに発見されている巣穴の化石としては,アメリカ合衆国モンタナ州南部の約9500万年前(白亜紀後期)の地層から発見された化石があります。
 オーストラリアで発見された生痕化石は,恐竜の巣穴と考えられる生痕化石の中では最古のもので,北米以外で最初に見つかった恐竜の巣穴と考えられる化石だそうです。
 当時オーストラリア大陸は」南極大陸とともに極地域にあったと考えられています。白亜紀は現在よりも温暖でしたが,冬には極地域の気温は氷点下にまで下がったと考えられています。これまで,極地域に生息していた小型の恐竜は,木の根の下や木の幹に開いた穴に入って,厳しい冬を生き抜いていたと考えられてきました。しかし今回の発見は,恐竜は地面に穴を掘って冬を乗り切っていたらしいということを示唆していると研究者は考えています。(7/11 ScienceDailyDinosaur burrows in the Otway Group (Albian) of Victoria, Australia, and their relation to Cretaceous polar environments, Cretaceous Research, Article in Press

7/5(日)
 オーストラリアで,新種の恐竜3種が発見されました。
 オーストラリアの約9960万年前(中生代白亜紀中期)の地層から,新種の恐竜3種が発見されました。発見されたのは,獣脚類(肉食恐竜)1種と,竜脚類2種だそうです。
 獣脚類はAustralovenator wintonensisと名付けられました。オーストラリアでこれまでに発見された獣脚類の化石の中でもっとも完全で,大型の獣脚類であるカルカロドントサウルス類の祖先である可能性があるそうです。A. wintonensisは身軽で動きが速かったと考えられています。前肢にはそれぞれ3本の大きな鉤爪があり,主に前肢を武器として使っていたと考えられています。
 2種の竜脚類はティタノサウルス類に属し,それぞれ,Witonotitan wattsiDiamantinasaurus matildaeと名付けられました。W. wattsiは体高が高くほっそりとしているのに対し,D. matildaeはずんぐりとした体形をしているそうです。
 今回の発見は,オーストラリアの恐竜について,また白亜紀に恐竜が世界にどのように分布していたかを理解するのに重要な発見であると考えられています。(7/3 ScienceDailyNew Mid-Cretaceous (Latest Albian) Dinosaurs from Winton, Queensland, Australia, PLoS ONE, 4(7)

 ハドロサウルス類がどのように植物を食べていたかがわかりました。
 長く平たい口吻部を持つハドロサウルス類(カモノハシ恐竜)は,白亜紀後期の最も優勢な植物食恐竜でした。しかしどのように植物を食べていたか,またどのような植物を食べていたかは,これまで謎でした。
 今回,ハドロサウルス類の1種,エドモントサウルスの歯にある,植物を食べる際にできた傷が調べられました。この傷を調べれば,顎をどのように動かして植物を食べていたか,またどのような植物を食べていたかを推測することができます。
 この結果,ハドロサウルス類の顎は,上下,左右,前後と,複雑な動きをしていたことがわかったそうです。このことから,ハドロサウルス類は植物を噛んで食べていたと研究者は考えています。しかし現生の動物とは全く異なった噛み方をしていたと考えられるそうです。ハドロサウルス類では植物をかんだとき上顎が広がり,歯の表面がお互い横に滑って植物をこすって細かく切っていたと研究者は考えています。
 またハドロサウルス類がどのような植物を食べていたかもわかったそうです。歯の傷には砂を噛んで付いたと思われる傷がなかったため,地面の近くに生えた植物を食べていたとは考えられないそうです。また草(イネ科植物)に含まれる石英の粒をかんだ傷も見られないことから,草もハドロサウルス類の食物ではなかったと研究者は考えています。トクサは白亜紀後期に優勢であり,また食べる際に砂も石英の粒も噛む状況にならないことから,ハドロサウルス類はトクサを主に食べていたと研究者は考えています。(6/30 ScienceDailyQuantitative analysis of dental microwear in hadrosaurid dinosaurs, and the implications for hypotheses of jaw mechanics and feeding, Proceedings of the National Academy of Sciences

6/14(日)
 鳥は恐竜から進化したのではないという説を支持する証拠が発表されました。
 現在,鳥は恐竜から進化したと一般的に信じられています。この理由の1つに,鳥と恐竜が両方とも気嚢をもち,呼吸のシステムが似ているということがあります。
 鳥の大腿骨は固定されていて,自由に動かすことはできません。これによって呼吸の際に肺と気嚢がつぶれることなく,効率的に酸素と二酸化炭素の交換ができることがわかったそうです。しかし恐竜は大腿骨を自由に動かすことができるため,腹部に気嚢があったとしてもつぶれてしまい,効率的に呼吸をすることはできないと研究者は考えています。またワニのほうが恐竜よりも肺の構造と機能が鳥に近いと述べています。
 鳥は恐竜から進化したのではなく,鳥,恐竜,ワニに共通の祖先があり,そこから分かれて進化してきたと研究者は考えています。(6/9 ScienceDailyCardio-pulmonary anatomy in theropod dinosaurs: Implications from extant archosaurs, Journal of Morphology

5/31(土)
 竜脚類は一昔前の復元のように,首を上に高く掲げていただろうという論文が発表されました。
 長い首と長い尾をもち,大きいものでは体長30mを超える恐竜,竜脚類。この竜脚類の復元はこれまで何回か変わってきました。一昔前までは,首を高く掲げた復元が主流でしたが,現在では長い首を水平にした復元が主流となっています。
 しかし今回,竜脚類は,一昔前の復元のように,首を高く掲げていたらしい,という論文が発表されました。
 X線を使って,哺乳類,爬虫類,鳥類などの脊椎動物が調べられました。この結果,サンショウウオ,カメ,トカゲ,ワニでは首が少ししか傾いていないのに対し,恐竜と同じように脚が体の真下に伸びた哺乳類と鳥類では首が上に伸びていることがわかったそうです。このことから,研究者は竜脚類も首を上に掲げていただろうと考えています。
 竜脚類の椎骨は主に,丸く飛び出た部分とへこんだ部分とで関節しています。これまで,この関節した部分は常に少なくとも50%は重なり合っていなくてはならないと考えられてきました。しかし現生のダチョウやキリンでは,ほとんど重なり合った部分がない状態で関節しているそうです。このことから,竜脚類の稼動範囲はこれまで考えられてきたよりもかなり大きかっただろうと研究者は考えています。(5/27 ScienceDailyHead and neck posture in sauropod dinosaurs inferred from extant animals, Acta Palaeontologica Polonica, 54(2), 213-220

5/3(日)
 ハドロサウルス類の化石にタンパク質が残っているのが発見されました。
 約8000万年前(中生代白亜紀後期)のハドロサウルス類の化石に,タンパク質が残っているのが発見されました。
 タンパク質が発見されたのは,ブラキロフォサウルス(Brachylophosaurus canadensis)の大腿骨の化石です。血管や細胞などの細かい組織まで残っているそうです。タンパク質を抽出して分析した結果,ブラキロフォサウルスは,ティラノサウルスや鳥類と近く,ワニやトカゲからは遠いという結果が出たそうです。
 タンパク質は約6800万年前(白亜紀末期)のティラノサウルスの化石からも発見されていますが,このタンパク質は現生の微生物によって作られたものだという意見もあります。(5/1 ScienceDailyBiomolecular Characterization and Protein Sequences of the Campanian Hadrosaur B. canadensis, Science, 324(5927), 626-631

3/27(金)
 トリケラトプスは幼体だけの集団を作っていたかもしれないということがわかりました。
 アメリカ合衆国モンタナ州にある約6600万年前(中生代白亜紀末期)のボーンベッド(恐竜の化石がかたまって発見される地層)から,洪水によって死んだと思われる3体のトリケラトプスの幼体の化石が発見されました。
 これまでトリケラトプスの化石は50体以上発見されていますが,複数の個体が同時に発見されるのは初めてです。このためトリケラトプスは群れを作らないとも考えられてきました。しかし今回の発見により,少なくとも幼体のときは群れを作っていたかもしれないということがわかりました。
 幼体は防御のために群れを作っていましたが,四六時中一緒にいたわけではないと研究者は考えています。(3/25 FOXNews.com

2/26(木)
 首の長いステゴサウルス類の化石が発見されました。
 ポルトガルの約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層から,新属新種のステゴサウルス類の化石が発見されました。Miragaia longicollumと名付けられたこの恐竜は,体長が約6mと推定され,首はその約3分の1に当たる1.8mもあるそうです。ステゴサウルス類はこれまで,背中に板,尾にトゲをもち,首がずんぐりしていて短いという特徴を共通してもつと考えられてきました。しかしM. longicollumの首は,他のステゴサウルス類の首より数十cmも長いです。頚椎の数が通常のステゴサウルス類よりも5個多く,17個もあるそうです。
 ステゴサウルス類は背の低い植物を食べていたと考えられていますが,M. longicollumはその長い首を使って,背の高い植物を食べていたと研究者は考えています。(2/25 National Geographic NewsA new long-necked ‘sauropod-mimic’ stegosaur and the evolution of the plated dinosaurs, Proceedings of the Royal Society B, FirstCite

2/13(金)
 イングランドからの白亜紀の地層から,48種の新種の化石が発見されました。
 イングランド・ワイト島の約1億3000万年前(中生代白亜紀前期)の地層から,48種の新種の化石が発見されました。その中には,恐竜,トカゲ,カエル,サンショウウオ,そしてトガリネズミを含む6種の哺乳類が含まれているそうです。
 これまで動物化石の採集には,風雨や波によって地層が浸食されて露出した化石を採集するという方法がとられてきました。この方法では,ある程度の大きさのある化石しか採集できません。しかし今回は,約3.5トンの泥岩が採取され,それを洗浄と篩いにかけて砂の粒子のみを残し,その粒子の1つ1つを顕微鏡で観察するという方法がとられました。こうして,従来の方法では見つからなかった小さな骨や歯が発見されたそうです。
 これまで,白亜紀前期にワイト島に生息していた大型の動物種についてはたくさんの発見がなされてきましたが,小型の動物種についてはほとんど発見がなされてきませんでした。今回の発見により,恐竜と一緒に生きていた小さな生物について,詳細な情報が得られると研究者は考えています。(2/9 ScienceDaily

2/1(日)
 トリケラトプスは,互いに角を使って戦っていた可能性があることがわかりました。
 角竜類は頭部に独特の角とフリルをもちます。他の恐竜への威嚇のためや,他の角竜類と戦うため,またはトリケラトプス同士で戦うためなど,これまで,その角の役割について様々な意見が出されてきました。
 もしトリケラトプス同士が角を使って戦っていたなら,骨にその戦いでできた傷が付いているはずです。この傷を調べるため,北米中の博物館に収められているトリケラトプスとセントロサウルスの頭骨が調べられました。この研究は400体以上の化石を用いて行われ,違いが統計学的に分析されました。
 研究者は,もしトリケラトプスとセントロサウルスの角とフリルが威嚇のためだけに使われていたなら,両者の頭骨に付く傷の割合に違いは見られないだろうと考えました。しかしフリルの一部に付いた傷が,セントロサウルスよりもトリケラトプスのほうが10倍多かいという結果が得られたそうです。トリケラトプスのフリルに付いた傷の多くは,他のトリケラトプスによってつけられたものだと研究者は考えています。
 角竜の種類によって,角の大きさと形は大きく異なります。角の形の違いは戦い方の違いを表していると研究者は考えています。その上,ある種ではなるべく傷を負わない形になるように角の形を進化させたことを示す証拠があるそうです。(1/28 ScienceDaily

2008年
12/20(土)
 獣脚類では,雄が卵を温めていたらしいということがわかりました。
 獣脚類では,卵の上に親が覆いかぶさった形で化石化したものが発見されることがよくあります。このことから,獣脚類の多くは卵を温めていたと考えられています。獣脚類がどのように抱卵に関わっていたかを調べるために,トロオドン類(トロオドン)とオヴィラプトル類(オヴィラプトル,シティパティ)が一度に抱く卵の体積と卵を抱いていた親の骨組織が調べられました。
 この結果,トロオドン類とオヴィラプトル類は,相対的に鳥類と同じくらいの体積の卵を抱いていたことがわかったそうです。また,卵を抱いていた恐竜の骨には,骨髄骨など,妊娠または産卵の痕跡を示す組織は発見されなかったそうです(骨髄骨についてはこちら→クリック!)。このことから,雄が卵を抱いていた可能性が高いと考えられています。雄が卵を抱くのは,現生では鳥類以外あまり見られない行動だそうです。
 このことから,鳥類が出現する前に鳥類のように卵を抱く行動が先に進化したと考えられています。(Avian Paternal Care Had Dinosaur Origin, Science, 322(5909), 1826-1828

 南半球で最大級のドロマエオサウルス類の化石が発見されました。
 南米アルゼンチンの中生代白亜紀後期(約7000万年前)の地層から,巨大なドロマエオサウルス類の新種の化石が発見されました。
 Austroraptor cabazaiと名付けられたこの恐竜は,体長が5〜6.5mもあると推定されています。南半球で発見されたドロマエオサウルス類の中では最大の大きさだそうです。unenlagiinesとして知られる南米のドロマエオサウルス類のグループに属しています。ヴェロキラプトルなど北米のドロマエオサウルス類の頭部は高さがあり前後方向に短いですが,unenlagiinesの頭部は高さが無く前後方向に長いです。また,北米のドロマエオサウルス類のナイフのような形の歯とは異なり,まるでスピノサウルスのような円錐形の歯をもっているのも特徴です。
 A. cabazaiの前肢は相対的に短く,大腿骨はがっしりしているそうです。これは長い前肢をもち,全体的に華奢なつくりの他のドロマエオサウルス類とは対照的です。体のサイズが大きいため,竜脚類のような体の大きな植物食恐竜を捕食していたと考えられています。
 A. cabazaiの発見は,ドロマエオサウルス類がかなり多様な進化を遂げたことを示唆するものであると研究者は述べています。(12/17 National Geographic NewsA bizarre Cretaceous theropod dinosaur from Patagonia and the evolution of Gondwanan dromaeosaurids, Proceedings of the Royal Society of London B, FirstCite

12/9(火)
 恐竜の頭部の仕組みがCTスキャンによってわかりました。
 CTスキャンで恐竜の頭骨が調べられ,恐竜の頭骨には空洞が多くあることがわかりました。
 獣脚類2種(ティラノサウルス・レックス,マジュンガサウルス),アンキロサウルス類2種(パノプロサウルス,エウオプロケファルス),そして比較のために,恐竜にちかい現生のワニとダチョウ,そしてヒトの頭骨がCTスキャンによって調べられました。この結果,獣脚類には鼻孔から喉にかけて弓状に伸びる空気の通り道,大きな嗅覚野とたくさんの空洞があることがわかったそうです。全体的に,この空気で満たされた空間は,脳の容量よりもかなり大きかったそうです。
 また,CTスキャンによって,骨,空隙,筋肉や軟組織の体積を計算することが可能になり,生きているときの頭部の重さがより正確に推定できるようになりました。これによると,Tレックスの頭部の重さは500kg以上と推定されるそうです。頭部の空隙は頭部を軽くするのに役立っていると研究者は考えています。空隙が全く無いときと比べ,約18%頭部が軽くなっていると推定されるそうです。
 鎧竜に関しては,鼻管が従来考えられていたよりも複雑で,渦を巻いた形をしていることがわかったそうです。鼻管はねじれてらせん状になり,空気が直接肺に入らないようになっているそうです。鼻管は大きな血管のすぐ横を通っているため,体温調節の役割を果たしていたと考えられています。空気を吸い込んだとき,血液が空気によって冷やされ,同時に吸い込んだ空気が血液の熱で温められたのだと研究者は考えています。また,ねじれた鼻管が反響器官として働き,独特の声を出させていたとも考えられています。個体によって鼻管の形は微妙に異なり,それによって声にも微妙な違いが現れていたと考えられています。鎧竜の内耳を調べた結果,わずかな声の違いを聞き分ける能力があったらしいということもわかっているそうです。
 恐竜の頭骨とワニとダチョウの頭骨の空隙には類似点が見られましたが,ヒトの頭骨との間にはほとんど類似性は見られなかったそうです。(12/9 PhysOrg.comThe Paranasal Air Sinuses of Predatory and Armored Dinosaurs (Archosauria: Theropoda and Ankylosauria) and Their Contribution to Cephalic Structure, The Anatomical Record, 291(11), 1362-1388

10/30(木)
 ティラノサウルスは,鋭い嗅覚を頼りに狩をしていたらしいということがわかりました。
 ティラノサウルスを含む獣脚類(肉食恐竜)や現生の肉食動物(ワニ)の脳幹の形がCTスキャンによって調べられました。脳は化石として残りませんが,脳を覆っていた頭骨(脳幹)の形を調べることで,脳のどの部分が発達していたか,すなわち,どの感覚が発達していたかを知ることができます。
 この研究の結果,獣脚類では嗅覚をつかさどる嗅球が大きく,嗅覚が発達していたことがわかりました。なかでもティラノサウルス類とドロマエオサウルス類は脳のサイズと体重に対して嗅球が最も大きく,オビラプトル類とオルニトミムス類(ダチョウ恐竜)は嗅球が最も小さかったそうです。オビラプトル類とオルニトミムス類は嗅覚は発達しておらず,雑食または植物食だったと研究者は考えています。
 大きな嗅球は,ほとんど嗅覚だけを頼りに獲物を探す現生の鳥類や哺乳類に見られます。これらの鳥類や哺乳類は夜行性で,広い範囲を動き回ることが知られています。このことから,大きな嗅球をもつティラノサウルス類も,鋭い嗅覚を頼りに,夜,獲物を探して広い範囲を動き回っていたと考えられています。(10/29 FOXNews.comOlfactory acuity in theropods: palaeobiological and evolutionary implications, Proceedings of the Royal Society B, FirstCite

10/21(火)
 1箇所から,1000個以上の恐竜の足跡が発見されました。
 アメリカ合衆国アリゾナ州とユタ州の境界に分布する約1億9000万年前(中生代ジュラ紀前期)の地層から,1000個以上の恐竜の足跡化石が発見されました。足跡の長さは約2.5cm〜51cm。幼体から成体までいろいろな年齢の足跡があり,少なくとも4種の恐竜によってつけられたと考えられています。中には爪や指の跡,さらには尾を引きずった後もあるそうです。
 足跡は砂漠の中の浅い水たまりでつけられたと考えられています。当時米南西部はサハラ砂漠よりも広い砂漠に覆われていたと考えられています。今回発見された足跡は,ジュラ紀前期の米に湿潤な時期があった証拠だと考えられています。(10/20 FOXNews.comA Wet Interdune Dinosaur Trampled Surface in the Jurassic Navajo Sandstone, Coyote Buttes, Arizona: Rare Preservation of Multiple Track Types and Tail Traces, PALAIOS, 23(10), 700-710

10/1(水)
 アルゼンチンで発見された新種の恐竜から,恐竜が鳥類と同じような呼吸の仕方をしていたという証拠が発見されました。
 アルゼンチンの約8500万年前(中生代白亜紀後期)の地層から,体長約10mの新種の獣脚類(肉食恐竜)の化石が発見され,Aerosteon riocoloradensisと名付けられました。
 この化石からは,鳥類の呼吸で使われる気嚢が恐竜にもあったという証拠が発見されました。現生の鳥類は,非常に特殊化した呼吸器系を備えています。肺は小さいのですが,その周りに気嚢という9つの袋が接しており,肺に空気を送っています。
 肺は化石としては残らないため,恐竜が鳥類と同じような呼吸器系を備えていたと証明することは難しいです。しかしA. riocoloradensisの化石から,内部が空洞になった叉骨,座骨,腹肋骨が発見されたそうです。これらの内部が空洞になった骨は鳥類の呼吸の際に気嚢とつながって肺に空気を送り込む送風器の役割を果たすため,A. riocoloradensisが現生の鳥類と同じように気嚢を使って呼吸していた証拠であると研究者は考えています。
 A. riocoloradensisと似たような構造はアロサウルスにも見られるそうです。このことから,ジュラ紀には気嚢を使った呼吸器系が存在していたと研究者は考えています。
 A. riocoloradensisは羽毛をもっていたと研究者は考えています。しかし飛ぶことはできなかったと考えられることから,羽毛や気嚢は飛行のために進化したものではなく,体温調節のために進化したのだと研究者は考えています。羽毛は体温の保温のために,気嚢は体温の冷却のために進化したのだろうと述べています。また,気嚢は二足歩行をし,頭部の重い恐竜のバランス調節のために使われたのだろうとも述べています。(9/29 National Geographic NewsEvidence for Avian Intrathoracic Air Sacs in a New Predatory Dinosaur from Argentina, PLoS ONE

9/30(火)
 始祖鳥よりも古い羽毛恐竜が発見されました。
 中国内モンゴル自治区の中生代ジュラ紀の地層から,羽毛をもつ新種の恐竜の化石が発見されました。Epidexipteryx huiと名付けられたこの恐竜が発見された地層は約1億6800万年前〜約1億5200万年前のもので,始祖鳥(約1億5000万年前)よりもわずかに古いそうです。このため,E. huiが現在発見されている中で最古の鳥類となります。
 E. huiの羽毛のほとんどは短く,飛ぶために必要な構造を備えていないそうです。このため,研究者は,E. huiの羽毛は体の保温や飛行のためではなく,異性にアピールするためや仲間に危険を知らせるためなどの視覚的なコミュニケーションの手段として使われていたと考えています。
 E. huiの体の構造は奇妙で,前肢とがっちりした尾は現生の鳥類に似ているものの,短く高さのある頭部と大きな前歯はオヴィラプトル類の恐竜に似ているといったように,様々な生物の特徴が見られるそうです。(9/29 Nstional Geographic NewsA bizarre Jurassic maniraptoran from China with elongate ribbon-like feathers, Nature Precedings

9/26(金)
 北米で最小の恐竜がシロアリを食べていたらしいということがわかりました。
 2002年にカナダ・アルバータ州で発見された恐竜Albertonykus borealisがシロアリを食べていたらしいということがわかりました。
 A. borealisは約7000万年前(中生代白亜紀後期)に生きていたニワトリくらいの大きさの小さな恐竜です。北米で最小の恐竜と考えられています。細くて長い後肢と太くて短く大きな爪がついた前肢をもち,顎はピンセットのようにとがっているという,特徴的な形態をしていました。鳥のような形をし昆虫を食べていたと考えられているアルヴァレスサウルスや,前肢に1本の爪しかもたないモノニクスと同じ,アルヴァレスサウルス科に属すると考えられています。
 A. borealisの前肢はティラノサウルスの前肢よりも(相対的に)短いですが,強い構造をしていたので何らかの役割を持っていたと考えられています。おそらく木に穴を開け,昆虫を探すのに使われていたのだろうと考えられています。当時アリは非常に少数しか生息しておらず,アリ塚を作るタイプのシロアリは新生代古第三紀始新世(約5580万年前〜約3390万年前)まで出現しなかったと考えられています。このため,A. borealisは木に巣穴を掘るタイプのシロアリを食べていたと研究者は考えています。実際,A. borealisが発見されたのと同じ地域からは,シロアリの巣穴と似た形の穴が開いた木の化石が発見されています。(9/25 FOXNews.comAlbertonykus borealis, a new alvarezsaur (Dinosauria: Theropoda) from the Early Maastrichtian of Alberta, Canada: implications for the systematics and ecology of the Alvarezsauridae, Cretaceous Research, Article in Press

8/30(土)
 福井県で恐竜の足跡化石が発見されました
 福井県福井市に分布する手取層群(中生代白亜紀前期,約1億4600万年前〜約9960万年前)から,恐竜の足跡化石が発見されました。
 見つかったのは,獣脚類の足跡1点,植物食恐竜イグアノドン類の足跡2点,植物食恐竜竜脚類の足跡2点の,計3種類5点の恐竜の足跡化石です。また,鳥類の足跡化石1点も一緒に発見されています。
 国内では,長野県と福井県で中生代ジュラ紀(約2億年前〜約1億4600万年前)の恐竜の足跡化石が発見されています。今回の発見は国内3番目の古さです。また,1箇所から3種類以上の恐竜の足跡化石が発見されるのは珍しく,国内で3例目だそうです。(8/29 YOMIURI ONLINE8/28 asahi.com

8/20(水)
 デンマークから初めて,恐竜の足跡化石が発見されました。
 デンマーク・ボーンホルム島の約1億4400万年前(中生代白亜紀初期)の地層から,恐竜の足跡化石が大量に発見されました。デンマークから恐竜の足跡化石が発見されたのは,今回が初めてだそうです。
 この地層からは,幅30cm以上,深さ20cm以上の竜脚類の足跡化石や,小型肉食恐竜の足跡化石などが見つかっています。足跡化石が発見されたのと同じ場所からは,以前,少なくとも2種類のドロマエオサウルス類の歯と竜脚類の歯が発見されたそうです。このほかにもカメ,魚類レピドテス,サメ・ヒボドゥスなどの化石も発見されており,当時,この地域に豊な生態系が広がっていたと研究者は考えています。
 足跡化石は有機物の豊富な濃茶色の泥岩から発見されました。おそらく非常に水深の浅い湖か沼でつけられたのだと研究者は考えています。
 この地層からは肺魚の巣穴も発見されています。この巣穴は気温が上がって水位が下がった時期に,肺魚が湿った湖底(または沼底)に潜ることでできたと考えられています。このため当時,雨季と乾季があったと考えられています。(8/19 Discovery NEWSDinosaur tracks and possible lungfish aestivation burrows in a shallow coastal lake; lowermost Cretaceous, Bornholm, Denmark (Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology in press)

8/9(土)
 ハドロサウルス類の恐竜は,成長速度がとても速かったらしいということがわかりました。
 植物食恐竜ハドロサウルス類ヒパクロサウルスと,その捕食者であった肉食恐竜アルバートサウルス,ティラノサウルス,トロオドンの成長速度が調べられました。
 成体の脚の骨をスライスしてその年輪を調べた結果,ヒパクロサウルスは10〜12年で成体になったのに対し,ティラノサウルスは成体になるのに20〜30年かかったらしいということがわかったそうです。ヒパクロサウルスは,肉食恐竜よりも2〜3倍速く成長し,その結果,同時期に生まれた捕食者との間に大きな体格差が生まれていたと研究者は考えています。またこの速い成長速度から,ヒパクロサウルスは2〜3歳という早い時期に性的に成熟していたと推測されています。早い時期に子どもが生めるようになれば,それだけ種を存続させられる可能性も高くなります。(8/6 ScienceDailyProceedings of the Royal Society of London B: Biological Sciences, FirstCite

7/30(金)
 福井県で新種の恐竜の化石が発見されました。
 今年3月に福井県勝山市の手取層群(白亜紀前期,約1億2000万年前)から発見された恐竜の化石が,小型獣脚類ドロマエオサウルス類の新種の可能性が高いことがわかりました。
 背骨や上顎骨など,同一個体のものと思われる骨が30点以上見つかっており,全身を復元できる可能性が高いと考えられています。全身を復元できる恐竜の化石が発見されたのは,フクイサウルス(植物食恐竜イグアノドン類),フクイラプトル(大型獣脚類カルノサウルス類)についで国内で3番目です。
 上顎骨には歯が付いており,この歯の縁には肉食恐竜に通常見られる鋸歯が付いていないそうです。昆虫などの軟らかいものを食べていたと推測されています。
 上顎骨の形は中国の羽毛恐竜シノルニトサウルスに似ているそうです。(7/30 CHUNICHI Web

7/25(金)
 タルボサウルスの幼体の,ほぼ完全な全身骨格が初めて発見されました。
 2006年8月,モンゴルのゴビ砂漠で採取されたタルボサウルスの幼体の化石が,ほぼ完全な全身骨格であることがわかりました。約5歳の幼体(体長約2m)の全身骨格の約80%がほぼ関節した状態で保存されているそうです。
 恐竜の幼体の化石は,骨が小さくてもろいため化石になりにくい,化石化しても風化しやすい,などの理由から成体の化石に比べて発見されることがまれです。ティラノサウルス科の幼体の化石は数例発見されていますが,個々の骨がばらばらになっていたり,全身の3割しか発見されていなかったりと,まとまった骨格は発見されていませんでした。このため,ティラノサウルス科の幼体の全身骨格が発見されたのは今回が初めてになります。
 今後,成体と幼体の違いを明らかにしたり,CTスキャンなどを用いて脳などの内部構造を調べる研究が進められていくそうです。(7/23 林原グループプレスリリース

7/22(火)
 国内最大級の肉食恐竜の歯の化石が発見されました。
 石川県白山市白峰に分布する白亜紀前期(約1億3000万年前)の地層(手取層群赤岩層)から,肉食恐竜の歯の化石が発見されました。この化石は長さ8.2cmもあり,国内最大級の大きさだそうです。この歯をもっていた恐竜の体長は約9mと推定されています。
 これまで最大だった肉食恐竜の歯は,熊本県御船町で発見された「ミフネリュウ」の歯で,長さは7.5cmあります。(7/21 YOMIURI ONLINE

7/9(水)
 羽毛恐竜の色がわかるようになるかもしれません。
 かつて鳥や恐竜の羽毛についていた色素は,化石化しても有機物の痕跡として残っていることがわかりました。
 ブラジルの中生代白亜紀前期の地層から発見された縞模様のある羽毛が走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて調べられました。この結果,羽毛の黒い部分にはメラニンが炭素として残っており,白い部分には岩石しか見られなかったそうです。
 デンマークの新生代古第三紀始新世(約5500万年前)の地層から発見された鳥類の羽毛にも同じような痕跡があったそうです。この羽毛は頭骨を覆うように残っており,頭骨には眼の痕が残っていました。そしてこの眼の痕からは現生の鳥類の眼に見られるメラノソーム(メラニン色素を含む細胞小器官)と似た構造が残っていたそうです。
 他の多くの有機物の痕跡も,かつてはメラニンだったということがわかるだろうと研究者は述べています。哺乳類の毛皮も恐竜の皮膚も,有機物の痕跡として保存されたものは,メラニンが変化したものであろうと研究者は考えています。
 今後の研究によっては羽毛恐竜の色を予測することもできるようになるかもしれないと考えられています。(7/9 ScienceDaily

6/13(金)
 ゴンドワナ大陸が分裂したのは従来考えられていたよりも遅かったかもしれないということがわかりました。
 オーストラリア南東部の約1億年前(中生代白亜紀中期)の地層から見つかった獣脚類の化石が,南米のアルゼンチンから発見されたメガラプトル(Megaraptor namunhuaiquii)と非常に近い種であることがわかりました。これまで,約1億3800万年前(中生代白亜紀前期)にゴンドワナ大陸が分裂し,オーストラリア大陸と南米大陸は分かれたと考えられてきました。しかし,約1億年前のオーストラリアに,南米と非常に近い恐竜がいたことがわかったことから,ゴンドワナ大陸が分裂したのは従来考えられていたよりも遅かった可能性があると研究者は考えています。
 しかし現時点では証拠が少ないため,今後,オーストラリアの化石をより一層調べてオーストラリアと南米の生物の関係を明らかにしていくつもりだと研究者は述べています。(6/10 National Geographic NewsProceedings of the Royal Society B, FirstCite

5/7(水)
 恐竜の死後,虫によって骨が食べられたらしいということがわかりました。
 穴が開いていたり,溝ができていたり,損傷が見られる恐竜の骨がこれまでいくつも見つかっています。この損傷の原因は長い間わかっていませんでしたが,今回,虫が食べたことによってできたらしいということがわかりました。
 約1億4800万年前(中生代ジュラ紀後期)の植物食恐竜・カンプトサウルスの骨にできた,虫によってつけられたと思われる傷が調べられました。骨を食べることが知られているガ,シロアリ,カゲロウ,カツオブシムシ科の甲虫の噛み跡と比較した結果,この傷はカツオブシムシ科の甲虫によってつけられたらしいということがわかったそうです。カツオブシムシ科は現在でも生きており,動物の肉,毛,肌や角などを食べています。恐竜が死んだ後数ヶ月以内に,死体はこの虫にたかられただろうと考えられています。
 またこの研究によって,カツオブシムシ科の甲虫が従来考えられていたよりも早くから出現していたらしいということもわかりました。カツオブシムシ科の体化石は,約1億年前のものが最古だそうです。今回の傷は体化石よりも約4800万年古いことになります。(5/6 ScienceDaily

4/25(金)
 ティラノサウルスの化石に保存されたたんぱく質の分析から,ティラノサウルスが鳥類と最も近い関係にあるということが確認されました。
 アメリカ合衆国のヘル・クリーク層(約6800万年前)から2003年に採取されたティラノサウルスの大腿骨から,ほとんど変成を受けていない軟組織が発見されました。この軟組織に遺伝情報は残されていなかったものの,タンパク質を抽出することはできたそうです。たんぱく質は,遺伝子が設計図となって作り出される物質です。このため,タンパク質の構造を調べることによって,絶滅した化石生物と現生生物との関係を類推することができます。
 ティラノサウルスのタンパク質を21の現生生物のタンパク質と比較したところ,ティラノサウルスがワニなどの爬虫類よりも鳥類と最も近い関係にあることがわかったそうです。(4/24 FOXNews.comScience, 320( 5875), 499

4/1(火)
 パキケファロサウルスの若い個体は頭突きができたらしいということがわかりました。
 パキケファロサウルスは,ドーム状に分厚く盛り上がった頭部を持つ恐竜です。かつてはこのドーム状の頭部を武器として使っていたと考えられていましたが,最近では頭骨は激しい衝撃に耐えられるような構造はしておらず,頭突きをすると壊れてしまう可能性があったと考えられています。しかし今回また,パキケファロサウルスが頭突きをしていたことを肯定する研究結果が出されました。
 パキケファロサウルスが頭突きをしたときに衝撃がどのように伝わるかが,コンピュータシミュレーションを用いて調べられました。この結果,ドーム状の頭部は衝撃を受け流しやすい形をしていることがわかりました。そして,成体になる直前の個体が,衝撃を最も軽減できるということがわかりました。成体になる前の若い個体は頭突きで攻撃し,成体は大きな頭部を見せることによって若い個体を威嚇していたと研究者は考えています。
 また,衝撃を和らげる構造は背骨にもあることがわかりました。椎骨の関節は滑りやすい構造をしており,頭突きをしたときには背骨が柔軟に曲がり,頭突きが終わるとすばやくもとの位置に戻ったということが示唆されるそうです。(3/31 ScienceDailyPalaeontologica Electronica, 11. 1. 3A

3/25(火)
 新種の角竜の化石が発見されました。
 メキシコのコアウイラ砂漠に分布する約7200万年前(白亜紀後期)の地層から,新種と考えられる角竜の化石が発見されました。
 この角竜は頭部に大きなフリルと3本の大きな角をもち,トリケラトプスと近縁と考えられるそうです。体長は約7mとトリケラトプスよりもわずかに小さいですが,角の長さはトリケラトプスとほぼ同じ0.9mです。
 この大きな角は肉食恐竜と戦ったり,メスをめぐってのオス同士の争いに使われていたと考えられています。
 約7200万年前,コアウイラ砂漠には海が広がっており,沿岸部には様々な恐竜が棲息していたと考えられています。中にはティラノサウルス(ティラノサウルス・レックスとは別種)もいたと考えられています。今回発見された角竜のような植物食恐竜はティラノサウルスから隠れるように生活していたと研究者は考えています。
 コアウイラ砂漠からはこれから,何十種もの新種の恐竜や植物が発見されると研究者は考えています。新種の恐竜を発見することにより,白亜紀後期のメキシコにどのような生物が生息していたかが明らかになっていくと考えられています。(3/24 Reuters

3/17(月)
 福井県で,小型の獣脚類の化石が発見されました。
 福井県勝山市に分布する手取層群北谷層(白亜紀前期,約1億2000万年前)から,小型の獣脚類の化石約30点が発見されました。右足の鉤爪や足の甲,関節がつながった仙椎などが発見されており,同じ個体の獣脚類の化石がまとまって発見されたのは国内初だそうです。(3/12 産経ニュース

2/22(金)
 丹波竜の環椎が発見されました。
 2006年に兵庫県丹波市で発見された竜脚類「丹波竜」の環椎が新たに発見されました。環椎は,首の骨(頚椎)のなかで,頭部に最も近い位置にある骨です。脳函とつながり,頭を動かす軸の役割を果たしていたと考えられています。環椎は頚椎の中で最も小さく壊れやすいため,その発見は非常にまれだそうです。丹波竜が属すると考えられているティタノサウルス形類での発見は4例目,竜脚類全体で見ても,十数例の発見しかないそうです。国内では初の発見になります。環椎のような壊れやすい骨も発見されたことから,全身骨格が出る可能性がさらに高まったと考えられています。
 発見された環椎は縦約8cm,横約6cm,厚さ約3cmのU字型で,ほぼ完全な状態で発見されたそうです。恐竜の頭の動き方を知る材料になると考えられています。
 (2/22 YOMIURI ONLINE2/22 asahi.com2/21 MSN産経ニュース

2/18(月)
 ハドロサウルス類の新種が発見されました。
 メキシコの約7350万年前(白亜紀後期)の地層から,ハドロサウルス類の新種の化石が発見されました。発見された個体は幼体でしたが,成体になると体長は9〜10mほどになっただろうと考えられています。Velafrons coahuilensisと名付けられました。
 V. coahuilensisはランベオサウルス類に属すると考えられています。北米で初めて記載されたランベオサウルス類です。(2/13 FOXNews.comJournal of Vertebrate Paleontology, 27(4), 917-930

2/14(木)
 最古のアベリサウルス類とカルカロドントサウルス類が記載されました。
 ニジェールの約1億1000万年前(白亜紀前期)の地層から2体の肉食恐竜の化石が発見され,記載されました。
 1体は体長約8m,吻部は短く,骨質の組織で覆われ,顎には小さな歯が並んでいました。ていました。この吻部と歯は,死骸をかじったり,内臓を食べたりするのに適しています。現生のハイエナのように死肉を食べていたと考えられています。この恐竜は最古のアベリサウルス類と考えられており,Kryptops palaiosと名付けられました。
 もう1体の肉食恐竜はEocarcharia dinopsと名付けられました。体長は約8m,ナイフのような歯をもち,眼の上には骨質の突起があります。K. palaiosとは対照的に,その歯は生きた獲物を攻撃したり,獲物の体を引き裂くのに適した形をしていました。最古のカルカロドントサウルス類であると考えられています。
 白亜紀前期のアフリカには,魚食性の獣脚類スコミムスも生息していました。スコミムスは魚,K. palaiosは死肉や小さな動物,E. dinopsはより大きな獲物と,それぞれ異なるものを食べていたと考えられています。現在,アフリカのサバンナで,ライオン,チーター,ハイエナが食い分けをして共存しているのと同じように,約1億1000万年前のアフリカでも食い分けによる共存が行われていたと研究者は述べています。(2/14 BBC NewsActa Palaeontologica Polonica, 53(1), 15-46

1/28(月)
 丹波竜が,ティタノサウルス形類の新種である可能性が出てきました。
 兵庫県丹波市で発掘が進められている植物食恐竜「丹波竜」が,ティタノサウルス形類の新種である可能性が出てきました。
 丹波竜はこれまで,ティタノサウルスやアルゼンチノサウルスが含まれるティタノサウルス類(科)の恐竜と考えられてきました。しかし円筒形の尾椎の化石を調べたところ,その両端が平であることがわかりました。ティタノサウルス類の尾椎は片側に突起があるため,丹波竜はティタノサウルス類ではなく,カマラサウルスやブラキオサウルスなどが含まれるより広いティタノサウルス形類に属すると現在では考えられています。(1/25 YOMIURI ONLINE1/25 YOMIURI ONLINE

1/15(火)
 恐竜は,哺乳類と同じように早熟だった可能性があることがわかりました。
 恐竜が,現生の哺乳類と同じように速く成長し,成体になる前に産卵できた可能性があることがわかりました。
 鳥類は産卵期になると,骨の中に骨髄骨という骨を形成し,卵殻形成に必要なカルシウムを蓄えるそうです。この骨髄骨は,ティラノサウルスですでに発見されていましたが,今回新たに,アロサウルスと,植物食恐竜テノントサウルスのむこうずねの骨からも発見されました。骨の年輪を基にこの骨髄骨の形成時期を推定したところ,テノントサウルスでは8歳,アロサウルスでは10歳,ティラノサウルスでは18歳で骨髄骨が形成されていたことがわかりました。骨髄骨が形成される時期は,それまで急速だった恐竜の成長速度が遅くなる時期と一致しているそうです。また,骨髄骨の形成時期は,現生の爬虫類の成長速度を基に推測された時期よりもかなり速かったそうです。性的な早熟は,中型から大型の哺乳類にも見られる現象だそうです。
 性成熟が速いと,死ぬ前に産める子どもの数が増え,種の生存に有利であると考えられています。(1/15 BBC NewsProc. Natl. Acad. Sci. USA, Published online before print, January 14, 2008

2007年
12/12(水)
 カルカロドントサウルスの新種が報告されました。
 10年前,ニジェールの約9500万年前の地層から発見されたカルカロドントサウルスの化石が新種だということがわかり,Carcharodontosaurus iguidensisと名付けられました。
 C. iguidensisの頭骨の長さは約1.75m,顎は大きく,バナナ大の歯が付いていました。体長は約13mと推定されています。(12/12 BBC News

12/11(火)
 原始的な竜脚形類の化石が南極で発見されました。
 南極大陸で,ジュラ紀前期(約1億9000万年前)の竜脚形類の新属新種が発見され,Glacialisaurus hammeriと名付けられました。竜脚形類とは,ディプロドクスやアパトサウルスなどの竜脚類と,原始的な竜脚類とを含むグループです。G. hammeriは,原始的な竜脚類であるマッソスポンディルス科に属すると考えられています。
 これまで竜脚形類は,ジュラ紀前期には中国,南アフリカ,南米,北米にしか生息していなっかたと考えられてきましたが,この発見によって南極にも生息していたことがわかりました。これは,ジュラ紀前期にはこれらの大陸がまだつながており,また,緯度による気候の違いも現在ほど激しくはなかったためと考えられています。
 また最近,竜脚類と思われる化石がG. hammeriとほぼ同じ場所で発見されたため,初期の竜脚類が,G. hammeriを含む原始的な竜脚形類と三畳紀後期からジュラ紀前期にかけて,長期間ともに生息していたらしいということもわかりました。
 現在,竜脚形類の進化と系統関係について,活発に議論が行われています。この発見によって明らかになった上述の2つの点から,この議論で問題になっているいくつかの問題が解決されるだろうと考えられています。(12/10 ScienceDailyActa Palaeontologica Polonica, 52(4), 657-674

12/5(水)
 非常に保存状態の良いミイラ化した恐竜の化石が発見されました。
 腱や靭帯などの組織,そして骨や皮膚が腐敗することなくそのまま化石化した,非常に保存状態の良い恐竜のミイラが発見されました。恐竜の化石はたいてい骨だけですが,この恐竜のミイラでは,皮膚が3次元的に保存され,尾,前肢,後肢などが完全・無傷の状態で化石化して残っています。死後捕食者や腐肉食者によって死体が荒らされること無く,急速に堆積物に埋没して組織が鉱物に置換されたために,このような完全な状態で化石化したのだと考えられています。
 この恐竜は,約6700万年前に生きていたハドロサウルス類の恐竜で,「ダコタ」と名付けられています。体長約12m,体重約3.5tと推定されています。ハドロサウルス類は動きが遅かったと考えられてきましたが,「ダコタ」を調べた結果,決してのろまではなかったということがわかってきました。
 巨大なCTスキャンを用いて筋肉量を調べた結果,尾の付け根に従来考えられていたよりも25%も多い筋肉がついていたらしいということがわかりました。この筋肉量を基にコンピュータモデルによって走る速度を推定した結果,「ダコタ」は時速45kmの速さで走れたという結果が得られました。これはティラノサウルス・レックスよりも時速13kmも速い速度です。ハドロサウルス類は,捕食者であるTレックスから走って逃げていたのであろうと考えられています。
 また,「ダコタ」の皮膚は非常に保存状態がよく,表面の模様まで残っているそうです。色まではわかりませんが,前肢の関節や尾に縞模様があったことがわかりました。(12/3 National Geographic News

12/3(月)
 ユタ州で,恐竜の足跡化石が大量に発見されました。
 アメリカ合衆国ユタ州南部のジュラ紀の地層から,数千個にも及ぶ恐竜の足跡化石が発見されました。この足跡化石は,獣脚類や竜脚類など,約6種の恐竜によってつけられたものだと考えられています。
 ユタ州南部は,ジュラ紀(約1億9000万年前)の恐竜化石や恐竜の足跡化石が産出することで知られています。この頃のユタ州は,定期的に大洪水の起こるきびしい砂漠だったと考えられています。砂漠だった場所から,竜脚類などの植物食恐竜の化石が発見されることはめったにないそうです。(11/30 PhysOrg.com

11/16(金)
 口が掃除機のような奇妙な形をした竜脚類の復元が公開されました。
 サハラ砂漠で発見された,約1億1000万年前のディプロドクス類の竜脚類Nigersaurus(ニジェールサウルス)の復元が公開されました。この復元によると,ニジェールサウルスの吻部は幅広くて四角く,まるで掃除機のような形をしていました。そして顎には500本から600本の歯が付いていたそうです。
 このニジェールサウルスの研究では,CTスキャンを行って脳頭蓋の3D画像を作るということも行われました。この結果,ニジェールサウルの歯は恐竜の中で生え変わりのスピードが最も速かったということがわかりました。それぞれの歯の後ろに,約10本の生え変わり用の歯が控えていたそうです。また,耳を調べた結果,ニジェールサウルスの顔は首に対して約90度の角度でつき,下を向いていたらしいということがわかりました。
 このことから,ニジェールサウルスの首はほぼ水平であまり高く上がらなかったと考えられています。そして口を地面近くに下ろし,歯を鋏のように使って地面に生えていた植物を刈って食べていたことが示唆されるそうです。若いシダ植物やトクサのような柔らかい植物を食べていたと考えられています。この頭部の角度と他の恐竜には見られない歯の生え変わりの様子から,ニジェールサウルスがディプロドクスや他の類縁関係の近い竜脚類とは異なった行動様式をとっていたことが示唆されています。最近まで,ディプロドクス類は首を持ち上げて木の枝や葉を食べていたと考えられていました。
 ディプロドクスもまた,ニジェールサウルスほどではないにしても,下を向いた頭部と四角い顎を持っています。ディプロドクスも地面に生えていた植物を食べていたのだろうと研究者は考えています。また,今回の研究が,ディプロドクス類が地面に生えている植物を主に食べていたとする最近の説を支持するものであると考える研究者もいます。
 ニジェールサウルスの採食行動は他のディプロドクス類の恐竜と明らかに異なっていましたが,他にも大きく異なる点があるそうです。驚くべきことに,ニジェールサウルスの頭骨は光を通すほど非常に薄く,脊椎は骨よりも空洞の方が体積が大きいそうです。このおかげでニジェールサウルスの体重はかなり軽かったと考えられていますが,同時に非常にもろかったとも考えられています。この恐竜がどのようにして生活していたかを解明するにはさらなる研究が必要だと研究者は述べています。(11/15 National Geographic News

11/7(水)
 恐竜が,ペンギンと同じような呼吸の仕方をしていたことがわかりました。
 現生の鳥は,非常に特殊化した呼吸器系を備えています。肺は小さいのですが,その周りに気嚢という空気を送るポンプの役割をする9つの袋が接しています。そして肋骨にある鈎状突起が,呼吸と運動の際に重要な役割を果たしています。呼吸のときに,肋骨と胸骨を動かすレバーとして働いているのです。
 この鈎状突起は鳥のタイプ(運動の激しさ)によって長さが異なります。エミューのような走行性の鳥では最も短く,飛行性の鳥では中くらいの長さ,そしてペンギンのように水中を泳ぐ鳥(運動が最も激しい)では最も長くなっています。
 恐竜(獣脚類)と,始祖鳥のような絶滅した鳥類の骨格が調べられ,現生の鳥類の骨格と比較されました。その結果,鈎状突起は獣脚類,絶滅した鳥類,現生の鳥類のいずれにも見られたそうです。そして獣脚類の鈎状突起の形は,水中を泳ぐ鳥の鈎状突起の形と最も似ていたそうです。
 このことから,獣脚類が効率的な呼吸器系を備えていたことが示唆され,獣脚類はとても活動的で獲物を追いかけるときには比較的速く走れたという説を支持する結果であると研究者は述べています。(11/7 BBC News

11/1(木)
 和歌山県で肉食恐竜の歯の化石が発見されました。
 和歌山県に分布する約1億3000万年前(白亜紀前期)の地層から,恐竜の歯の化石が発見されました。
 この化石は,長さ約2.6cm,幅約1.2cmで,鋸歯が付いていることから,体長3〜4mの獣脚類の歯であると考えられています。(11/1 徳島新聞11/1 東京新聞

10/30(火)
 福井県で,竜脚類の大腿骨や肋骨の化石が発見されました。
 今年の7月〜8月に,竜脚類のものと思われる上腕骨や尺骨が発見された,福井県勝山市の白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層(手取層群北谷層)から,竜脚類の大腿骨や肋骨などの化石5点が発見されました。前回発見された化石と今回発見された化石は同一個体のものと考えられており,種類の特定につながる可能性もあるそうです。(10/30 YOMIURI ONLINE10/30 CHUNICHI web10/29 asahi.com

10/24(水)
 極地域に棲んでいた恐竜の足跡化石がオーストラリアで発見されました。
 オーストラリアで,約1億1500万年前(白亜紀前期)につけられたと思われる恐竜の足跡化石が発見されました。約1億1500万年前,オーストラリアは南極大陸とつながっており,足跡が発見された場所は極近くに位置していたと考えられています。
 発見されたのは,いずれも長さ36cmほどの獣脚類の足跡3つです。この足跡の大きさから,足跡をつけた恐竜の腰までの高さは1.4m〜1.5mで,体の大きさはアロサウルスの5分の4ほどだったと推定されています。
 今回発見された足跡化石から,極地域に棲んでいた恐竜がオーストラリアまで進出していたことがわかりました。これまでの研究により,極地域に生息していた恐竜は寒さに強く,暗い冬でもえさを探せるように夜目が聞いていたと考えられています。(10/23 FOXNews.com

10/22(月)
 ティラノサウルスの前足の第三指が発見されました。
 ティラノサウルス・レックスの手の第三指が発見されました。見つかったのは右手の中手骨です。
 これまで,第三指の中手骨が存在していた可能性は指摘されてきましたが,その証拠は発見されていませんでした。
 今回その証拠が発見されたのですが,ティラノサウルス・レックスの復元はそれほど変わらないそうです。第三指は消えかかっており,指として外に出てている部分は少なかったそうです。あと1000万年生きていたら,第三指は完全に消えていただろうと研究者は述べています。
 この発見は,28日(日)に,annual meeting of the Geological Society of Americaで発表されるそうです。(10/17 Discovery Channel News

10/17(水)
 世界最大級の竜脚類の化石がアルゼンチンで発見されました。
 アルゼンチン・パタゴニアの約8000万年前の地層から,竜脚類の化石が発見されました。体長は少なく見積もっても約32m。世界最大級の恐竜の化石です。
 この化石は,首が他の竜脚類には見られない特徴的な構造をしていることから新種と考えられ,Futalognkosaurus dukeiと名付けられました。
 死後川に流され,川の流れをせき止めて集まったと考えられる魚や葉の化石も一緒に見つかっています。葉と恐竜が一緒に化石化することは珍しいそうです。この2つの化石から,恐竜が生きていた当時,どのような環境だったかを推定することができます。現在パタゴニアはほとんど植生はなくステップのような環境ですが,約8000万年前には温暖で湿潤な気候で,森林があったそうです。(10/15 BBC News

10/15(月)
 国内最古級のハドロサウルス類の化石が発見されました。
 熊本県御船町で,白亜紀後期(約8500万年前)のハドロサウルス類の化石が発見されました。ハドロサウルス類としては国内最古級だそうです。
 見つかったのは,右側後頭部の一部で,脳幹が含まれていたそうです。ハドロサウルス類の脳幹が発見されたのは国内で初めてだそうです。
 その形状から,頭に突起のあるランベオサウルス亜科の化石であると考えられています。(10/13 asahi.com10/13 YOMIURI ONLINE

10/11(木)
 ティラノサウルス・レックスのものと思われる足跡化石が発見されました。
 長さ76cmにも達する巨大な足跡化石がアメリカ合衆国モンタナ州に分布するヘルクリーク層で発見されました。
 この足跡は,3本指の獣脚類のもの。この足跡をのこした可能性がある恐竜は,ナノティラヌスとティラノサウルス・レックスの2種類だそうです。しかし足跡の大きさから,後者であると考えられています。
 ティラノサウルス・レックスのものと考えられる足跡化石は,ニューメキシコ州で発見された1例があるのみです。足跡をのこしたその場で死んで化石化しない限り,足跡とそれをのこした恐竜とを100%対応させることはできません。しかし今回発見された足跡もニューメキシコ州で発見された足跡も両方とも,これほど大きな足跡をのこせるのはティラノサウルス・レックスしかないと考えられています。(10/9 BBC News10/10 PhysOrg.com

10/5(金)
 187体のプシッタコサウルスの化石が発見されました。
 モンゴルで,数〜十数km2の範囲内に187体のプシッタコサウルスの化石が埋まっているのが発見されました。この化石はさまざまな年齢のプシッタコサウルスで構成されており,1つの群れを構成していたと考えられています。何らかの中毒,病気,自然災害など,大量死の原因はいくつか考えられますが,この187体のプシッタコサウルスの死因についてはまだわかっていません。
 今回発見された187体の化石を使って,個体差や成長に伴ってどのような変化が起こるのかが調べられる予定だそうです。(10/4 Discovery Channel News

10/4(木)
 歯が800本もある新種のカモノハシ竜が記載されました。
 アメリカ合衆国ユタ州の約7500万年前(白亜紀後期)の地層から,カモノハシ竜グリポサウルスの新種の化石が発見されました。
 Gryposaurus monumentensisと名付けられたこの恐竜は,グリポサウルス属としては4番目に発見された種です。体長は約10m。他の3種と似た特徴ももっていますが,決定的に異なる特徴があります。鼻先が,他のカモノハシ竜と比べて非常に大きく,非常にがっしりとしているのです。さらに,鼻先がほぼ垂直の角度で立ち,噛む力が非常に強かったことを物語っています。
 くちばしの内側には300本の歯が生え,顎の中にはまだ生えていない歯がさらに500本ありました。この歯で繊維質や木質の植物を大量に刈り取って食べていたと研究者は考えています。(10/3 BBC News10/3 Discovery Channel News10/3 ScienceDaily10/3 FoxNews.com10/3 PhysOrg.com10/3 National Geographic NewsZoological Journal of the Linnean Society, 151, 351-376

8/24(金)
 肉食恐竜はヒトよりもずっと速く走れたことがわかりました。
 マンチェスター大学の研究者が,コンピュータシミュレーションを使って,肉食恐竜5種の走るスピードを調べました。恐竜の骨格や筋肉などのデータを使って,恐竜がどのくらい速く走れたかがシミュレーションされました。
 調べられた5種の肉食恐竜の中で最も速く走れたのは,ニワトリくらいの大きさのコンプソグナトゥスです。その速さは時速約65kmだったと推定されています。現生の鳥類で同じくらいの速度で走れるのはダチョウです。体が巨大なティラノサウルスでさえ,時速約29kmで走れたという結果が出ています。ちなみに,200m走者の走る速さは最大で時速約43kmです。
 肉食恐竜がこれほど速く走れたということは,そのえさとなる植物食恐竜が速く走れたということを意味しています。この説を確かめるために,ハドロサウルスについても現在,同じシミュレーションが試みられています。(8/21 BBC NewsProceedings of the Royal Society B, FirstCite Early Online Publishing

8/13(月)
 手取層群から,竜脚類の尺骨とみられる骨が発見されました。
 今月9日,福井県勝山市の白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から,恐竜の骨が発見されました。骨は,長さ約45cm,幅約12cmで,保存状態はよいそうです。竜脚類の左前脚の尺骨であると考えられています。竜脚類の尺骨の発見は国内で初めてです。
 化石が発見されたのは,先月竜脚類の上腕骨と思われる国内最大級の骨格化石が発見された場所から3mほど下流の地点です。ともに大型であることなどから,同一個体の骨である可能性が高いそうです。(8/10 福井新聞ONLINE8/10 CHUNICH Web8/9 asahi.com

7/20(金)
 恐竜が繁栄するようになるには長い時間が必要だったということを示唆する論文が発表されました。
 恐竜は,今から2億3000万年前〜2億2000万年前(三畳紀後期)に出現したと考えられています。そして恐竜が出現してから200〜300万年後のジュラ紀初期(約2億年前),恐竜は陸上の生態系でもっとも優勢な生物となっていました。しかし,三畳紀からジュラ紀への過渡期の化石は少ないため,恐竜がどのように繁栄するようになったのかについてはあまりわかっていませんでした。これまでは恐竜が彼らの原始的な仲間である恐竜形類に急速に取って代わったのだと考えられてきました。
 しかし,恐竜が恐竜形類に取って代わるには長い時間が必要だったということを示唆する論文がScienceに掲載されました。
 アメリカ合衆国ニューメキシコ州の三畳紀後期(2億2800万年前〜2億年前)の地層から,原始的な恐竜や数種の恐竜形類の化石が発見されました。ニューメキシコ州から発見された恐竜形類の中には,これまで北米以外の三畳紀中期〜三畳紀後期の初期(2億4500万年前〜2億2800万年前)の地層からしか見つかっていなかったものも含まれていました。このため,恐竜が恐竜形類に取って代わるには,1500万年〜2000万年の時間が必要だったであろうということがわかりました。(7/19 BBC NewsScience, 317(5836), 358-361

7/17(火)
 福井県で国内最大級の恐竜の化石が発見されました。
 福井県勝山市にある手取層群北谷層(白亜紀前期,約1億2000万年前)から,幅約25cm,長さ約90cm(推定)の恐竜の化石が発見されました。竜脚類の上腕骨と考えられています。国内の恐竜化石としては,三重県鳥羽市で発見されたトバリュウの上腕骨(長さ115cm)の次に大きい化石だそうです。
 この化石は8月1日から31日まで,福井県立恐竜博物館で展示されるそうです。(7/11 CHUNICHI Web7/11 Sankei WEB

6/15(金)
 巨大な鳥のような恐竜が中国で発見されました。
 中国・内モンゴル自治州の約8500万年前(白亜紀後期)の地層から,体長約8mの巨大な鳥のような形をした恐竜が発見されました。この恐竜は,長い前肢,鳥のような後肢をもち,歯はなく,くちばしもあったと考えられています。羽毛の痕跡は発見されていませんが,他の羽毛恐竜の特徴と類似点が多いことから,研究者はこの恐竜にも羽毛があったと推測しています。これまで,恐竜が鳥類に進化する過程で小型化し,鳥類のような形質を獲得してきたと考えられてきました。しかしこの恐竜は体重1400kgと推定されており,他の羽毛恐竜の推定体重の35倍にも達します。さらに,この巨大さにも関わらす,この恐竜はまだ成体に達していないと考えられています。この恐竜はギガントラプトル・エルリアネンシス(Gigantoraptor erlianensis)と名付けられました。ギガントラプトルは,その特徴からオヴィラプトル科に属すると考えられています。
 研究者は,ギガントラプトルの成長速度がアルバートサウルスやゴルゴサウルスといった北米のティラノサウルス類よりも速かったために,このような巨体に成長したのだと考えています。(6/13 news@nature.com6/14 BBC NewsNature, 447, 844-847

6/9(土)
 恐竜の「死のポーズ」について,新しい説が出されました。
 恐竜の化石に特徴的に見られる頭部を背中側にむけ,尾を後方にそらした姿勢は,脳の損傷や窒息などが原因であるという説がが出されました。
 恐竜や翼竜,初期の哺乳類などは,この体を後方にそらした姿勢でよく化石が見つかります。これまでこの姿勢の理由については,水中で死に,流されているうちにこの姿勢になったというものや,死後硬直によるもの,筋肉や腱,靭帯の乾燥によるものなど,いくつかの説が出されてきました。
 この説に対して,体を後方にそらした姿勢は,病気が進行したときや動物が車にひかれたなどに見られると,異を唱える研究者がいます。
 雑誌Paleobiologyに掲載された論文の中で,この研究者は,中枢神経系の損傷によって恐竜は体を後方にそらした姿勢になって死んだのだと主張しています。事実,この姿勢は「後弓反張」として神経学者によく知られ,小脳の損傷によって引き起こされるそうです。ヒトや動物では,小脳の損傷は,窒息,髄膜炎,破傷風,中毒などによって引き起こされ,緩やかな死に付随して起こります。
 体を後方にそらした姿勢で発見される動物の中には,火山噴火の降灰によって窒息したと思われるものがいます。これは,この姿勢で発見される多くの化石が火山灰堆積物の中から見つかることと調和的です。しかし,窒息以外の可能性も数多く存在します。このことから,体を後方にそらした姿勢が,恐竜が死ぬときにどのような状態にあったかを知る手がかりになると研究者は考えています。
 また体を後方にそらした姿勢は,新陳代謝が活発な,または活発であったと思われる恐竜,翼竜,哺乳類でのみ見られます。このため,この姿勢が,化石になった動物が温血動物であったことの指標になるであろうと考えられています。
 研究者は,体をそらした姿勢で見つかる化石の多くに,水中で死に,水流によって流された痕跡があることを認めています。しかし水流によって,この姿勢の特徴全てを説明することはできません。関節が完全につながった化石を大量に調べることによって,死後水流によって運ばれた化石と,死ぬときに脳の損傷などによってこの姿勢になった化石を見分けることができると考えられています。
 研究者はまた,体を後方にそらした姿勢の原因の1つと考えられる死後硬直について実験を行いました。raptor ricovery centerの協力を得て,安楽死させられる鳥の死後硬直の様子を8〜10時間定期的に観察しました。しかし死体は全く動かず,体を後方にそらした姿勢への変化は見られませんでした。また,安楽死させられた鳥を発泡スチロールピーナツの中に2ヶ月間入れて乾燥させる実験を行っても,死後の姿勢に変化は見られませんでした。このことから,死後硬直や乾燥によって体を後方にそらした姿勢に変化した可能性は非常に低いと研究者は考えています。
 研究者は,中枢神経系の損傷によってのみ,体を後方にそらした姿勢への変化が説明できると結論付けています。小脳は筋肉の動きを制御しています。この筋肉には,恐竜の首や尾を水平に保つ抗重力筋が含まれています。小脳の機能が停止すると,筋肉は最大の力で引っ張られ,首と尾は後方に逸れると研究者は述べています。(6/7 PhysOrg.comPaleobiology, 33(2), 201-226

6/6(水)
 ティラノサウルスは非常にゆっくりとした動きしかできなかったことがわかりました。
 米国の研究チームが,詳細なコンピュータモデルを用いてティタノサウルスの体重を割り出し,ティラノサウルスがどのように動いていたかを推定しました。
 この結果,ティラノサウルスの体重は6〜8トンあるという結果が得られました。これは従来いわれていたよりも大きい数値です。この体重では,時速40kmで走るのは非常に難しく,45度回転するのに2秒もかかってしまうことになります。また,いくつかのイラストで見られるように,片足だけですばやく方向転換することはできなかったと考えられています。
 研究者は,この研究によって,ティラノサウルスのように巨大な恐竜がどのように生きていたかを,より現実に近い形で推定することができるようになると期待しています。
 この研究結果はJournal of Theoretical Biologyに載っています。
6/4 BBC News

5/28(月)
 ステゴサウルスのものと考えられる足跡の化石が発見されました。
 コロラド州デンバーで,4つの小さな足跡化石が発見されました。これは2頭のステゴサウルスの赤ちゃんの足跡化石であると研究者は考えています。
 ステゴサウルスの足は比較的小さいため,発見が困難です。このため,ステゴサウルスがどれくらいの速さで成長したのか,どれくらい長く生きたのか,などについてはほとんどわかっていません。しかし今回発見された足跡化石を,骨や成体の足跡化石と一緒に研究することによって,これらの謎を解く一助になるのではないかと期待されています。
 しかし,今回発見された足跡化石はステゴサウルスのものではないと考える研究者もおり,議論にまだ決着は付いていません。(5/24 North County Times

5/25(金)
 恐竜が泳いだことを示す足跡化石が発見されました。
 スペインの約1億2500万年前(白亜紀前期)の湖の地層から,15mも続く恐竜の足跡の化石が発見されました。この足跡は,二足歩行の恐竜が水深3mの湖底を爪で引っかいてつけたものであると考えられています。2〜3の引っかき傷からなる足跡が,12個連続して付いているそうです。
 湖底のリップルマーク(水の流れによって湖底の表面にできた,波のような形の微地形)から,この恐竜は流れに逆らって泳いでいたということが示唆されています。現生の水鳥のように後ろ足で交互に水を掻いて泳いでいたと考えられています。
 恐竜が泳げるかどうかの疑問は長い間謎のままでした。恐竜の解剖学的,生態学的研究から,泳げることは示唆されてきましたが,それを支持する証拠はほとんど発見されていませんでした。しかし今回の足跡化石はそれを支持する決定的な証拠であると研究者は考えています。(5/24 BBC NewsGeology, 35(6), 507-510

5/23(水)
 ティラノサウルスの噛む力が強かった一因は,鼻の骨が癒合していたことであることがわかりました。
 ティラノサウルス類の頭骨とティラノサウルス類以外の恐竜の頭骨が,CTスキャンなどを使って比較されました。これによって,歯,鼻,頭蓋骨などの強度がわかります。この結果,ティラノサウルス類は他の恐竜に比べて,歯や頭骨が非常に頑丈で,顎の筋肉の付着部が大きく,獲物の骨に深く噛み付くことができたことがわかりました。
 また,ティラノサウルス類の鼻の骨は癒合し,弓のように弧を描いています。ティラノサウルス類のこの癒合した鼻は,癒合していない他の肉食恐竜の鼻よりも強いことがわかりました。この癒合した鼻によって,強い力で噛み,獲物の骨をばらばらにすることができたと考えられています。他の肉食恐竜では,獲物に噛み付いたときに,頭骨はわずかに広がるそうです。ティラノサウルス類は,噛んだ力を全て獲物に伝えることができたそうです。中でも特に,T. rexは非常に強い頭骨と顎の筋肉を持っていたそうです。少なく見積もっても,体重50kgの人を5m投げ飛ばすことができたと研究者は考えています。(5/18 PhysOrg.com

5/16(水)
 大型の恐竜は低い音しか聞こえていなかった可能性があることがわかりました。
 現生の鳥とワニ,そして恐竜ではブラキオサウルス,アロサウルス,始祖鳥の耳の内部構造を調べた研究によって,恐竜,特にティラノサウルスなどの大型の恐竜は,低い音しか聞こえていなかった可能性があることがわかりました。また,一般的に動物が自身で出せる音と聞くことができる音の周波数は似ているため,恐竜は彼らが聞くことができる音と似たような音を出していたであろうということも指摘されています。
 この研究を行ったグループは,動物の体サイズは彼らの耳の内部構造の大きさ,つまり聞くことができる音の範囲と密接に関係していることを発見しました。これによって,10g程度の鳥から,75トンものブラキオサウルスまで,聴覚を推定することができます。研究チームは,大型の恐竜が聞くことができる音の範囲は3kHz以下であったろうと考えています。私たちヒトが聞くことができる音の範囲はだいたい20Hzから20kHzです。(5/11 Discovery Channel News

4/24
 ユタ州のジュラ紀の地層から,新種の恐竜などの化石が発見されました。
 ユタ州のジュラ紀前期(1億9960万年前〜1億7560万年前)の湖の地層から,新種の肉食恐竜,サメ,魚,木の化石が発見されました。
 今回発見された肉食恐竜は,ディロフォサウルスの仲間と考えられています。体長は約5.5〜6m,体重は約350〜450kgと推定されています。口の前方についている歯は長く,鋭くとがっており,それよりも薄い他の歯には鋸歯がみられます。このような歯は,スピノサウルスやスコミムスなど,魚を主に食べていたと考えられている恐竜にみられます。また今回発見された恐竜の鼻の穴は現生のワニのように吻の上につき,口が水中にあっても呼吸できるようになっています。これらの身体的特徴などから,この恐竜は魚食に適していたと考えられています。
 この地層からは3000以上の爪の引っかき傷や指の痕などが発見されています。これらの印象化石は恐竜,その他の爬虫類,哺乳類といった何種類もの生物によってつけられたと考えられています。これらは非常に保存状態がよく,爪の甘皮や皮膚の印象,うろこの線まで残っているそうです。これらの印象化石は,恐竜が水中を歩いたり泳いだりした証拠と考えられています。(4/20 Discovery Channel News

4/17(火)
 ティラノサウルスの化石からたんぱく質が発見されました。
 6800万年前のティラノサウルスの肢の化石からたんぱく質が発見されました。このたんぱく質は骨に最も多く含まれるコラーゲンだそうです。
 このコラーゲンのアミノ酸の配列を調べたところ,鶏のコラーゲンと最も似ていることがわかりました。これは鳥が恐竜から進化したことを支持する証拠であると考えられています。
 今回コラーゲンが発見された化石は,2年前に血管と思われる軟組織が発見された標本と同じものです。(4/13 FOXNews.com4/12 New Scientist.com4/12 ScienceDailyScience, 316(5822), 280-285

3/23(金)
 巣穴を掘る恐竜の化石が発見されました。
 約9500万年前(白亜紀中期)の,地面に穴を掘って巣を作っていた恐竜の化石が,モンタナ州で発見されました。発見されたのは成体1体と幼体2体の化石で,粗い堆積物で埋められた長さ2.1mのトンネルから発見されました。この発見は,恐竜にも巣穴を掘り,そこで子育てした種類がいたことを示す最初の確たる証拠であると研究者は話しています。
 今回発見された恐竜は新属新種で,Oryctodromeus cubicularisと名付けられました。「巣穴を掘る走者」という意味です。成体は体長約2.1mと推定されています。そのうち1.2mは尾の長さです。体幅はO. cubicularisが掘ったと考えられる巣穴の直径とほぼ同じ,約30cmと推定されています。
 巣穴には傾斜がつけられ,2回大きく曲がっているそうです。これは,現生の穴を掘る動物の巣穴と同じ構造だそうです。
 巣穴は洪水によって運ばれたと考えられる粗い堆積物で埋められていますが,O. cubicularis洪水で死んだのではないと研究者は考えています。骨の関節がつながっていなかったため,死後腐敗が進んだ後に巣穴が埋められたと考えられています。(3/21 BBC News3/21 Science3/21 National Geographic News3/21 PhysOrg.com3/21 news@nature.com3/21 Discovery Channel NewsProceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, FirstCite Early Online Publishing

3/12(月)
 恐竜のゲノムは鳥類と同じように小さかったことがわかりました。
 恐竜のゲノムが鳥類のように小さかったという研究結果が,Natureに発表されました。31種の恐竜と絶滅した鳥類のゲノムのサイズが調べられ,竜盤類恐竜のゲノムが,鳥類が出現する1億年以上も前,2億5000万年前から2億3000万年前の間に減少し始めていたことがわかりました。鳥盤類恐竜ではこのようなゲノムの減少はみられなかったそうです。
 鳥類のゲノムが爬虫類や哺乳類に比べて小さいということは以前から知られていました。ゲノムが小さいと細胞のサイズも小さくなり,代謝速度も速くなります。細胞の体積に比べて表面積が大きくなるため,細胞膜を通して栄養と信号ががすばやく運搬されるようになります。このため,活発に飛び回るためにはゲノムのサイズが小さい必要があると考えられています。(3/9 FOXNews.com3/8 ScienceDaily3/8 Discovery Channel News3/7 news@nature.comNature, 446, 180-184

3/9(金)
 篠山層群で,竜脚類のつながった尾椎の化石が発見されました。
 国内最大級の竜脚類の化石が発見された兵庫県の篠山層群で,新たに尾椎の化石13点が発見されました。そのうち4点は関節がほぼつながった状態で発見されています。尾椎などの背骨がつながって発見されたのは国内で初めてだそうです。
 今回発見された13点の尾椎は「く」の字形に約2メートル並んでいます。これは尾全体の約3分の1にあたるそうです。尾椎は徐々に太くなる形で並んでおり,さらに発掘を進めれば胴体部分が現れるのはほぼ確実とみられています。(3/8 神戸新聞3/8 YOMIURI ONLINE3/7 asahi.com

3/5(月)
 カナダで角竜の新属新種が発見されました。
 カナダ・アルバータ州南部で,角竜の新属新種が発見されました。Albertaceratops nesmoiと名付けられたこの角竜は7800万年前(白亜紀後期)に生きていたと考えられています。体長約6m,体重は約1.5tと推測されています。
 トリケラトプスなどの角竜が含まれるケラトプス科は,眼の上の角とフリルが大きいケラトプス亜科と,眼の上の角は発達していないが鼻の上の角が大きく,とげやかぎ状の突起がフリルについているセントロサウルス亜科に分けられます。今回発見されたA. nesmoiはセントロサウルス亜科に分類されると考えられていますが,眼の上の角が大きいのが特徴です。また,鼻の上には長い,バナナの形をした角があります。フリルからは大きな2個のかぎ状の突起が前方に突き出ています。研究者はA. nesmoiはセントロサウルス亜科の原始的な種で,セントロサウルス亜科がケラトプス亜科と枝分かれした直後の種であろうと考えています。(3/4 ScienceDailyJournal of Paleontology, 81(2), 376-3962/24 Cleveland Museum of Natural History

2/28(水)
 篠山層群で竜脚類の化石が新たに発見されました。
 国内最大級の竜脚類の化石が発見された兵庫県の篠山層群で,尾の骨と見られる化石10点が新たに発見されました。見つかったのは,血道弓7個と尾椎3個,それに部位不明の骨の化石6個です。血道弓と尾椎の化石はほぼ一直線に並んでいたそうです。前回見つかった化石と尾の位置関係に大きなずれがないことから,同一個体の化石の可能性が高いと考えられています。(2/28 時事ドットコム2/28 NIKKEI NET2/28 asahi.com

2/16(金)
 メキシコで40個の恐竜の足跡化石が発見されました。
 メキシコで約1億1000万年前(白亜紀前期)の恐竜の足跡化石が発見されました。この足跡化石は竜脚類のものと考えられています。3種の竜脚類によってつけられた足跡化石が40個あるそうです。
 足跡化石が発見されたのは,当時海に近い沼地だったところで,水を飲みにきた恐竜の足跡が化石になったのだと考えられています。
 昨年も同じ地域で30個の恐竜の足跡化石が発見されています。この足跡化石は体長20m,体重30〜40tの恐竜によってつけられたと推測されています。おそらくアパトサウルスによってつけられたと考えられています。(2/14 MSNBC2/13 topix.net

2/8(木)
 インドで100個以上の恐竜の卵の化石が発見されました。
 インドのマッディヤ・プラデシュ州の中心部で100個以上の恐竜の卵の化石が発見されました。その卵はソフトボール大で球形,6個から8個がまとまった状態で発見されたそうです。白亜紀後期(9960万年前〜6550万年前)の竜脚類の卵であると考えられています。また卵とともに恐竜の足跡の化石も発見されています。(2/6 PhysOrg.com2/5 National Geographic News2/5 FOXNews.com

2/1(木)
 バンビラプトルの親指が,他の指と向かい合わせにできたことがわかりました。
 約7500万年前に生きていた恐竜,バンビラプトルの親指が,私たちヒトの親指のように,他の指と向かい合わせにできたことがわかりました。
 研究者は骨のモデルを使って,バンビラプトルとディノニクスの前肢の動きを比べました。その結果,バンビラプトル,ディノニクスともに,獲物を前肢で捕まえて口に持っていくことができることがわかりました。それだけではなくバンビラプトルの場合,3本ある指のうち,外側にある2本の指の先をくっつけることができることがわかりました。これは私たちが親指と中指の先を触れ合わせるのに似ています。バンビラプトルはこの2本の指の爪でカエルなどの小さな獲物を両側から突き刺して逃げられないようにしていたのだろうと研究者は考えています。これに対し,ほとんどの恐竜は単純に口で獲物を捕らえていたと考えられています。(2/3 NewScientist.comJournal of Vetebrate Paleontology, 26(4), 897)

1/23(火)
 ミクロラプトル・グイは,複葉機のように翼を上下に重ねて飛んでいた可能性があるということがわかりました。
 最近の研究により,ミクロラプトル・グイは後肢を体の下に曲げ,複葉機のように翼を上下に重ねて飛んでいた可能性があるということがわかりました。
 ミクロラプトル・グイは白亜紀前期に生きていた小型の獣脚類で,前肢と後肢,四本の肢全てに飛行用の羽毛を持っています。ミクロラプトル・グイの飛行(滑空)姿勢はこれまで,後肢を側方に伸ばし,翼を前後に並べた形で復元されてきました。しかし足の関節と羽毛の方向を調べた結果,従来の姿勢では十分な揚力が得られないばかりでなく,陸上での歩行も困難になることがわかりました。
 そこで,恐竜や鳥は横方向ではなく縦方向に足を動かすこと,グイの後肢の羽毛が非対称(羽軸の片側の羽がもう片側の羽より短い)であることから,グイは後肢を体の下に曲げ,複葉機のような姿勢で飛んでいたという推測がなされました。
 空気力学的には,飛んでいるときに羽の短い側が空気が流れてくる前方向を向くことによって揚力が生まれます。しかし後肢を側方に伸ばした従来の飛行姿勢では,羽の短い側は横を向くことになってしまいます。コンピュータを使ったシミュレーションでは,翼を上下に重ねて飛ぶことによって,木の間を滑空するのに理想的な,上下に波打つような飛び方ができるという結果が得られました。
 この研究は,鳥の飛行が陸上から飛び立つことによって進化したのではなく,樹上から滑空することによって進化したということを支持するものであると研究者は考えています。(1/22 BBC NEWSPublished online before print, Proceedings of the National Academy of Sciences

 ステゴサウルスの化石がポルトガルで発見されました。
 1億5000万年前のステゴサウルスの化石がポルトガルで発見されました。ステゴサウルスはこれまで北米からしか見つかっておらず,ヨーロッパから発見されたのは今回が初めてです。
 発見されたのは脊柱,背中の板,大腿骨,歯などで,S. ungulatusに近い種であると考えられています。今回の発見によって,ニューファンドランド島とイベリア半島が一時期つながっていたおり,大西洋をはさんで動物が行き来した可能性が非常に高いということが裏付けられました。(1/11 THE INDEPENDENTOnline first, Naturwissenschaften

1/5(金)
 兵庫県で国内最大級の竜脚類の化石が発見されました。
 兵庫県に分布する白亜紀前期の篠山層群(約1億4000万年前〜1億2000万年前)から,竜脚類の化石数十点と獣脚類の歯の化石3点が発見されました。
 発見されたのは,同一個体のものと考えられる肋骨や尾椎,血道弓などで,保存状態は極めて良いそうです。この竜脚類はティタノサウルス類に属すると考えられ,体長は十数メートルと推定されています。この大きさは国内で発見された恐竜の中で最大級だそうです。一緒に見つかった獣脚類の歯は,この竜脚類の死体に噛み付いた際に折れた可能性があると考えられています。
 今月下旬から本格的な調査が始まる予定で,他の部位も発見される可能性があるそうです。発見された化石は,6日から21日まで,人と自然の博物館で展示されます。(1/4 YOMIURI ONLINE1/4 神戸新聞1/4 Sankei WEB人と自然の博物館

2006年
12/26(火)
 スペインで最大級の竜脚類の化石が発見されました。
 スペイン東部のジュラ紀後期(約1億5000万年前)の地層から,これまで見つかっている中で最大級の,巨大な竜脚類の化石が発見されました。
 頭蓋骨,歯,脊椎,肋骨,上腕骨,脛骨,大腿骨などの骨が発見され,この恐竜の全長は30〜37メートル,体重は40〜48トンにも達すると推定されています。この恐竜は発見場所にちなみ,Turiasaurus riodevensisと名付けられました。
 体長30メートルを超えると推定される恐竜は,南米のアルゼンティノサウルス,北米のセイスモサウルスやスーパーサウルスなど,何種類か見つかっていますが,ヨーロッパから発見されたのは初めてです。(12/23 Daily News12/22 ScienceDaily12/22 Earth times.org12/22 Sky News12/22 Typically Spanish Spain News12/21 FOXNews.com12/21 Topix.netNational Geographic NewsScience, 314(5807), 1925-1927

12/19(火)
 最古の恐竜の化石がブラジルで発見されました。
 最古の恐竜の化石であると考えられる化石が,ブラジルで発見されました。この化石は2億2800万年前のものと考えられるそうです。今回発見された恐竜は体長約1.5m,体重約12kgの肉食恐竜で,二足歩行をしており,かなり速い速度で走れたと考えられています。平原に群れで生息していたと考えられています。(12/15 China View

12/4(月)
 恐竜がたった1回の隕石衝突によって絶滅したという新たな証拠が発見されました。
 大西洋に堆積した地層の分析によって,恐竜絶滅の原因が複数回の隕石衝突ではなく,たった1回の隕石衝突であるということを支持する証拠が得られました。
 従来,恐竜絶滅の原因は1回の隕石衝突であると考えられてきました。6550万年前,ユカタン半島に直径10kmの隕石が衝突し,この隕石の衝突によって,火山噴火,大規模な地震と津波が引き起こされ,また,巻き上げられた粉塵によって太陽光がさえぎられ,植物や動物が死に絶えたというものです。
 しかし最近,ユカタン半島に隕石が衝突したのは恐竜が絶滅する30万年も前のことで,恐竜が絶滅する直前に別の隕石が衝突したとする説が発表されました(11月2日の記事参照)。
 しかし,ユカタン半島から約4800km離れたDemerara Riseの地層を調べたところ,隕石に由来する物質が含まれている層は1つで,上下に隕石由来の物質を含む地層は見られないということがわかりました。これは,隕石衝突が1回しかなかったということを意味します。
11/29 FOXNews.comGSA Bulletin

11/27(月)
 保存状態のよい恐竜の皮膚の化石がモンタナ州で発見されました。
 モンタナ州の6700万年前の地層から,皮膚が保存されたエドモントサウルスの化石が発見されました。保存されていたのは,腰の背中側,右側の皮膚で,3次元的な構造が残っている非常に珍しい化石だそうです。うろこの内側の内部構造が残っており,これは靭帯との接合部のようなものであろうと考えられています。
 今回発見された化石は頭骨もほぼ完全な状態で保存されているため,これをCATスキャンで解析することにより,脳の容積や形を知ることができるだろうと考えられています。(11/21 Discovery Channel NewsNorth Carolina Museum of Natural Sciences

11/2(木)
 恐竜の絶滅には4つの要因が影響していたとする説が発表されました。
 恐竜を含め,66.3%の種が絶滅した白亜紀末の大量絶滅は,これまで,隕石の衝突が原因で起こったと考えられてきました。しかしこの絶滅が,1回の隕石衝突だけではなく,環境変化,大規模な火山活動,2回の隕石衝突という4つの要因によって引き起こされたという説が,アメリカ地質学会年会で発表されました。
 隕石衝突の根拠の1つに,K-T境界(白亜紀/第三紀境界)にイリジウムと衝撃石英の濃集層があることが挙げられます。しかし,イリジウムと衝撃石英は同じ層準に堆積しているわけではなく,間に8mの地層が堆積しています。この8mの地層は隕石衝突によって引き起こされた津波によって堆積したものであると考えられています。今回の発表を行った研究者のグループは,イリジウム濃集層の4m下に別の衝撃石英の層を発見しました。研究者たちはこれが恐竜の絶滅を引き起こしたチチュルブクレーターに衝突した隕石によって堆積したものであると考えています。地層に含まれる化石を調べたところ,下の衝撃石英は,白亜紀末の絶滅の30万年前に堆積したものであるということがわかりました。イリジウム濃集層の上の衝撃石英は他の場所から侵食されて堆積したものであると考えられています。また,下の衝撃石英の上の4mの地層からはプランクトンの化石も発見され,チチュルブクレーターに隕石が衝突した後の30万年間に環境が通常の状態に戻ったということが示唆されるそうです。このことから,チチュルブクレーターに衝突した隕石は生態に長期間の影響は及ぼさなかったであろうと研究者は考えています。
 研究者はまた地質学的証拠から,白亜紀末の大絶滅の50万年前から地球に大きな変化が起こっていたと考えられると述べています。これら得られた証拠から,白亜紀末の絶滅について,次のようなシナリオが提唱されました。
 大絶滅の数百万年前から地球はゆっくりと寒冷化していました。次にインドで起こった大規模な火山活動によって,4℃から7℃の急激な温暖化が起こりました。チチュルブクレーターの隕石はこの数十万年後に衝突しましたが,温暖化はその後さらに数十万年続き,そして突然寒冷化が始まりました。この後イリジウム濃集層を作り出した隕石が衝突し,それまでの環境変化によってすでに弱っていた生物相に打撃を与えたのです。これによって急激な環境変化に耐えられない生物は全て絶滅しました。
 この説には異論もあります。複数の衝撃石英の層やイリジウム濃集層は全て,チチュルブクレーターに衝突した隕石1つによって引き起こされたもので,これらが複数の層に分かれているのは,隕石衝突によって発生した津波が複雑に作用したためであると考える研究者もいます。白亜紀末の絶滅に対する隕石衝突の影響を考えるには,衝突の直接の影響をこうむっていない場所,すなわちチチュルブクレーターのあるメキシコ湾から遠く離れた場所を調べる必要があるそうです。(10/30 National Geographic News

10/31(火)
 恐竜の腹部に寄生虫がいた証拠が発見されました。
 モンタナ州の7500万年前の地層から,非常に保存状態の良いハドロサウルス類化石が発見されました。この化石の胃の内容物の化石から,寄生虫によって作られたと考えられる穴が200個以上発見されました。これは現生動物にも寄生している環形動物や線虫のような生物によって作られたものである可能性が高いそうです。また1個体に複数の寄生虫がいたと考えられる事例も少なくとも10例発見されており,交尾が行われていた可能性もあるそうです。この発見は10月22日から25日まで開かれたアメリカ地質学会年会で発表されました。(10/26 innovations report

10/13(金)
 トリケラトプスの角とフリルの成長の仕方が明らかになりました。
 赤ちゃんから成体まで,年齢の違う10個のトリケラトプスの頭骨が用いられ,角とフリルの成長の仕方が調べられました。頭骨の長さは赤ちゃんで38cm,完全な成体で2mあります。
 眼の上の角は赤ちゃんのときには少し突き出ている程度でしたが成長にしたがって伸びていきます。これとともに形も変わり,幼体では上向きに曲がって亜成体でまっすぐになり,成体では下に曲がることがわかりました。またフリルも成長にしたがって変化します。幼体ではフリルの端に三角形の骨がついていますが,成長にしたがって平らになってフリルに癒合していき,成体ではほとんど見分けがつかなくなっていきます。
 トリケラトプスの角はこれまでティラノサウルスなどの捕食者に対する攻撃に使われていたと考えられてきました。しかし成長にしたがって形が変わることから,種の識別や性成熟のしるしとして使われていたであろうと研究者は推測しています。(10/10 LiveScience.comProceedings of the Royal Society B: Biologocai Sciences, 273(1602), 2757-2761

10/10(火)
 恐竜の巨大化は隕石の衝突によって引き起こされたとする説が出されました
 イギリスとアイルランドの間にあるアイリッシュ海に衝突した隕石が,恐竜巨大化のきっかけになったとする説が出されました。イギリスとフランスの地層が調べられ,約2億年前に幅3kmの隕石が29,000km/hで衝突した証拠が発見されました。
 恐竜は出現当初は体長3m以下の小型の種類が多くを占めていました。しかし約2億年前には,恐竜の体サイズが急激に増加したと考えられています。6550万年前の恐竜の絶滅は隕石の衝突によって引き起こされたと一般に考えられています。しかし,約2億年前に恐竜が巨大化した理由についてはわかっていませんでした。これについての1つの仮説は,二酸化炭素の増加により植物が巨大化し,それを食べる植物食恐竜の巨大化,そしてそれを捕食する肉食恐竜の巨大化につながったとする説です。そしてもう1つの仮説が,隕石の衝突によって急速な変化が引き起こされたとするものです。「隕石の衝突があったと考えられる時期に,恐竜のサイズの急激な増加が観察されます。隕石の衝突が恐竜巨大化の原因となったのかもしれません。」と研究者は述べています。
 約2億年前に隕石が衝突した証拠が示されたのはこれが初めてです。今後この説を検証するために,隕石衝突の正確な年代が求められています。(10/9 The Australian

9/28(木)
 始祖鳥は4本の肢で飛んでいたとする説が発表されました。
 始祖鳥(Archaeopteryx)は4本の肢全てにあるにある羽を使って木の上から滑空して飛んでいたとする説が,Paleobiologyに発表されました。A. lithographicaの後肢の羽毛の形態と機能が調べられ,羽軸から左右に伸びた羽弁の長さが違うこと,羽軸がカーブしていること,など,鳥の翼のように飛ぶのに必要な特徴を備えていることがわかりました。そして数学的なモデルを使って計算した結果,後肢の羽毛によって飛行の速度を緩めたり,急速な方向転換が可能であったりした可能性があることがわかりました。これは鳥の飛行が木の上からの滑空から進化してきたことを示す証拠であると研究者は述べています。(9/25 FOXNews9/22 ScienceDaily9/22 LIVESCIENCEPaleobiology, 32(3), 417-431

9/22(金)
 中国でイグアノドンの新種の化石が発見されました。
 中国甘粛省の約1億年前の地層から,体長10m以上にもなる世界最大のイグアノドンの化石が発見されました。歯の長さは14cmあり,これまで見つかっているイグアノドンの歯の5倍近い大きさがあります。このイグアノドンの化石が発見された場所では,貝や魚類の化石も産出し,このイグアノドンは水草などを食べていたであろうと考えられています。進化の過程でイグアノドンの歯は小さくなる傾向にありますが,このイグアノドンでは柔らかい食物を食べるのに都合の良いように歯が大きく進化したのではないかと研究者は推測しています。
 同じ地層からは竜脚類ティタノサウルスの新種の化石もほぼ完全な状態で発見されています。
 この2体の恐竜化石は,2008年に開かれる「アジア恐竜博(仮)」で公開される予定だそうです。(9/21 東京新聞

 米ユタ州で角竜の仲間の化石が発見されました。
 米ユタ州グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園の7500万年前の地層から,長さが1.8m以上もある角竜の仲間の化石が発見されました。この恐竜は,眼の上に大きな角を,鼻の上に短い角をもっており,トリケラトプスなどと同じケラトプス科に含まれると考えられています。しかしケラトプス科に含まれる2つの亜科のどちらにも分類できない特徴を持っており,新種であると考えられています。
 この恐竜が発見される1週間前にも,これまで発見されているどの種とも異なる特徴をもった別の角竜の化石が発見されています。(9/21 topix.net9/21 Salt Lake Tribune

 コエロフィシスは共食いをしていなかった可能性が出てきました。
 2億年以上前の三畳紀に生息していた恐竜,コエロフィシスはこれまで,共食いをする恐竜として有名でした。この説は,コエロフィシスの化石の腹部付近から仲間の化石が見つかったことに基づいて唱えられていました。しかしこの化石を調べなおし,コエロフィシスの共食いに疑問を唱える研究がBiology Lettersに発表されました。
 この研究では2例の化石が調べられ,1例では腹部付近にあった化石はコエロフィシスではなくワニの化石であるということが,もう1例では,化石になる過程で1体がもう1体の上に載り,お腹の中に仲間の化石があるように見えていただけであるということわかりました。(9/20 BBC NEWSProceedings of the Royal Society B: Biology Letters, FirstCite Early Online Publishing

9/7(木)
 未発見の恐竜は全恐竜の71%に上るとの研究結果が発表されました。
 恐竜の全ての属の71%は未発見であるという計算結果が,アメリカの研究者によって発表されました。Proceedings of the National Academy of Sciencesに載っています。これは1990年に発見されていた属の数と現在発見されている属の数を基に計算によって求められています。恐竜は全部で1850属あると推定され,現在記載されている527属を除き,全体の71%が未発見であると述べられています。(9/6 ScienceDaily9/5 PhysOrg.com9/4 topix.netProc. Natl. Acad. Sci.

8/30(水)
 新種の竜脚類の化石がブラジルで発見されました。
 ブラジルで白亜紀後期(8000万年前)の竜脚類の化石が発見されました。ティタノサウルス類に属するMaxakalisaurus topaiという種で,体長13m,体重は9トンあったと推定されています。ブラジルで記載されている中で最大の恐竜です。ほぼ全身の化石が発見され,これまでティタノサウルス類では10個も発見されていない頭骨も残っていました。また,骨でできた板も発見され,ティタノサウルス類についてより深く知ることができる発見であると研究者は話しています。(8/28 Topix.net8/29 Discovery Channel News

8/28(月)
 アジア最大のマメンチサウルスの化石が中国で発見されました。
 中国の新疆ウイグル自治区で26日,マメンチサウルスの化石が発見されました。この化石は全長35mと推定され,アジアで発見されたものでは最大とされています。(8/27 asahi.com

8/15(火)
 熊本県で白亜紀前期の獣脚類の歯の化石が見つかりました。
 熊本県天草市御所浦島に分布する御所浦層群から今年5月,白亜紀前期(約1億年前)の恐竜の歯の化石が見つかりました。見つかった化石は長さ3.2cm,幅は最大で1.3cmあります。鋸歯があることなどから,中型の獣脚類の歯であると考えられています。保存状態はとてもよく,歯の先端まで残されているそうです。御所浦層群では国内最大級の獣脚類の歯の化石も発見されており,これらの化石によって御所浦層群の獣脚類の研究が進むと期待されています。今回見つかった歯の化石は,御所浦白亜紀資料館で開催されている特別展「生命の歴史展」で8月10日から展示されています。(8/12 西日本新聞12

8/9(水)
 アラスカで20ヶ所の恐竜足跡化石産地が見つかりました。
 アラスカのデナリ国立公園で今年,18ヶ所の恐竜足跡化石産地が見つかりました。デナリ国立公園では昨年,2ヶ所の足跡化石産地が発見され,今年の6月初旬から再調査が行われていました。国立公園には白亜紀末期(7000万年前〜6550万年前)の地層が広がり,そこから大小さまざまな足跡化石が多数発見されました。最大で長さ50cmにもなる足跡化石が発見されたそうです。発見された足跡化石の大部分は獣脚類の足跡でしたが,ハドロサウルスの足跡もいくつか発見されたそうです。これは獣脚類がハドロサウルスを襲っていた証拠であると考えられています。この発見はデナリの白亜紀末期の生態系の理解につながる貴重な発見であると考えられています。(7/14 Murie Science and Learning Center

8/7(月)
 皮膚の痕が残る恐竜の足跡化石が発見されました。
 北米ワイオミング州にある足跡化石産地で,皮膚の表面の痕が残るジュラ紀の恐竜の足跡化石が発見されました。これは北米で2例目の珍しい発見です。皮膚の表面の構造やそのパターンのゆがみ方を調べることによって,恐竜の歩き方や体重の移動のさせ方などがわかるだろうと研究者は話しています。(8/3 Kansas City infoZine

7/27(木)
 3例目のトリケラトプスの赤ちゃんの化石が発見されました。
 アメリカモンタナ州でトリケラトプスの赤ちゃんの頭骨化石が発見されました。赤ちゃんの化石は非常に保存されにくく,今回で3例目の発見となります。この赤ちゃんの化石は非常に小さく,角の長さは10cmもありませんでした。「この化石は1歳にも満たないだろう」と研究者は述べています。(7/20 Discovery Channel News,7/21 MSNBC.com)
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