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2013年のニュース

酸性雨とオゾン層の破壊がペルム紀末の陸上生物の絶滅を引き起こした原因の1つであるらしいということがわかりました。

 古生代ペルム紀末(約2億5200万年前),海洋生物の90%以上,陸上生物の70%以上が絶滅した史上最大の大量絶滅が起こったと考えられています。
 この大量絶滅の原因として,シベリアで起こった大規模な火山活動が有力な候補と考えられています。
 今回,3Dモデリングによって,この火山活動で放出された火山ガスの影響が推定されました。この研究により,次のような結果が得られたそうです。シベリアの火山活動で放出された二酸化炭素と二酸化硫黄によって強い酸性雨が発生しました。この酸性雨によって土壌中の栄養分が溶け出し,また植物と陸上生物が被害を受けました。またクロロメタンなどハロゲンを含む化合物の放出によってオゾン層が破壊されました。
 温室効果ガスの放出による温暖化とともに,酸性雨と強くなった紫外線が陸上生物の大量絶滅を引き起こした原因だろうと研究者は考えています。

11/22 Carnegie InstitutionAcid rain and ozone depletion from pulsed Siberian Traps magmatism. Geology

2013/11/28

約9000万年前,全体の5%の海水が酸素がない状態になったらしいということがわかりました。

 中生代(約2億5200万年前〜約6600万年前)には海水中の酸素が非常に少なくなる海洋無酸素事変(OAE)が多く発生していました。約9390万年前(中生代白亜紀中期)にはもっとも大規模な海洋無酸素事変(OAE2)が発生したと考えられています。
 今回,イギリスとイタリアの何か所もの地点から,OAE2が発生したときに海で堆積した泥岩が採取され,炭素の同位体比と硫黄の同位体比が調べられました。
 この結果,OAE2が発生したときには酸素がほとんど無く硫化水素に富む海水が海水全体の約5%まで広がっていたことがわかったそうです。これはこれまでの推測よりも小さい割合ですが,現在の約0.1%という割合と比べると非常に高くなっています。またOAE2が起こったとき非常に広範囲にわたって海水中の酸素が少なくなっていただろうと研究者は考えています。酸素が少なくなると,生命活動に重要な金属や栄養は海底に沈殿してしまいます。最終的には生物の活動にも大きな打撃を与えただろうと研究者は考えています。

10/28 UCR TodaySulfur isotopes track the global extent and dynamics of euxinia during Cretaceous Oceanic Anoxic Event 2. Proceedings of the National Academy of Sciences, Early Edition

2013/11/9

酸素は約30億年前から増加し始めたらしいということがわかりました。

 地球が作られた当初,酸素は非常に少ない濃度しか存在していませんでした。これまで,約23億年前に始まった大酸化事変によって地球上の酸素濃度が急激に増加したと考えられてきました。
 今回,南アフリカ共和国の約30億年前の地層の化学成分が調べられました。
 この結果,酸素濃度はこれまで考えられていたよりも6億年以上早く,約30億年前に高くなったらしいということがわかったそうです。

9/25 UBC NewsAtmospheric oxygenation three billion years ago. Nature, 501(7468), 535-538

2013/10/6

溶岩の大量噴出が三畳紀末の大量絶滅の一因だったらしいということがわかりました。

 中生代三畳紀末(約2億100万年前),大量絶滅が起こりました。これは史上4番目に大きな大量絶滅だったと考えられています。この大量絶滅の原因としてアメリカ大陸とアフリカ大陸が分裂したことによる溶岩の大量噴出とそれによって引き起こされた気候変動が挙げられてきました。しかし溶岩の噴出した年代の測定精度が低かったため,その因果関係ははっきりとはわかっていませんでした。
 今回,ウランを使った新たな年代測定法によって,溶岩が噴出した年代が高精度で調べられました。今回の研究で使われた玄武岩はカナダのノバスコシア州,モロッコ,そしてアメリカのニュージャージーから採取されました。
 この結果,溶岩が噴出したのは約2億156万4000年前という結果が出たそうです。モロッコで堆積した溶岩が最も古く,その3000年後にニュージャージー,13000年後にノバスコシア州で溶岩が堆積したらしいということが分かったそうです。この分析の誤差は数千年だそうです。地質時代では一瞬ともいえる短さです。
 今回の分析の結果,溶岩の大量噴出と三畳紀末の大量絶滅が非常に短い時間間隔で起こったらしいということがわかりました。

3/21 The Earth Institute at Columbia UniversityZircon U-Pb Geochronology Links the End-Triassic Extinction with the Central Atlantic Magmatic Province. Science

2013/3/25