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2017年、2018年、2019年、2020年のニュース

“2本指”のオヴィラプトル類が発見されました。

 モンゴルの約6800万年前(中生代白亜紀末期)の地層から、新属新種のオヴィラプトル類の化石が発見され、Oksoko avarsanと名付けられました。Oksokoの前足には、第1指、第2指、第3指の3本の指がありますが、第3指は痕跡程度にしか残っておらず、物をつかむ際に役には立たなかっただろうと、研究者は考えています。このような形で機能指が2本しかないというのは、獣脚類の中では珍しいそうです。
 中国南部からモンゴルへと移動してきた際、食性や生態が変化し、手を使って物をつかむことが減ったのではないかと、研究者は考えています。
 また、Oksokoの化石は、4体の亜成体が集まった状態で発見されたそうです。若いうちは群れで生活していたのではないかとも、考えられています。

University of EdinburghA new two-fingered dinosaur sheds light on the radiation of Oviraptorosauria. Royal Society Open Science, 7(10), 201184

2020/10/10

マジュンガサウルスの化石に、複数の病変の痕が発見されました。

 化石に遺された病気やけがの痕跡は、古生物の生態を推測するうえで重要です。今回、マダガスカルの約7210万年前〜約6600万年前(中生代白亜紀後期)の地層から、獣脚類マジュンガサウルスの化石が大量に発見されました。
 そのうちの1体は、後肢の下の方と尾の大部分が欠けているだけの保存率の高いもので、関節もほぼつながった状態で発見されました。この個体には、体の数か所(頭骨、脊椎、前肢、腹肋骨など)に病変やけがの痕が見られるそうです。けがは、1回でできたものでなく、生きている間に複数回にわたってできたものだと、研究者は考えています。
 今回発見されたマジュンガサウルスのうち、最も保存状態の良い個体には病変やけがの痕が見られない一方、複数の病変やけがの痕が見られる個体もあるとのことです。この傾向は、ほかの大型の獣脚類にも見られるそうです。一度病気やけがになると、機能に障害が出たり免疫不全に陥ったりして、病気やけがになる機会が増えるためだと、研究者は考えています。

Paleopathology in a nearly complete skeleton of Majungasaurus crenatissimus (Theropoda: Abelisauridae), Cretaceous Research

2020/7/5

丹波市から、多様な白亜紀の恐竜の卵の化石が発見されました。

 兵庫県丹波市の約1億1000万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、約1300点の卵殻化石が発見されました。ほとんどは破片ですが、卵の形がわかる化石が4点あったとのことです。発見された卵殻は4種類に分けられるそうです。この中には、新属新種の卵殻と新種の卵殻が1種類ずつ含まれ、それぞれ、Himeoolithus murakamiiSubtiliolithus hyogoensisと名付けられました。今回発見された卵殻化石は、全て鳥類以外の獣脚類の卵と考えられています。Himeoolithusのサイズは4.5cm×2cmで、これまで発見されている中で最小の鳥類以外の獣脚類の卵化石です。
 兵庫県丹波市からは、以前に発見された卵殻化石も含めて6種類の恐竜の卵殻化石が発見されています。白亜紀前期の卵殻化石として、世界で最も多くの種類が発見されたことになります。今回の発見から、白亜紀前期の兵庫県丹波市には、これまで考えられていたよりも多様な小型獣脚類がいたと、研究者は考えています。

6/23 筑波大学Exceptionally small theropod eggs from the Lower Cretaceous Ohyamashimo Formation of Tamba, Hyogo Prefecture, Japan. Cretaceous Research, 114, 104519

2020/7/4

オーストラリアに、体長10mの獣脚類がいたらしいということがわかりました。

 オーストラリアには、ジュラ紀の海以外の場所で堆積した地層が多く分布しています。しかし、ジュラ紀の恐竜の体化石はあまり発見されていません。一方、ジュラ紀の恐竜の足跡化石は多く発見されています。
 クイーンズランド州にある炭鉱Walloon Coal Measuresからは、これまで、約1億6600万年前〜約1億5100万年前(ジュラ紀中期〜後期)の恐竜の足跡化石が数多く報告されていますが、研究はあまり詳しくはされてきませんでした。
 今回、Walloon Coal Measuresから発見された足跡化石が、博物館に収蔵されている化石、レプリカ、写真などを使って詳しく調べられました。
 この結果、Walloon Coal Measuresで足跡化石が発見された場所は11の地点あることがわかったそうです。足跡化石のほとんどは長さ50〜60cmの獣脚類の足跡で、最大の足跡は長さ79cmあったとのことです。最大の足跡をつけたのは、体長10mのカルノサウルス類ではないかと、研究者は考えています。

6/17 University of QueenslandFootprints of large theropod dinosaurs in the Middle-UpperJurassic (lower Callovian-lower Tithonian) Walloon Coal Measures of southern Queensland, Australia. Historical Biology

2020/6/20

原始的な恐竜の卵はやわらかかったらしいということがわかりました。

 多くのカメ、トカゲ、ヘビなどは殻のやわらかい卵を産みます。一方、恐竜に近いワニや鳥類などは石灰化した殻の硬い卵を産みます。これまで、恐竜の卵の殻は硬いと考えられてきました。
 恐竜の化石は、三畳紀から白亜紀までの世界中の地層から発見されています。しかし、恐竜の卵の化石のほとんどは白亜紀の地層から発見されており、卵が発見されている恐竜のグループも、体化石に比べると、限定的です。この体化石と卵化石の発見数の差は、保存のされやすさで説明できるものではないとのことです。
 今回、2種類の恐竜の胎児を含む卵の化石の、組成や細かい構造などが詳しく調べられ、現在の鳥類や爬虫類の卵と比較されました。調べられた卵化石は、モンゴルの約8360万年前〜約7210万年前(白亜紀後期)の地層から発見された角竜類プロトケラスの卵と、アルゼンチンの約2億2700万年前〜約2億900万年前(三畳紀後期)の地層から発見された竜脚形類ムスサウルスの卵です。
 この研究の結果、プロトケラトプスとムスサウルスの卵の殻はやわらかかったらしいということがわかったそうです。また、化石種と現生種を含む112種類の動物の卵の殻を調べた結果、恐竜は、やわらかい卵を産む祖先から、別のグループで独立的に3回、硬い殻をもつ卵を産むように進化したらしいということもわかったそうです。

6/17 American Museum of Natural HistoryThe first dinosaur egg was soft. Nature

2020/6/20

ボレアロペルタの食性が詳しくわかりました。

 恐竜は中生代の間に陸上で繁栄した脊椎動物です。鳥盤類や竜脚類、一部の獣脚類など、多様な植物食恐竜がいました。植物食恐竜がどのような植物を食べていたかは、中生代の生態系や、植物食恐竜の生態を知るうえで重要ですが、これまでその直接的な証拠はほとんど発見されていませんでした。
 2017年に報告されたノドサウルス類ボレアロペルタの化石は、軟体部まで保存された非常に保存状態の良いものです。腹部には、球状の塊がいくつもあり、これは胃の内容物が残ったものではないかと考えられてきました。
 今回、この胃の内容物が詳しく調べられました。この結果、胃の内容物の88%が葉で、その85%をシダ植物の葉が占めていることがわかったそうです。そしてソテツ類が3%、球果植物の割合はほんのわずかとのことです。このことから、ボレアロペルタはシダ植物を好んで食べていたのだろうと、研究者は考えています。
 また、燃えた植物を食べたことを示唆する木炭が胃の内容物の6%を占めていることもわかったそうです。このことから、球果植物の森林で火災が起こった後、そこにいち早く生えたシダ植物を食べたことが示唆されています。このように火災が起こった後に生えた植物を食べる生態は、現在の植物食の哺乳類でも多く見られます。ボレアロペルタは、大型の植物食動物として、このような生態の最古の例とのことです。

6/2 University of SaskatchewanDietary palaeoecology of an Early Cretaceous armoured dinosaur (Ornithischia; Nodosauridae) based on floral analysis of stomach contents. Royal Society Open Science, 7(6), 200305

2020/6/7

大型の獣脚類は、エネルギーを節約しながら効率的に歩くことができたらしいということがわかりました。

 脚の長さや、走る能力、スピードは、獣脚類の生態を推測するうえで重視されてきたことです。膝から下が長い獣脚類は、走るスピードが速かったと、これまで考えられてきました。
 これを確かめるために、70種以上の獣脚類について、体のサイズ、脚の長さ、走る速度などが調べられました。この結果、小型から中型の獣脚類では、脚が長いほど足が速いものの、体重1t以上の大型の獣脚類ではそうではないらしいということがわかったそうです。その代わり、大型の獣脚類では、脚が長いほどエネルギーを節約して効率的に歩くことができたという結果が出たとのことです。特に、ティラノサウルス類が効率的に歩いていたそうです。
 大型の獣脚類は、自身が獲物になる可能性がないために、速さよりも歩く効率の方が重要だったのだろうと、研究者は考えています。

5/12 University of MarylandThe fast and the frugal: Divergent locomotory strategies drive limb lengthening in theropod dinosaurs. PLOS ONE, 15(5), e0223698

2020/5/17

エドモントサウルスが、とても広い範囲に棲息していたらしいということがわかりました。

 近年の研究によって、白亜紀のアラスカに多様な恐竜がいたらしいということがわかっています。アラスカで最も多く化石が発見されている恐竜は、ハドロサウルス類です。アラスカで発見されたハドロサウルス類は、長い間、エドモントサウルスであると考えられてきました。2016年になると、このハドロサウルス類は新属新種とされ、Ugrunaaluk kuukpikensisと名付けられました。しかし、Ugrunaaluk kuukpikensisの有効性についてはいまだに議論があります。
 今回、このアラスカのハドロサウルス類の頭骨が詳しく調べられました。この結果、アラスカのハドロサウルス類は新属新種ではなく、エドモントサウルスであるということがわかったそうです。
 この研究によって、エドモントサウルスが現在のコロラド州北部からアラスカまでの広い範囲に棲息していたらしいということが、わかりました。エドモントサウルスは様々な環境に適応することができたのだろうと、研究者は考えています。
 また、エドモントサウルス類の化石は日本の北海道からも発見されています。このことから、エドモントサウルス類は北太平洋沿岸の広い地域に棲息していた、成功したグループだったと、研究者は考えています。

5/6 Perot Museum of Nature and ScienceRe-examination of the cranial osteology of the Arctic Alaskan hadrosaurine with implications for its taxonomic status. PLOS ONE, 15(5), e0232410

2020/5/10

スピノサウルスがヒレのような尾をもっていたらしいということがわかりました。

 かつて、竜脚類やハドロサウルス類が水中に棲んでいたと考えられていたことがありました。しかし、現在では鳥類以外の恐竜は陸上に棲んでいたと考えられています。近年になって、スピノサウルス類の一部が半水棲だったという説が出てきましたが、この説については議論があります。
 今回、モロッコの約1億年前〜約9000万年前(中生代白亜紀中ごろ)の地層から、スピノサウルスの尾の化石が発見されました。この化石は尾の全長の8割ほどが残った保存率の高いものです。この化石から、スピノサウルスの尾椎の神経棘と血道弓が長く伸びていたらしいということがわかったそうです。このことから、スピノサウルスの尾は上下に広がったヒレのような形をしていただろうと、研究者は考えています。
 尾の模型を作って調べたところ、ヒレのような尾を左右に振ることで、効率的に前に進むことができるという結果が出たそうです。スピノサウルスは水中を活発に泳ぎ回って獲物を捕まえていたのではないかと、研究者は考えています。

4/30 Science alertTail-propelled aquatic locomotion in a theropod dinosaur. Nature

2020/5/2

恐竜の胎児の頭部が、現在の爬虫類の胎児と同じように成長していたらしいということがわかりました。

 胎児の化石はとてももろいため、胎児の化石を詳しく調べることは長らくできていませんでした。今回、1976年に南アフリカ共和国の中生代ジュラ紀前期(約2億100万年前〜約1億7400万年前)の地層から採集された、竜脚形類マッソスポンディルスの卵化石がCTスキャンにかけられ、胎児の頭骨の詳細な3Dモデルが作成されました。
 これまで、その卵化石に入っていた胎児は孵化直前のものと考えられていました。しかし現生のワニ、ニワトリ、カメ、トカゲの胎児と比較した結果、マッソスポンディルスの胎児は孵化まで6割ほどの成長段階にあることがわかったそうです。そして胎児には2種類の歯が生えていることもわかったそうです。1種類は単純な三角形の形をした歯、もう1種類は成体の歯と同じような形をした歯とのことです。単純な三角形の形をした歯は、孵化の前に吸収されるか抜け落ちるかしてなくなる歯だろうと、研究者は考えています。このような胎児だけがもつ歯は、現生のヤモリやワニなどにもあります。
 今回の結果は、卵の中で恐竜もほかの爬虫類と同じような成長の仕方をし、そして胎児の成長の過程は2億年間変わっていないことを示すものだと、研究者は考えています。

4/9 European Synchrotron Radiation FacilityConserved in-ovo cranial ossification sequences of extant saurians allow estimation of embryonic dinosaur developmental stages. Scientific Reports, 10(1)

2020/4/18

白亜紀末期のドロマエオサウルス類が発見されました。

 アメリカ合衆国ニューメキシコ州の約7000万年前〜約6800万年前(中生代白亜紀末期)の地層から、新属新種のドロマエオサウルス類の化石が発見されました。
 今回発見されたドロマエオサウルス類はDineobellator notohesperusと名付けられました。コヨーテと同じくらいのサイズだったと推測されています。前肢の骨にはには大きな筋肉がついていたとみられる突起があり、握力が強かったと考えられるそうです。また尾の付け根は柔軟に動くようになっており、現生のチーターのように素早く方向転換することができた可能性があるとのことです。
 これらの特徴から、Dineobellatorは機敏に獲物を狩る恐ろしい捕食者だったと、研究者は考えています。

3/26 Smithonian MagazineNew Dromaeosaurid Dinosaur (Theropoda, Dromaeosauridae) from New Mexico and Biodiversity of Dromaeosaurids at the end of the Cretaceous. Scientific Reports, 1010, 5105

2020/3/29

最小の恐竜の化石が発見されました。

 ミャンマーの約9900万年前の琥珀の中に、鳥類のような頭骨が保存されているのが発見されました。現在で最小の鳥類マメハチドリと同じくらいのサイズとのことです。この恐竜はOculudentavis khaungraaeと名付けられました。
 鳥類の眼は、強膜輪という構造で周りを囲まれています。ほとんどの鳥類では、強膜輪を構成する骨は四角形ですが、Oculudentavisの強膜輪は、スプーンのような形をした骨でできているそうです。強膜輪の中心は狭いため、Oculudentavisは昼間に活発に行動していたと推測されるそうです。また、生きていた時には眼は飛び出していたと考えられています。
 また、Oculudentavisの顎には多くの歯が並んでいるとのことです。昆虫を食べていたのではないかと、研究者は考えています。
 頭骨しか発見されていないため、Oculudentavisの詳しい分類はわかっていません。頭骨には恐竜と同じような特徴と進化した鳥類と同じような特徴の両方があるとのことです。

3/11 BBC NewsHummingbird-sized dinosaur from the Cretaceous period of Myanmar. Nature, 579, 245-249

2020/3/11

ハドロサウルス類の尾椎の化石に、ヒトと同じ疾患による病変が発見されました。

 カナダ、アルバータ州の白亜紀の地層から産出したハドロサウルス類の尾椎の化石に、穴が開いているのが発見されました。この化石がマイクロCTなどを使って詳しく調べられ、ヒトの病変が見られる骨格と比較されました。この結果、ハドロサウルス類の尾椎の穴は、ランゲルハンス細胞組織球症による良性腫瘍でできたらしいということがわかったそうです。
 ランゲルハンス細胞組織球症は、現生のヒトでも起こる疾患です。今回の発見によって、ランゲルハンス細胞組織球症がヒトだけの疾患ではなく、6600万年間以上も存在しているということがわかったそうです。

2/11 American Friends of Tel Aviv UniversitySuggested Case of Langerhans Cell Histiocytosis in a Cretaceous dinosaur. Scientific Reports, 10(1)

2020/2/16

ナノティラヌスがティラノサウルスの亜成体らしいという研究結果が出ました。

 1905年に報告されて以来、ティラノサウルスの形や行動に関する研究は、骨格の形や生物力学に基づいて多くなされてきました。しかし骨の組織に基づいたティラノサウルスの成長に関する研究は、15年前に始まったばかりです。
 2000年代前半に、モンタナ州のヘル・クリーク層から、比較的小型のティラノサウルス類の化石が2体発見されました。「ジェーン」と「ピーティ」というニックネームが付けられたこの2体のティラノサウルス類については、ナノティラヌスの成体ではないかという説があります。ナノティラヌスは、ティラノサウルスとは別種の恐竜とも、ティラノサウルスの幼体とも、考えられています。
 今回、ジェーンとピーティの大腿骨と脛骨の微細構造が調べられました。この結果、ジェーンとピーティはそれぞれ13歳と15歳のティラノサウルスであること、そして、ナノティラヌスは独立した属ではなく、ティラノサウルスの幼体であるということが結論付けられました。
 ティラノサウルスが成体になるまでに20年かかったと考えられています。研究者によると、亜成体のティラノサウルスは足の速いハンターで、肉を切り裂いて食べていたとのことです。足が遅く、骨をかみ砕いて食べる成体のティラノサウルスとは生態を変えることですみわけをしていたと、研究者は考えています。また、若いティラノサウルスは、哺乳類や鳥類といった現生の内温性の動物と同じくらいの速さで成長したということです。しかし骨の年輪から、成長は一定ではなく、獲物の多い年は急速に成長し、獲物の少ない年は成長が鈍くなったことが推測されるそうです。

1/2 Oklahoma State University Center for Health SciencesGrowing up Tyrannosaurus rex: Osteohistology refutes the pygmy “Nanotyrannus” and supports ontogenetic niche partitioning in juvenile Tyrannosaurus. Science Advances, 6(1), eaax6250

2020/1/12

スティラコサウルスが左右非対称の頭部をもっていたらしいということがわかりました。

 スティラコサウルスは、約8360万年前〜約7210万年前(中生代白亜紀後期)の北米にいた角竜類です。頭部のフリルに何本ものトゲが生えていました。2015年、スティラコサウルスの新たな頭骨の化石が発見されました。発見された化石ではフリルとトゲがよく残っていました。
 発見された化石のトゲは、左右で数や生えている位置と向きが異なっているそうです。通常、左半分または右半分しか化石が発見されなかった場合、発見されなかった半分は発見された半分と左右対称の形で復元されます。しかし今回の発見により、スティラコサウルスが左右非対称の頭部をもっていたらしいということがわかりました。また、2010年に新属として報告されたRubeosaurusはスティラコサウルスのシノニムであるとされました。

11/25 University of AlbertaMorphological variation and asymmetrical development in the skull of Styracosaurus albertensis. Cretaceous Research, 107, 104308

2019/11/30

白亜紀にオーストラリアの高緯度地域に羽毛恐竜がいたらしいということがわかりました。

 中生代の恐竜や鳥類の羽毛の化石は有名で、約160年前から知られています。しかしその産地は限られており、特に南半球からはほとんど発見されていません。中生代の羽毛の化石が発見されている南半球の産地は、ブラジルの白亜紀前期のCrato Formationと、オーストラリアの白亜紀前期のKoonwarra Fossil Bedだけです。
 このうち、Koonwarra Fossil Bedの羽毛化石は1960年代の前半から知られていますが、詳しい研究はこれまでされてきませんでした。今回、Koonwarra Fossil Bedから産出した羽毛化石が顕微鏡や電子顕微鏡を使って詳しく調べられました。この結果、獣脚類のproto-featherや羽毛状の体毛、鳥類の体を覆う羽根や翼の羽根などがあることがわかったそうです。
 Koonwarra Fossil Bedが堆積した場所は白亜紀前期には南緯70度の高緯度にあり、厳しい寒さになる時期が毎年何か月間もあったとと考えられています。今回様々な種類の羽毛が産出していることがわかったことは、中生代に南半球の高緯度に羽毛で覆われた恐竜や鳥類がいたことの強い証拠であると、研究者は考えています。

11/12 Uppsala UniversityA polar dinosaur feather assemblage from Australia. Gondwana Research

2019/11/23

獣脚類の食性の多様性が調べられました。

 これまで、様々な肉食恐竜が発見されてきました。しかしあまりに肉食恐竜の種類が多いため、これらの肉食恐竜がすべて同じ方法で同じ動物を食べていたとすると、激しい競争が起こっていたことになります。
 今回、コエルロサウルス類に分類される獣脚類83種の下顎の形がコンピュータを使って分析されました。分類群で分けた場合、ティラノサウルス類は他のどのグループよりも厚い下顎をもっていつという結果が出たそうです。このことから、大きい獲物を食べていたとが示唆されるそうです。また、マニラプトル形類の下顎の形はほかのグループよりも多様性に富んでいるという結果が出たそうです。このことから、小型の恐竜や哺乳類、爬虫類、昆虫など、様々な獲物を食べていたと考えられるとのことです。

11/4 University of BristolMorphological disparity in theropod jaws: comparing discrete characters and geometric morphometrics. Palaeontology

2019/11/10

むかわ竜が新属新種であることがわかり、カムイサウルス・ジャポニクスと名付けられました。

 2013年に北海道の約7200万年前(中生代白亜紀後期)の地層から発見されたハドロサウルス類のむかわ竜が新属新種ということがわかり、カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicusと名付けられました。カムイサウルスは全長8m、体重4〜5.3tと推定されており、骨の年輪から、9歳以上の成体だと研究者は考えています。
 ハドロサウルス類の系統解析がされた結果、カムイサウルスは原始的なエドモントサウルス類であるということがわかったそうです。

9/6 北海道大学プレスリリースA New Hadrosaurine (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Marine Deposits of the Late Cretaceous Hakobuchi Formation, Yezo Group, Japan. Scientific Reports, 9, 12389

2019/9/8

オーストラリアから、新属新種の鳥脚類の化石が発見されました。

 オーストラリアの約1億2500万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、新属新種の鳥脚類の化石が発見されました。 今回発見された鳥脚類は、Galleonosaurus dorisaeと名付けられました。発見されたのは、幼体から成体までの顎の化石5点です
 Galleonosaurusの化石が発見された場所は、白亜紀当時、オーストラリア大陸と南極大陸が分裂するときにできた地溝帯で、木の生えた氾濫原だったと考えられています。 この地域から発見されている鳥脚類には、Galleonosaurusのほかにもう1種、Qantassaurus intrepidusがいます。この2種の恐竜は、お互いに違う形の顎をもっていました。食べる植物の種類が違っていたため、共存することができたのだろうと、研究者は考えています。

3/11 ScienceDailyNew small-bodied ornithopods (Dinosauria, Neornithischia) from the Early Cretaceous Wonthaggi Formation (Strzelecki Group) of the Australian-Antarctic rift system, with revision of Qantassaurus intrepidus Rich and Vickers-Rich, 1999. Journal of Paleontology

2019/3/18

獣脚類の卵に色がついていたらしいということがわかりました。

 現在、有羊膜類の中で色の付いた卵を産むのは鳥類だけです。色の付いた卵は、鳥類の進化の過程でで何回も独立して出現してきたと、長い間考えられてきました。しかし近年、恐竜の卵の殻に色素があるのが発見されました。このため、鳥類の色の付いた卵が祖先の恐竜から引き継いだ特徴である可能性が示唆されています。
 今回、ワニ、恐竜、現生鳥類などの19点の卵について、色素があるかどうかが調べられました。鳥類の卵の色を出しているのは、赤茶色の色素と青緑色の色素の2つです。
 この結果、ワニ、鳥盤類、竜脚類の卵からは色素は検出されず、マニラプトル類すべてから色素が検出されたそうです。また、色素が検出された卵は一部またはすべてが土の上に出た状態で巣に並べられていたと考えられています。このため、獣脚類が卵を土の上に並べるようになるとともに卵の色も進化してきたと、研究者は考えています。卵に色がついていると、捕食者や寄生動物に卵が見つかりにくくなります。

10/31 Yale UniversityDinosaur egg colour had a single evolutionary origin. Nature

2018/11/12

アラスカでテリジノサウルス類とハドロサウルス類が共存していたらしいということがわかりました。

 アメリカ合衆国アラスカ州の約7150万年前〜約6950万年前(中生代白亜紀後期)の地層からは、ハドロサウルス類を中心とする恐竜の足跡化石が多数発見されています。
 今回、新たにテリジノサウルス類の足跡化石が発見されました。ハドロサウルス類とテリジノサウルス類の足跡化石が同じ層準から発見されたことから、この2種類の恐竜が同じ場所で生活していたと、研究者は考えています。ハドロサウルス類とテリジノサウルス類の共存の証拠はこれまでモンゴルでしか発見されていませんでした。モンゴル以外の場所で発見されたのは今回が初めてです。
 テリジノサウルス類とハドロサウルス類はともに植物食ですが、テリジノサウルス類が柔らかい植物、ハドロサウルス類が硬い植物と、違い種類の植物を食べることで共存が可能だったのではないかと、研究者は考えています。

8/6 北海道大学プレスリリースAn unusual association of hadrosaur and therizinosaur tracks within Late Cretaceous rocks of Denali National Park, Alaska. Scientific Reports, 8(1)

2018/8/12

ユタ州から、アジアのアンキロサウルス類に近いアンキロサウルス類が発見されました。

 アメリカ合衆国ユタ州の約7630万年前(中生代白亜紀後期)の地層から、新属新種のアンキロサウルス類の化石が発見されました。発見されたアンキロサウルス類は、Akainacephalus johnsoniと名付けられました。
 北米は当時、Western Interior Seawayという海によって東西に分断されていました。西側の陸地はララミディアと呼ばれています。ララミディアのアンキロサウルス類の化石の多くは、ワイオミング州やモンタナ州、アルバータ州など、ララミディア北部に集中しています。
 今回、完全な頭部や体の多くの部分の骨が発見され、Akainacephalusの化石はララミディア南部から発見されたアンキロサウルス類としては最も保存状態がよいそうです。Akainacephalusの頭部は先端がとがった円錐形または角錐形の骨板でおおわれています。これは、ララミディア南部の約7350万年前〜約7300万年前の地層から見つかるノドエファロサウルスと同じ特徴です。Akainacephalusとノドケファロサウルスは、アンキロサウルスなどララミディア北部から見つかるアンキロサウルス類よりも、アジアから見つかるアンキロサウルス類と近縁であると研究者は考えています。
 アンキロサウルス類は約1億2500万年前〜約1億年前(白亜紀前期)にアジアで出現したと考えられています。北米へは海水準が低くなりベーリング陸橋によってアジアと北米が陸続きになった時期に移動してきたとみられています。今回の発見から、アンキロサウルス類の北米への移動は複数回起こっていたと、研究者は考えています。

7/19 University of UtahA new southern Laramidian ankylosaurid, Akainacephalus johnsoni gen. et sp. nov., from the upper Campanian Kaiparowits Formation of southern Utah, USA. PeerJ, 6, e5016

2018/7/30

肉食恐竜は舌を突き出せなかったらしいということがわかりました。

 恐竜が描かれるとき、歯をむき出しにし、舌を突き出した状態で描かれることがしばしばあります。今回、恐竜が本当に舌を突き出せたかどうかが調べられました。
 これを検証するために、現生動物と恐竜の舌骨が比較されました。舌を前に突き出すなど柔軟に動かせる鳥類では舌骨は舌の先端まで達し、舌を下あごから離して動かすことのできないワニ類では舌骨は舌の付け根にしかありません。恐竜の舌骨を恐竜と同じ主竜類に属する鳥類やワニ類の舌骨と比較することによって、恐竜が舌をどのように動かせたかを推測することができます。比較されたのは、恐竜、翼竜、絶滅ワニ類、現生鳥類、現生ワニ類です。
 この結果、ほとんどの恐竜の舌骨は、ワニ類の舌骨と同じように短くて単純な形をしていることが分かったそうです。このことから、ほとんどの恐竜は舌を前に突き出すような柔軟な動きはできなかったと、研究者は考えています。一方、翼竜の舌骨は現生鳥類の舌骨と同じように多様な形をしていることがわかったそうです。飛行できるようになったことによって新たな食性が生まれ、舌の形が多様化し、柔軟に動かせるようになったのではないかと、研究者は考えています。また、前肢が翼となり、食物の獲得に使えなくなったことによって、舌がより重要な役割を果たすようになった可能性もあるそうです。

6/20 University of Texas at AustinConvergent evolution of a mobile bony tongue in flighted dinosaurs and pterosaurs. PLOS ONE, 13(6), e0198078

2018/6/25

オヴィラプトロサウルス類がどのように抱卵していたかがわかりました。

 現生の鳥類のほとんどでは親が卵を抱いて(卵の上に座って)温めてふ化させています。このような抱卵は、一部の獣脚類も行っていたと考えられています。実際、オヴィラプトロサウルス類やトロオドン類の中には、親が卵を温めていたと考えられる姿勢の化石が発見されている種もいます。しかし抱卵していた証拠が発見されている恐竜はすべて、抱卵している鳥類と同じくらいかそれ以下のサイズです。オヴィラプトロサウルス類の中には、体重2tと推定される大型種もいます。大型種も抱卵をしたのかどうか、そしてもし抱卵をしていたのならば、どのように抱卵していたのかは、これまでわかっていませんでした。
 今回、中国から産出した、卵を含むオヴィラプトロサウルス類の巣の化石約40点が調べられました。調べられた卵のサイズは197g〜6.6kgと多様で、親の体重は4.1kg〜1563kgと推定されています。卵の殻の構造が調べられた結果、オヴィラプトロサウルス類はサイズに関係なく、抱卵する鳥類と同じように卵を地中に埋めずに露出させていたらしいということがわかったそうです。また、大型種の卵の方が相対的に殻が薄く、もろい構造だということもわかりました。さらに、巣の中に卵がどのように並べられているかも調べられました。オヴィラプトロサウルス類では、サイズに関係なく、30個強の卵が円形に並べられているそうです。しかし、小さい卵ほど密にまとまって並べられ、大きい卵ほど間を開けて並べられているという結果が出たそうです。このことから、小型種では現生の鳥類と同じように親が卵の上に座って温めていた一方、大型種は卵の上に直接座らず、円形に並んだ卵の内側に大きく開いた地面にうずくまる形で抱卵していたと、研究者は考えています。
 このような地面にうずくまって抱卵する方法は現生の鳥類では見られません。このような方法をとることで、大型種でも卵をつぶさずに抱卵できた可能性があると、研究者は考えています。

5/16 名古屋大学プレスリリースIncubation behaviours of oviraptorosaur dinosaurs in relation to body size. Biology Letters, 14(5)

2018/5/20

北米の鎧竜類の化石が仰向けの姿勢をとる原因がわかりました。

 鎧竜類は背中に骨でできた装甲をもった植物食恐竜です。ジュラ紀前期から中期にヨーロッパで出現し、白亜紀後期までに世界中に広がりました。
 北米の川や海で堆積した地層から産出する鎧竜類の化石のほとんどは、腹側を上に向けた仰向けの姿勢で保存されているということが広く知られています。しかしその頻度が定量的に検証されたことはこれまでありませんでした。今回、北米の鎧竜類の化石のほとんどが本当に仰向けで保存されているのかどうかが検証され、そしてその原因についても調べられました。
 鎧竜類の化石の姿勢を調べるために、カナダ、アルバータ州から産出したすべての鎧竜類の化石が調べられました。この結果、産出した時の姿勢が分かる化石は36標本あり、このうち26標本が仰向けの姿勢で保存されているということがわかったそうです。この数字から、統計学的にも仰向けが多いといえるそうです。
 次に、鎧竜類の化石が仰向けで保存される原因について調べられました。これまで、その原因について3つの説が出されてきました。1つ目が鎧竜類が高い場所から転げ落ちて仰向けの姿勢で死んだというもの、2つ目が肉食恐竜に捕食される際、ひっくり返されて無防備な腹側を上に露出させられたというもの、3つ目が車にはねられて死んだアルマジロのように、死後、体内にガスがたまって死骸が膨らみ、ひっくり返って腹側が上になったというものです。この3つの説に加えて、死後、川や海を漂っているときに死骸が膨らんで重い背中が下になるようにひっくり返り、その後、背中を下にしたまま川底や海底に沈んだという新しい説が今回出されました。研究者はこの4つの説をそれぞれ検証しました。
 北米で仰向けの鎧竜類の化石が最も多く発見される海岸近くは起伏が少ないため、1つ目の説の可能性はかない低いと研究者は考えています。
 もし2つ目の説が正しければ、仰向けになった化石には特に肉食恐竜の噛み跡が残っていると考えられます。発見時の姿勢が分かる36標本のうち、32点の標本で肉食恐竜の噛み跡があるかどうかが調べられました(残りの4標本はクリーニングされていないまたは発掘中のため噛み跡があるかどうか調べられないとのことです)。この結果、噛み跡が見つかったのは仰向けになった1標本だけだったそうです。この結果から、化石の姿勢と肉食恐竜の噛み跡の有無には関連性が見られないとのことです。
 3つ目の説を検証するため、2016年6月16日から8月31日まで、174体のアルマジロの死骸の腐敗の過程と姿勢の変化が調べられました。この結果、アルマジロの死骸が仰向けになりやすいという結果は得られなかったそうです。
 4つ目の説を検証するため、コンピュータシミュレーションを用いて、尾にこぶのあるアンキロサウルス類と尾にこぶをもたないノドサウルス類について、水面を漂っているときの挙動が調べられました。ノドサウルス類では、死骸が膨らんでいるか否かにかかわらずひっくり返りやすいという結果が出たそうです。アンキロサウルス類では、ノドサウルス類よりもひっくり返りにくいものの、やはりひっくり返る、そして死骸が膨らんでいた方が膨らんでいない場合よりもひっくり返りやすいという結果が出たそうです。4つ目の説は、北米の鎧竜類の化石が見つかる地層が堆積した環境とも矛盾がありません。このため、4つ目の説が最も可能性がある説だと研究者は考えています。

2/28 Canadian Museum of NatureA 'bloat-and-float' taphonomic model best explains the upside-down preservation of ankylosaurs. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology

2018/3/4

獣脚類の動きはサイズと速度から推測できるかもしれないことがわかりました。

 鳥類以外の獣脚類がどのように歩き、走っていたかは多くの研究者が研究し、そして論争も多いテーマです。これまでの研究では、地上性の鳥類の動きを生物力学的に解析することによって、獣脚類の動きを推測してきました。しかし、絶滅した獣脚類、特にサイズの大きな獣脚類が動くときにどのように力がかかっていたかを実験に基づいて推測することはこれまでできませんでした。
 今回、体重45g〜80kgの地上性の鳥類12種の動きが調べられました。閉鎖されたレース用のコースで、歩行から走行まで様々な速度での動きや地面から受ける力が調べられたそうです。
 この結果、鳥類では、指の付け根をつけてから指先が離れるまでの時間や歩幅などの様々な要素が、速度が上がるにつれて連続的に変化していくことがわかったそうです。この結果は、鳥類は歩行から走行に連続的に移行していくというこれまでの研究を支持するものです。ヒトの場合、歩行と走行ではっきりした違いがあります。今回の研究では、鳥類のサイズによる足取りと姿勢の違いも調べられました。
 今回の結果を用いて、鳥類の動きを推測する統計モデルが作られました。このモデルでは、体重と速度を入力すると、歩幅や地面から受ける力などの鳥類の動きの基本的な特徴を推測することができます。このモデルを用いて導き出された動きは、今回採集されたデータとよく合致するそうです。このモデルを改良するにはより多くのデータを集める必要があるそうで、また、今回調べられた12種の鳥類よりもかなりサイズの大きな動物に対してこのモデルが適用できるかどうかはわからないとのことです。しかしこのモデルが将来的に骨格の化石と足跡の化石から獣脚類の動きを推測する一助になるのではないかと研究者は考えています。

2/21 ScienceDailyThe influence of speed and size on avian terrestrial locomotor biomechanics: Predicting locomotion in extinct theropod dinosaurs. PLOS ONE

2018/2/25

白亜紀後期に、アフリカとヨーロッパの間で恐竜が行き来していたらしいということがわかりました。

 中生代三畳紀(約2億5200万円前〜約2億100万年前)、地球上の大陸は1つに集まって超大陸パンゲアを作っていました。ジュラ紀(約2億100万年前〜約1億4500万年前)になるとパンゲアは分裂を始め、白亜紀(約1億4500万年前〜約6600万年前)になると大陸配置が現在のものに徐々に近づいていきました。白亜紀に、アフリカ大陸が南半球のほかの大陸やヨーロッパとどのようにつながり、陸上動物がどのくらい独自の進化をしていたかはよくわかっていません。
 約9400万年前〜約6600万年前(中生代白亜紀後期)のアフリカ大陸とその陸上脊椎動物について、2つの説があります。1つはアフリカ大陸がほかの大陸とはつながらない島大陸で、独自の陸上脊椎動物が進化していたというものです。もう1つはアフリカが近くの大陸と何らかの形でつながっており、ほかの陸地と似たような陸上脊椎動物が進化していたというものです。後者の説に関して、特にアフリカ北部とヨーロッパ南部で動物が行き来していたのではないかと考えられています。これはヨーロッパ南部の白亜紀末期の地層から、ゴンドワナ大陸の陸上脊椎動物と近い種類の動物の化石が発見されているためです。しかし、アフリカ大陸から9400万年前から6600万年前の陸上脊椎動物の化石はほとんど発見されていないため、この説を検証することがこれまでできませんでした。
 今回、エジプトの約8360万年前〜約7210万年前の地層から、新属新種の竜脚類の化石が発見されました。頭骨、頸椎、胴椎、肋骨、肩甲骨、上腕骨、中足骨などが発見されており、白亜紀の終わりごろのアフリカ大陸から発見された化石としては最も多くの骨が残っているそうです。今回発見された恐竜はMansourasaurus shahinaeと名付けられました。
 Mansourasaurusはティタノサウルス類に含まれます。ティタノサウルス類は白亜紀後期に世界中に棲息していた竜脚類です。竜脚類の中でも最大級のアルゼンチノサウルスなどもこのグループに含まれます。Mansourasaurusはティタノサウルス類としては中くらいのサイズで、体長8〜10mと推定されています。
 Mansourasaurusの系統を分析した結果、ヨーロッパ南部と東アジアのティタノサウルス類と近い種類だという結果が出たそうです。このことから、アフリカ大陸と南米大陸は1億年前までに分裂し、それ以降もアフリカ大陸北部とユーラシア大陸との間で陸上脊椎動物が行き来していたと、研究者は考えています。

1/29 Ohio UniversityNew Egyptian sauropod reveals Late Cretaceous dinosaur dispersal between Europe and Africa. Nature Ecology & Evolution

2018/2/5

鮮やかな輝きの羽毛をもつ恐竜の化石が発見されました。

中国の約1億6100万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層から、新属新種の獣脚類の化石が発見されました。Caihong jujiと名付けられたこの獣脚類は体長40cm以下と小型で、頭部には骨でできたトサカがあり、全身を羽毛でおおわれ、四肢と尾に翼をもっているそうです。Caihongの羽毛を走査型電子顕微鏡で調べたところ、色素を含む細胞小器官であるメラノソームが印象化石として残っているのが発見されたそうです。メラノソームの形によって、反射される色は違います。このため、メラノソームの形を調べることで羽毛が何色だったかを推測することができます。Caihongのメラノソームを現生鳥類のメラノソームと比較したところ、頭部、胸、尾の付け根の羽毛のメラノソームはハチドリのメラノソームによく似た形をしていることが分かったそうです。Caihongのの頭部、胸、尾の付け根にはハチドリと同じように鮮やかで多彩な遊色が見られたと、研究者は考えています。現生鳥類では、カラフルな羽毛は異性へのアピールに使われます。Caihongでも同じような使われ方をしていたのではないかと、研究者は考えています。
 また、Caihongの尾の羽根は左右非対称な形をしているそうです。現生鳥類では、このような非対称な羽根(風切羽)翼の一番外側にあり、は飛ぶときに推進力を得るのに使われます。しかしCaihongは飛ぶことはできなかったと考えられていますし、前肢の翼には左右非対称な羽根は生えていません。Caihongには古い特徴と新しい特徴が混在しています。これはそれぞれの特徴が独立に進化したとするモザイク進化の証拠であると、研究者は考えています。

1/16 Field MuseumA bony-crested Jurassic dinosaur with evidence of iridescent plumage highlights complexity in early paravian evolution. Nature Communications, 9(1)

2018/1/21

ハーレム標本は始祖鳥ではないらしいということがわかりました。

 始祖鳥は、約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層から発見されている最古の鳥類です。これまで十数体の化石が発見されています。このうち、1855年に発見されたハーレム標本には、後肢の一部と翼の痕跡が保存されています。
 今回、ハーレム標本が詳しく調べ直されました。この結果、ほかの始祖鳥とは違う特徴がいくつもあり、代わりにアンキオルニスに近縁であることを示唆する重要な特徴があることがわかったそうです。ハーレム標本は始祖鳥ではなくアンキオルニス類であると研究者は結論付け、Ostromiaと名付けました。
 アンキオルニス類は中国の約1億6400万年前〜約1億5700万年前(ジュラ紀後期)の地層から発見された獣脚類です。四肢に翼がありました。ハーレム標本は、中国以外から発見された、現在のところ唯一のアンキオルニス類ということになります。鳥類に近い特徴をもつ獣脚類のマニラプトル類はジュラ紀中期の後期からジュラ紀後期に初めにかけて東アジアで多様化し、その後、西に向かって急速に分布域を広げたと、研究者は考えています。

12/4 Ludwig-Maximilians-Universitaet Muenchen (LMU)Re-evaluation of the Haarlem Archaeopteryx and the radiation of maniraptoran theropod dinosaurs. BMC Evolutionary Biology, 17(1), 236

2017/12/10

150m以上も続く竜脚類の足跡化石が発見されました。

 2009年、フランスのジュラ山脈にあるプラーニュという村で、竜脚類の足跡の化石が発見されました。その後発掘が続けられた結果、この足跡化石は155m以上も続く、これまで発見されている中で最も長い竜脚類の足跡化石であることがわかったそうです。
 この足跡化石は、後ろ足106個と前足29個の合計135個の足跡で構成されているそうです。この足跡を詳しく調べた結果、後ろ足の長さは94〜103cm、後ろ足の歩幅は175〜361cmであることがわかったそうです。また後ろ足の跡には5つの楕円形の指の跡が残り、前足の跡には5つの円形の指の跡が弧を描いて並んでいたそうです。この足跡はBrontopodus属の新種とされ、Brontopodus plagnensisと名付けられました。足跡の化石からこの足跡を残した竜脚類のサイズを計算した結果、全長は35m以上、体重は35〜40tで、時速4kmで歩いていたという結果が出たそうです。
 今回調べられた足跡は約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層から発見されました。当時、ヨーロッパ西部には浅い海が広く広がり、島がいくつもあったと考えられています。

11/13 CNRSThe dinosaur tracksite of Plagne (early Tithonian, Late Jurassic; Jura Mountains, France): The longest known sauropod trackway. Geobios, 50(4), 279-301

2017/11/19

シノサウロプテリクスの模様が詳しくわかりました。

 中国遼寧省から発見される白亜紀前期の獣脚類シノサウロプテリクスの尾には縞模様があったらしいということが、これまでの研究からわかっています。今回、シノサウロプテリクスの化石の羽毛に残っている色素が分析され、体のその他の部分の色が調べられました。
 この結果、眼の周囲は暗い色の毛で覆われ、胴体は背中側が暗く腹側が明るいカウンターシェーディングになっていたらしいことがわかったそうです。眼の周囲が暗い色の毛で覆われるのは、現生の動物、とくに鳥類でよくみられるそうです。眼の周りを暗くすることによって、眼の位置をわかりにくくする役割があります。また、シノサウロプテリクスの胴体の明るい色と暗い色の境は脇腹の高い位置にあるそうです。生息する環境によって、カウンターシェーディングのパターンが変わることが知られています。現生の動物では、シノサウロプテリクスようなカウンターシェーディングをもつものはサバンナなどの開けた環境に棲息しているそうです。このため、シノサウロプテリクスも開けた場所に棲息していたのではないかと、研究者は考えています。

10/26 University of BristolCountershading and Stripes in the Theropod Dinosaur Sinosauropteryx Reveal Heterogeneous Habitats in the Early Cretaceous Jehol Biota. Current Biology

2017/10/29

ハドロサウルス類が甲殻類を食べていたらしいということがわかりました。

 ハドロサウルス類は白亜紀後期(約1億100万年前〜約6600万年前)に棲息していた大型の植物食恐竜です。植物をすりつぶすのに適した歯をもち、「白亜紀のウシ」とも呼ばれています。
 今回、アメリカ合衆国ユタ州の約7600万年前〜約7410万年前の地層から産出したハドロサウルス類のものと思われるコプロライト(糞の化石)に、腐った木の破片とともに甲殻類の殻の破片が入っているのが発見されました。甲殻類の殻の破片が含まれていたのは、距離にして21km離れた3つの層準から発見された、10個以上のコプロライトからです。破片の大きさから、甲殻類の体長は5cm以上あったと推定されています。一般的なハドロサウルス類のくちばしの幅に対して20%から60%ほどの大きさのため、間違って飲み込まれたわけではなく、意図的にハドロサウルス類は甲殻類を食べていたと、研究者は考えています。
 ただし、ハドロサウルス類は常に甲殻類を食べていたわけではなく、特定の時期に(おそらく、繁殖期と卵を温めているときに)だけ食べていたのではないかと、研究者は考えています。この時期に甲殻類を食べることによって、カルシウムとタンパク質を補給していたのではないかとのことです。

9/21 University of Colorado at BoulderConsumption of crustaceans by megaherbivorous dinosaurs: dietary flexibility and dinosaur life history strategies. Scientific Reports, 7, Article number: 11163

2017/9/24

これまでトロオドンとされてきた化石が、別種の恐竜2種のものだったらしいということがわかりました。

 トロオドン類はアジアと北米から産出している獣脚類です。中国のジュラ紀の地層とモンゴルの白亜紀の地層からは体の大部分が残ったトロオドン類の化石が産出していますが、北米のトロオドン類の化石は部分的なものしか発見されていないため、その大部分がTroodon formosusに分類されてきました。
 2014年、カナダの白亜紀後期の地層からトロオドン類の骨盤の化石が発見されました。この骨盤はほかのトロオドン類よりも大きいものだったそうです。この骨盤と、これまで発見されていたトロオドン類の化石を再研究して、Latenivenatrix mcmasteraeという新属新種が命名されました。トロオドン類の中では最大で、体高1.8m、体長3.5mと推定されています。そして同じ地層から発見されているほかのトロオドン類の化石は、1932年に命名され、1987年にT. formosusと同じ種とされたStenonychosaurus inequalisに分類されることがわかったそうです。
 T. formosusは歯の化石をもとに命名されました。しかしその後の研究で、北米から発見されるトロオドン類の歯には種によって違いがないらしいということがわかりました。国際命名規約では、ほかの種と区別できない部位をもとに命名された種名の有効性は疑わしいとされています。T. formosusはまだ無効とはされていませんが、今後新たな発見がなされることで、骨に基づいて新種がいくつも命名されていくことになるのではないかと研究者は考えています。

8/8 University of AlbertaTroodontids (Theropoda) from the Dinosaur Park Formation, Alberta, with a description of a unique new taxon: implications for deinonychosaur diversity in North America. Canadian Journal of Earth Sciences, 54, 919-935

2017/8/13

体色までわかる保存の良い鎧竜の化石が発見されました。

 カナダ、アルバータ州の約1億2500万年前〜約1億1300万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、非常に保存の良い鎧竜の化石が発見されました。頭部から腰までの多くの部分が立体的に保存され、トゲや骨片が生きていた時と同じ場所にあり、鱗や骨片を覆っていたケラチン質の鞘まで残っているそうです。この鎧竜はBorealopelta markmitchelliと名付けられました。体長は5.5m、体重は1300kgと推定されています。
 化石として残っている軟組織を調べたところ、メラニンが残っていることがわかったそうです。体の色は赤茶色で、腹側は明るい色だったらしいということがわかったそうです。カウンターシェイディングを使って捕食者(肉食恐竜)に見つかりにくくしていたのではないかと、研究者は考えています。

An Exceptionally Preserved Three-Dimensional Armored Dinosaur Reveals Insights into Coloration and Cretaceous Predator-Prey Dynamics. Current Biology

2017/8/6

ティラノサウルスの体が鱗で覆われていたらしいということがわかりました。

 1990年代以降、獣脚類のいくつかの化石に羽毛が発見されています。中国の白亜紀前期の地層から発見されたディロンとユティラヌルスも体の大部分が羽毛に覆われていたらしいということがわかっています。特にユティラヌルスは体長9mという巨大なサイズにもかかわらず羽毛をもっていたため、ティラノサウルスのような大きなティラノサウルス類も羽毛をもっていたのではないかと考えられるようになりました。
 今回、ティラノサウルスとティラノサウルス科の恐竜4種(アルバートサウルス、ダスプレトサウルス、ゴルゴサウルス、タルボサウルス)の化石に保存された皮膚が調べられました。この結果、この5種の体の大部分がほかの爬虫類と同じような鱗で覆われていたらしいということがわかったそうです。羽毛をもっていたとしても、背中に生えていた程度だと、研究者は考えています。
 初期のティラノサウルス類は体の大部分を羽毛に覆われていたものの、白亜紀前期の終わり(約1億1300万年前〜約1億100万年前)に登場したティラノサウルス科では羽毛は二次的に失われたと考えられています。羽毛が失われたのは気候の変化ではなく体が巨大化したためではないかと、研究者は考えています。

Tyrannosauroid integument reveals conflicting patterns of gigantism and feather evolution. Biology Letters, 13(6), 20170092

2017/6/12

アフリカでもっとも新しい時代の恐竜の化石が発見されました。

 モロッコの約6600万年前(中生代白亜紀末期)の地層から、新属新種の獣脚類の化石が発見されました。この獣脚類は短い吻部と小さな前肢が特徴のアベリサウルス類の1種で、Chenanisaurus barbaricusと名付けられました。発見されたのは下顎の一部と歯の化石ですが、その大きさから全長7〜8mと推定されています。アベリサウルス類としては最大級の大きさです。またChenanisaurusはアフリカから発見されたもっとも新しい時代の恐竜でもあります。
 白亜紀末期、北米とアジアでは、ティラノサウルス類、ハドロサウルス類、角竜類などが繁栄し、南米、インド、マダガスカルでは、アベリサウルス類とティタノサウルス類が繁栄していたと考えられています。これまで、白亜紀末期のアフリカではどのような恐竜が繁栄していたかはよくわかっていませんでしたが、これまで発見されていたティタノサウルス類と今回の発見により、アフリカでも南半球のほかの地域と同じようにアベリサウルス類とティタノサウルス類が白亜紀末の大量絶滅の直前まで生き残っていたらしいということがわかったそうです。
 また分析の結果、Chenanisaurusはほかの地域から発見されているアベリサウルス類と系統的に遠いということがわかったそうです。この結果は、ゴンドワナ大陸の分裂によって、各地で特有の恐竜が進化していったという説を裏付けるものだと、研究者は考えています。

5/3 University of BathAn abelisaurid from the latest Cretaceous (late Maastrichtian) of Morocco, North Africa. Cretaceous Research, 76, 40-52

2017/5/7

むかわ竜の全身骨格が公開されました。

 2003年、北海道むかわ町穂別の白亜紀後期の地層から、ハドロサウルス科の恐竜の化石が発見されました。この恐竜化石には「むかわ竜」という和名が付けられました。今回、むかわ竜の全身骨格が公開されました。
 全身の骨の50%以上が残った恐竜化石の発見は日本国内では2例目です。これまで全身骨格が発見されていたフクイヴェナトールは体長約2.5m、それに対し、今回のむかわ竜は体長8mと推定されています。このため、国内で発見された最大の恐竜の全身骨格ということになります。

4/28 プレスリリース

2017/4/30

ティラノサウルス類の頭部がどのようなな見た目だったかがわかりました。

 アメリカ合衆国モンタナ州の約7510万年前〜約7440万年前(中生代白亜紀後期)の地層から、肉食恐竜ダスプレトサウルスの新種の化石が発見され、Daspletosaurus horneriと名付けられました。ダスプレトサウルスは、ティラノサウルスが出現する前に北米西部に棲息していたティラノサウルス類です。これまで、D. torosusの1種しか発見されていませんでした。D. horneriD. torosusの子孫だと、研究者は考えています。
 また今回発見されたD. horneriの頭骨をもとに、生きていた時に頭部がどのような見た目だったかが調べられました。ティラノサウルス類の保存の良い頭骨はいくつも発見されていますが、生きていた時にどのような軟組織で覆われていたかはこれまで厳密には調べられてきまでんでした。
 ダスプレトサウルスとティラノサウルス類の頭骨の特徴が、ワニ類と鳥類の頭骨の特徴と比べられ、頭部の軟組織が復元されました。この結果、顔の大部分は大きく平らな鱗で覆われ、鼻の上と下顎の両脇は鎧のような皮膚で覆われていたらしいということがわかったそうです。そして眼の後ろにはケラチン質の大きな角があっそうです。さらに、鼻と顎には神経が通っていた穴が多数あり、非常に感覚が鋭かっただろうと、研究者は考えています。

3/30 Carthage CollegeA new tyrannosaur with evidence for anagenesis and crocodile-like facial sensory system. Scientific Reports, 7, 44942

2017/4/2

これまでとは異なる恐竜の分類が提唱されました。

 恐竜は長い間、鳥盤類と竜盤類の2つに大きく分けられ、竜盤類がさらに竜脚形類と獣脚類に分けられてきました。今回、74種の恐竜の骨格について何万もの特徴が調べられ、分類が再検討されました。この結果、竜脚形類はヘレラサウルス類と近縁で、獣脚類は鳥盤類と近縁らしいということがわかったそうです。今回の分類では、竜脚形類とヘレラサウルス類で竜盤類を形成し、獣脚類と鳥盤類をあわせたグループについてはオルニソスケリダ(Ornithoscelida)という分類名が提唱されています。
 また現在、最古の恐竜の化石がアルゼンチンから発見されているため、恐竜は南半球で出現したと考えられています。しかし今回の研究で、北半球から見つかっている種が最も原始的な恐竜に位置付けられる結果が出たため、恐竜は北半球で出現した可能性があると研究者は考えています。

3/22 University of CambridgeA new hypothesis of dinosaur relationships and early dinosaur evolution. Nature, 543(7646), 501-506

2017/3/26

恐竜の卵が孵化するには長い時間が必要だったらしいということがわかりました。

 卵を産んでから孵化するまでの期間は種によって異なります。例えば、鳥類では11日間から85日間、爬虫類ではその倍くらいの数週間から数か月間の時間が必要です。恐竜は鳥類のように短い期間で孵化したとの見方が有力ですが、実際にどれくらいの期間で誕生したかはこれまでわかっていませんでした。
 今回、2種類の恐竜、体長2m弱の角竜プロトケラトプスと体長7〜8mのハドロサウルス類ヒパクロサウルスの胎児の化石を用いて、孵化するまでの期間が調べられました。今回の研究で、孵化直前の卵の重さはプロトケラトプスで194g、ヒパクロサウルスで4.25kgと推定されました。
 調べられたのは胎児の歯の化石です。CTスキャンと歯を薄くスライスして顕微鏡で調べることによってどのくらいで孵化したかが推定されました。この結果、サイズの小さなプロトケラトプスは約3か月間、サイズの大きなヒパクロサウルスは約6か月間で孵化したらしいということがわかったそうです。これはこれまでの予想に反して、恐竜の生き残りである鳥類よりも爬虫類に近い数字です。
 この長い孵化までの時間が、恐竜が白亜紀末に絶滅した一因だろうと、研究者は考えています。白亜紀末は大きな災害が起こり、気候も急激に変化して食物が確保しにくい環境だったと考えられています。恐竜は両生類や爬虫類よりも多くの食物を必要とする内温性または中温性だったと考えられています。しかも、恐竜が繁殖できるようになるには1年以上の長い時間が必要でした。この結果、恐竜は絶滅事件を生き残った両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類よりも繁殖できるようになるまでに多くの食物をとらなければいけなくなってしまいます。さらに、孵化までの期間が長いと、卵とその親は捕食者や飢餓、またはその他の環境の変化の危険に多くさらされることになります。これらにより白亜紀末の生存競争で恐竜が不利になったのではないかと研究者は考えています。

1/2 Florida State UniversityDinosaur incubation periods directly determined from growth-line counts in embryonic teeth show reptilian-grade development. PNAS

2017/1/8