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2014年のニュース

氷期・間氷期の周期は,海洋の循環の弱くなったことで長くなったらしいということがわかりました。

 新生代第四紀(約258万年前〜)になると,気候が寒冷な時期と比較的温暖な時期が繰り返される氷期・間氷期のサイクルができました。約90万年前までは氷期・間氷期は約4万1000年のサイクルで繰り返されていましたが,約90万年前にこのサイクルが約10万年に伸び,氷期がより寒くなりました。約90万年前にこのような変化が起こった原因についてはこれまではよくわかっていませんでした。
 今回,南アフリカ共和国沖の深海の堆積物が採取され,微化石の殻に含まれるネオジムの同位体比が調べられました。地球の表層を流れる海水は北大西洋で深海に沈み込み,大西洋を南下して南極沖を東に流れ,北太平洋で再び表層へと上がってきます。それを熱塩循環と呼びます。深海のネオジムの同位体比を調べることにより,熱塩循環の速度を知ることができます。
 この研究の結果,約120万年前から現在まで,温暖な時期には熱塩循環が強まり,寒冷な時期には弱まることが分かったそうです。そして約95万年前に熱塩循環が非常に弱まり,その後10万年間熱塩循環が非常に弱い時期が続いたことがわかったそうです。この時期に来るはずの間氷期は飛ばされ,氷期・間氷期のサイクルが10万年になったそうです。そして95万年前以降,氷期の間熱塩循環が弱い状態になり,氷期がより寒くなったことが分かったそうです。
 氷床が発達して熱塩循環が弱められ,熱塩循環によって運ばれて大気に放出されるはずだった二酸化炭素が深海にとどまり,氷期が続くことになったのだろうと,研究者は考えています。この時期に大気中の酸素濃度が大きく下がったことはほかの研究からもわかっています。

6/23 The Earth Institute at Columbia UniversityThermohaline circulation crisis and impacts during the mid-Pleistocene transition. Science

2014/7/6

火山の大噴火でカンブリア紀中期の大量絶滅がおこったらしいということがわかりました。

 オーストラリアのノーザンテリトリーと西オーストラリアにかけての200万km²の広大な範囲に,古生代カンブリア紀に噴出した溶岩が堆積しています。この溶岩が堆積している範囲は,カルカーリンジ火山岩岩石区と呼ばれています。今回,ウラン-鉛とアルゴン-アルゴンを用いてこの溶岩が噴出した年代が測定された結果,この溶岩は約5億1100万年前に噴出したらしいということがわかったそうです。
 この年代は,カンブリア紀中期のの大量絶滅がおこった時期(約5億1100万年前〜約5億1000万年前)と一致します。この絶滅では種数で50%が絶滅したと考えられています。この絶滅は気候の変化と海水中の酸素濃度が減少したことで起こったと考えられていますが,その原因についてはよくわかっていませんでした。
 カルカーリンジの噴火が,カンブリア紀中期の大量絶滅の原因となった気候の変化と海水中の酸素濃度の減少を引き起こしたと,研究者は考えています。

5/30 Curtin UniversityHigh-precision dating of the Kalkarindji large igneous province, Australia, and synchrony with the Early-Middle Cambrian (Stage 4-5) extinction. Geology, 42(6), 543-546

2014/6/1

中国でジュラ紀の新しい生物群が発見されました。

 中国には,良質な化石を多数産出する熱河層群という地層が分布しています。熱河層群は遼寧省西部,湖北省北部,内モンゴル自治区南東部にかけて堆積している約1億3000万年前〜約1億1000万年前(中生代白亜紀前期)の地層です。
 そして近年,熱が層群が分布しているのと同じ場所から,約1億6000万年前(中生代ジュラ紀後期)の良質な化石も多数発見されるようになりました。これらの場所から発見される化石は,両生類,哺乳類,翼竜,恐竜,そのほかの爬虫類など多岐にわたります。今回,このジュラ紀の化石はすべて同じ生物群に属するらしいということがわかったそうです。
 この生物群はDaohugou Biota と名付けられました。この生物群の化石は多様性があるだけではなく,保存状態も非常に良いそうです。骨は全身またはほぼ全身が残り,羽毛,毛皮,皮膚,両生類の体外に出ている鰓などの軟組織も残っているそうです。

3/8 ScienceDailyThe vertebrates of the Jurassic Daohugou Biota of northeastern China. Journal of Vertebrate Paleontology, 34(2), 243-280

2014/3/9

熱河生物群は火砕流によってできたらしいということがわかりました。

 中国には,良質な化石を多数産出する熱河層群という地層が分布しています。熱河層群は遼寧省西部,湖北省北部,内モンゴル自治区南東部にかけて堆積している約1億3000万年前〜約1億1000万年前(中生代白亜紀前期)の地層です。この地層からは陸上,水中,そして空など多様な環境に棲息していた脊椎動物,無脊椎動物,そして植物の化石が大量に産出しています。
 何か大量死が起こるような出来事が起こったと考えられていますが,これらの多様な環境に棲息していた生物がどのようにして死に,なぜ同じ地層から産出するかはこれまでよくわかっていませんでした。
 今回,熱河層群の堆積物と化石が詳しく調べられ,火砕流によっていろいろな生物が熱河層群が堆積した湖まで押し流されたと結論付けられました。熱河層群に堆積している火山灰は1883年にインドネシアのクラカタウの噴火で発生した火砕流の灰に似ており,熱河層群の火山灰の中の動物の姿勢はほかの火砕流に巻き込まれて死んだ動物の姿勢に似ているそうです。また熱河層群の動物の骨には,ベスビオ火山の火山灰に埋もれた人の骨に見られるのと同じような亀裂があるそうです。
 しかし火砕流によって動物たちが湖まで運ばれたという考えには異論もあります。ポンペイでは人が火砕流によって流されずにその場で埋もれています。

2/4 National Geographic NewsNew evidence suggests pyroclastic flows are responsible for the remarkable preservation of the Jehol biota. Nature Communications, 5, 3151

2014/2/10

グランドキャニオンの歴史がわかりました。

 アメリカ,アリゾナ州にあるグランドキャニオンでは,約18億年前の先カンブリア時代から古生代ペルム紀までの地層をコロラド川が侵食し,巨大な峡谷が作られています。この峡谷ができた年代については600万年前〜500万年前という説もあれば数千万年前という説もあったりと,はっきりとはわかっていませんでした。
 今回,岩石の過去の温度を測定する新しい手法によって,峡谷が作られた年代が調べられました。地中深くにある岩石の温度は高く,地層が侵食されて岩石が地表に露出すると,岩石の温度は下がります。
 Marble Canyon,Eastern Grand Canyon,Hurricane,Westernmost Grand Canyonの4つの峡谷で調べられた結果,Hurricaneは7000万年前〜5000万年前,Eastern Grand Canyonは2500万年前〜1500万年前,Marble CanyonとWesternmost Grand Canyonはどちらも600万年前〜500万年前に形成されたらしいということがわかったそうです。
 数千万年前からグランドキャニオンの浸食が始まったものの,コロラド川が地層を侵食してそれぞれの峡谷がつながったのは600万年前〜500万年前だろうと研究者は考えています。

1/26 Nature NewsFormation of the Grand Canyon 5 to 6 million years ago through integration of older palaeocanyons. Nature Geoscience

2014/2/1

約27億年前にすでに巨大な陸地が存在していたらしいということがわかりました。

 現在,地球表面の約71%は海で覆われ,約29%は陸地で覆われています。いつ巨大な陸塊ができたかはよくわかっていません。
 今回,カナダのテマガミから採取された縞状鉄鉱層の同位体比が分析され,巨大な陸塊があったかどうかが調べられました。テマガミの縞状鉄鉱層は約27億年前に形成されたもので,海水から堆積した化学物質だけで形成されているということがこれまでの研究からわかっています。
 今回の研究の結果,ハフニウム176が非常に多く含まれ,ネオジム143の量がかなり少ないということがわかったそうです。これは現在の海水に非常によく似た値だそうです。この値はは地球上に巨大な陸塊があって,地表が風化,侵食された物質が海に流れ込んでいないと得られないそうです。
 コンピューターモデルでは約27億年前は地球表面の約97%が海で覆われていたという結果が出ていますが,その結果に反して当時地球上に巨大な陸塊があっただろうと研究者は考えています。

1/15 AlphaGalileoDecoupled Hf-Nd isotopes in Neoarchean seawater reveal weathering of emerged continents. Geology

2014/1/20