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2016年、2018年のニュース

37億年前のストロマトライトとされた構造は、ストロマトライトではないらしいということがわかりました。

 グリーンランドには、地球が形成されたばかりの30億年以上前の地層が分布しています。グリーンランドのイスア地域から、約37億年前のストロマトライトとされる堆積構造が2016年に報告されました。この“ストロマトライト”は、それまで報告されていた最古のストロマトライトよりも2億年以上古いものでした。ストロマトライトはシアノバクテリアによって作られたと考えられている堆積構造です。このため、ストロマトライトはその時代に生命がいた証拠として扱われています。
 今回、37億年前のストロマトライトとされている堆積構造の、3次元構造、向き、化学組成などが分析されました。この結果、通常のストロマトライトにある層構造や微生物が活動した化学的な特徴がないということがわかったそうです。また、3次元的にみると、岩石は円錐形に盛り上がっているのではなく、うねっているだけだということもわかったそうです。
 このことから、この堆積構造はストロマトライトではなく、海底の堆積物が変質したり変形したりしたものだと、研究者は考えています。

10/18 natureasiaReassessing evidence of life in 3,700-million-year-old rocks of Greenland. Nature

2018/10/21

デボン紀後期の大量絶滅の原因は火山の噴火だったのではないかという論文が発表されました。

 約3億7200万年前(古生代デボン紀後期)、古生代以降の大量絶滅で5本の指に入る大量絶滅が起こりました。種のレベルで40%が絶滅したと考えられています。この大量絶滅については、火山の大噴火が原因ではないかとも考えられていますが、噴火の規模と噴火した時期についてはこれまでよくわかっていませんでした。
 今回、モロッコ、ドイツ、ロシアの約3億7200万年前の岩石が調べられました。この結果、デボン紀後期の大量絶滅が起こった時期に堆積した地層には、ほかの層準よりも最大で100倍以上も多く水銀が含まれているということがわかったそうです。オルドビス紀末の大量絶滅の時期にも水銀の濃集が報告されており、これは噴火活動が原因ではないかと考えられています。デボン紀後期の水銀の濃集も噴火活動が原因だろうと、研究者は考えています。

5/1 Geological Society of AmericaMercury enrichments and the Frasnian-Famennian biotic crisis: A volcanic trigger proved? Geology

2018/5/7

白亜期末、隕石衝突によって海底での火山活動が活発になったらしいということがわかりました。

 中生代白亜紀末の約6600万年前、大きなイベントが3つ起こりました。1つが恐竜を含む生物の大量絶滅、1つがインドのデカン高原で起こった巨大噴火、最後の1つがメキシコのユカタン半島への隕石の衝突です。かつては隕石衝突によって生じた地震エネルギーが地球規模でマントルを溶かし、デカン高原の巨大噴火を引き起こしたと考えられました。しかし年代が詳しく調べられた結果、デカン高原の巨大噴火は隕石衝突よりも前に始まったらしいということがわかり、さらに、シミュレーションによって、隕石衝突によって噴火活動が始まる可能性が低いという結果が出たため、隕石衝突によってデカン高原の巨大噴火が引き起こされた可能性は低いのではないかと考えられるようになりました。しかし近年、隕石の衝突後にデカン高原の噴火速度が急激に上がった、地表の溶岩とつながる供給岩脈の方向が変わったなどの証拠が発見されたため、隕石衝突はデカン高原の巨大噴火に何らかの影響を与えたのではないかと考えられるようになりました。
 もし隕石衝突がデカン高原の噴火に影響を与えたのならば、地球のほかの噴火活動も何らかの影響を受けたのではないかと研究者は考えています。このことを検証するため、衛星のデータを使って海底の重力異常が調べられました。この結果、白亜紀末に作られた海底、特に太平洋とインド洋で作られた海底に重力異常が見られたそうです。これはこの時期に火成活動が活発になり、海底が作られる速度が速かったためと、研究者は考えています。これはユカタン半島への隕石衝突によって溶けたマントルの供給量が増えたという考えと矛盾しないと研究者は考えています。

Anomalous K-Pg-aged seafloor attributed to impact-induced mid-ocean ridge magmatism. Science Advances, 4,(2), eaao2994

2018/2/11

PETMと同時期に隕石の衝突があったらしいということがわかりました。

 約5600万年前(新生代古第三紀暁新世と始新世の境界)に、気温が5〜8℃も急激に上昇し、気温の高い状態が約15万年間続いたことがわかっています。この出来事はPETM(Paleocene-Eocene Thermal Maximum)と呼ばれています。PETMは大気中の二酸化炭素濃度が急激に上昇したことが原因で起こったと考えられていますが、大量の二酸化炭素の供給源は何なのか、二酸化炭素がどのくらいの速さで大気に供給されたのか、そして二酸化炭素が供給されてから気温が高い状態になるまでどれくらいの時間がかかったのかなど、詳しいことはよくわかっていません。
 今回、アメリカ合衆国ニュージャージー州とフロリダ州のPETMと同時期の地層から、マイクロテクタイトという小さなガラス状のの粒が発見されました。マイクロテクタイトは隕石が地表に衝突した時に、衝突された場所にあった物質が蒸発して大気中に放出され、大気中で急速に冷却されてできたものと考えられています。球形または涙型のマイクロテクタイトが、1gの堆積物中に最大で3粒含まれていたそうです。また、マイクロテクタイトの中には、これまた隕石衝突の証拠になる衝撃石英が含まれているものもあったそうです。
 今回の発見から、PETMと同時期に隕石が衝突した可能性があると、研究者は考えています。

10/13 Rensselaer Polytechnic Institute (RPI)Impact ejecta at the Paleocene-Eocene boundary. Science, 354(6309), 225-229

2016/10/16

37億年前のストロマトライトが発見されました。

 グリーンランドには、地球が形成されたばかりの30億年以上前の地層が分布しています。今回、グリーンランドのイスア地域から、約37億年前のストロマトライトが発見されました。これまで発見されていた最古のストロマトライトはオーストラリアの約34億8000万年前のもので、今回の発見はそれよりも2億2000万年も古いものです。約37億年前にストロマトライトが存在していたということは、地球が誕生してから数億年で生命が誕生したことを示唆していると、研究者は考えています。そしてこれは分子時計の計算の結果とも合っています。
 堆積物に含まれる元素や堆積物の構造から、今回のストロマトライトは浅い海でできたものと研究者は考えています。

8/31 University of WollongongRapid emergence of life shown by discovery of 3,700-million-year-old microbial structures. Nature

2016/9/4

オーストラリアから、34億年以上前の隕石衝突の証拠が発見されました。

 オーストラリア、西オーストラリア州の約34億6000万年前(先カンブリア時代)の地層から、直径1〜2mmの球状の二酸化ケイ素に富む構造が発見されました。これは隕石衝突によってできたものだと、研究者は考えています。これまでに発見されている中で2番目に古い隕石衝突の証拠です。
 今回発見された球状の構造のサイズから、約34億6000万年前に衝突した隕石は直径20〜30kmで、その衝突によって直径数百kmのクレーターができただろうと、研究者は考えています。

5/16 Australian National UniversityA new 〜3.46Ga asteroid impact ejecta unit at Marble Bar, Pilbara Craton, Western Australia: A petrological, microprobe and laser ablation ICPMS study. recambrian Research, 279, 103-122

2016/5/21

ハワイ-天皇海山列が曲がっているのは、プレートの移動方向が変わったからではないらしいということがわかりました。

 ハワイからカムチャツカ半島の付け根にかけて、ハワイ-天皇海山列と呼ばれる海山の列があります。
 これはホットスポットによってできた火山の列です。ホットスポットはプレートよりもさらに下、地球の奥深くから上昇してきたマグマが噴出する場所です。ホットスポットの上には火山ができますが、プレートの移動にともなって火山がホットスポットからずれると活動が停止し、ホットスポットの上に新しい火山が作られることになります。このようにしてかつて火山だった海山が列をなして並んでいるのです。ハワイ-天皇海山列はミッドウェー島付近で並ぶ方向が急角度で変わっています。これはプレートの移動方向が途中で変わったからだという説がありますが異論もあり、この原因はまだよくわかっていません。
 今回、スーパーコンピュータを用いて、過去2億年間のマントルの流れとホットスポットの動きがシミュレーションされました。この結果、約1億年前から約5000万年前の間はホットスポットの基部が南に動き、それにつられてマグマが噴出する位置も南に移動していたらしいということがわかったそうです。その後この動きは止まり、マグマも同じ位置で噴出し続けるようになったそうです。

5/12 University of SydneyA rapid burst in hotspot motion through the interaction of tectonics and deep mantle flow. Nature, 533(7602), 239-242

2016/5/15

オーストラリア大陸のどこで化石が発見されやすいかがモデリングによって求められました。

 化石を見つけようとするとき、大抵はこれまで発掘が行われて化石が見つかっている場所に採りに行きます。しかしこの方法では新たに化石が見つかる場所を発見することはなかなかできません。
 今回、生態学で広く使われているモデリング方法を用いて、オーストラリア大陸のどこで化石が見つかる可能性が高いかが計算されました。過去の種の分布、化石が保存されやすい場所、化石を見つけやすい場所のモデリングをもとに計算が行われました。そしてこの方法によって、約5万年前(新生代第四期更新世後期)の恐鳥類ゲニオルニス、サイと同じくらいのサイズのウォンバットの仲間ディプロトドン、肉食の有袋類ティラコレオなどの大型の動物が発見されるであろう場所が計算されました。南部のほうで見つかる可能性が高いようです。
 この方法はほかの大陸でも適用できると、研究者は考えています。

4/8 University of AdelaideWhere to Dig for Fossils: Combining Climate-Envelope, Taphonomy and Discovery Models. PLOS ONE, 11(3)

2016/4/10

プレートテクトニクスは約30億年前に始まったらしいという論文が発表されました。

 地球には太陽系のほかの惑星とは異なり、プレートテクトニクスが存在します。プレートテクトニクスがあることにより、大陸が移動し、火山ができ、地震が発生します。
 地球ができた当初はプレートテクトニクスはなかったと考えられています。プレートテクトニクスが始まった時期については、約45億年前から約8億年前までいくつかの説があり、いまだによくわかっていません。
 太陽系のほかの地球型惑星(水星、金星、火星)や月と比べて、地球の大陸地殻にはマグネシウムが少ししか含まれていません。しかし地球ができたばかりのころは、ほかの地球型惑星や月と同じようにマグネシウムが多く含まれていたと考えられています。プレートテクトニクスが始まると水も一緒に地殻の下に沈み込んで、マグネシウムに乏しい花崗岩が作られるようになります。花崗岩は現在の大陸地殻上部を構成する岩石です。地殻に含まれるマグネシウムの量が減少し始める時期がわかれば、プレートテクトニクスが始まった時期が推測できることになります。
 しかしマグネシウムは風化によって簡単に岩石から失われてしまうため、これまでは古い岩石ができた当初のマグネシウムの量を調べることはできませんでした。しかし今回、風化によって失われにくいニッケル、コバルト、クロム、亜鉛の量を調べることによって、岩石ができた当初のマグネシウムの量が推測できるということが発見されました。岩石ができた当初マグネシウムの量が多ければ、ニッケル/コバルトと、クロム/亜鉛の比も大きくなるそうです。
 様々な場所から採集された、約40億年前から約25億年前の岩石の、ニッケル/コバルトと、クロム/亜鉛の比が調べられました。この結果、約30億年前の岩石には約11%のマグネシウム(正確には酸化マグネシウム)が含まれていたのが、約25億年前には4%にまで減っていたらしいということがわかったそうです。このことからプレートテクトニクスは約30億年前に始まったと、研究者は考えています。

1/21 University of MarylandArchean upper crust transition from mafic to felsic marks the onset of plate tectonics. Science, 351(6271), 372

2016/1/31