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アリ塚から多数の哺乳類の化石が発見されました。

 北米に棲むアリ、Pogonomyrmex occidentalisは、堆積物を積み上げてアリ塚を作り、その下に食物となる植物の種子を運び込んで貯蔵します。アリ塚を作る際にP. occidentalisが集めてくるのは堆積物の粒だけではありません。堆積物の粒とともに脊椎動物の小さな化石も運んでくることが、100年以上前から知られています。
 今回、アメリカ合衆国ネブラスカ州北西部にある19個のP. occidentalisのアリ塚から試料が採集され、中に含まれる化石が調べられました。今回調べられたアリ塚の周りには、約3700万年前〜約3200万年前(新生代古第三紀始新世末期から漸新世初期)の地層が露出しています。
 この研究の結果、6000点以上の哺乳類の化石が発見されたそうです。そして新種10種、新属4属を含む80種以上が同定されたとのことです。

6/22 National GeographicFossil mammals from ant mounds situated on exposures of the Big Cottonwood Creek Member of the Chadron Formation (latest Eocene-early Oligocene), Sioux County, Nebraska. Paludicola, 13(4), 191-344

2022/6/23

新属新種のアンフィキオン類が報告されました。

 フランスの約1280万年前〜約1200万年前(新生代新第三紀中新世)の地層から発見された下顎の化石が新属新種のアンフィキオン類のものということがわかり、Tartarocyon cazanaveiと名付けられました。
 アンフィキオン類は、約3700万年前〜約3600万年前(新生代古第三紀始新世末)に出現した食肉類です。クマに似た体と、オオカミに似た頭部、歯をもち、ベアドッグとも呼ばれています。ヨーロッパでは新第三紀中新世の前期と中期(約2300万年前〜約1160万年前)に多様化しましたが、約750万年前(中新世後期)に絶滅しました。
 Tartarocyonは体重約195kgで、獲物を骨ごと噛み砕いて食べていたと、研究者は考えています。

6/15 PeerJA new gigantic carnivore (Carnivora, Amphicyonidae) from the late middle Miocene of France. PeerJ, 10, e13457

2022/6/19

最古の山火事の証拠が発見されました。

 イギリスの約4億3100万年前〜約4億2700万年前の地層と、ポーランドの約4億2700万年前〜約4億2300万年前(古生代シルル紀の中ごろ〜後半)の地層から、山火事の証拠となる焦げた植物の断片の化石が発見されました。今回の山火事の証拠は、これまでの最古の山火事の証拠を最大で約1000万年さかのぼるものです。
 山火事が起こるには、3つの要素が必要です。燃料(植物など)、発火の原因(落雷など)、そして十分な大気中の酸素濃度です。
 最古の山火事の証拠が発見された地層は、最古の陸上植物であるクックソニアの化石が産出している地層と同時期に堆積したものです。このことから、燃料となる陸上植物が出現して間もなく、山火事が継続的に発生するようになったと、研究者は考えています。
 また、大気中の酸素濃度が16%未満の場合には山火事は発生しないらしいということが、これまでの研究でわかっています。地質時代の酸素濃度の変化を推測したモデルで有名なものが3つあります(GEOCARBSULF、COPSE-revisited、GEOCARBSULFOR)。このうち、COPSE-revisitedとGEOCARBSULFORでは、最古の山火事が起こった当時の酸素濃度が15%未満と推測されています。残りのGEOCARBSULFでは、当時の酸素濃度が現在(21%)よりも少し高かったと推測されています。このため、シルル紀当時、酸素濃度は現在と同じくらいか現在よりも少し高かっただろうと、今回最古の山火事の証拠を発見した研究者は考えています。

6/14 Geological Society of AmericaSilurian wildfire proxies and atmospheric oxygen. Geology

2022/5/29

プシッタコサウルスに“へそ”があったらしいということがわかりました。

 2002年、中国の約1億3000万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、軟体部が残ったプシッタコサウルスの化石が発見されました。この化石には、鱗、頬の角、尾の剛毛などが保存されており、色素のパターンから、腹側が明るい色をしていたらしいということもわかっています。
 今回、この化石の鱗が、レーザーを使った手法で詳しく調べられました。この結果、腹部に臍孔があったらしいということがわかったそうです。
 卵から孵化する有羊膜類の胚は、卵黄嚢や尿膜といった膜とつながっています。孵化の直前または直後にこれらの膜は外れ、腹部に臍孔と呼ばれる溝ができます。哺乳類のへそと同じようなものです。現生の多くの爬虫類と鳥類では、孵化して間もなく臍孔が消えますが、ワニのように一生臍孔が残っているものもいます。
 今回発見されたプシッタコサウルスの臍孔は、ワニの臍孔によく似ているそうです。今回の発見は、最古の臍孔の化石記録で、鳥類以外の恐竜類としては初めての発見とのことです。今回臍孔が発見されたプシッタコサウルスは性成熟の直前の年齢だったと考えられています。このことから、プシッタコサウルスの臍孔は、少なくとも性成熟まで、そしておそらくは一生残っていただろうと、研究者は考えています。

6/10 science alertOldest preserved umbilical scar reveals dinosaurs had ‘belly buttons’. BMC Biology 20, 132

2022/6/17

頭部をぶつけ合って戦っていたと考えられるキリン類の化石が発見されました。

 中国北部の約2300万年前〜約1690万年前(新生代新第三紀中新世)の地層から、新属新種の偶蹄類の化石が発見され、Discokeryx xiezhiと名付けられました。Discokeryxの頭頂部はヘルメットのように厚くなっており、頸椎も厚く、頭骨と頸椎の接合部は複雑な構造をしているそうです。
 これらの特徴から、Discokeryxは雌をめぐって雄同士が頭頂部をぶつけ合って戦っていたのではないかと、研究者は考えています。現生の頭部をぶつけ合う哺乳類と比較して、Discokeryxの頭部と首は、頭部をぶつけ合って戦うのに最も適した構造をしていたという結果が出たそうです。
 骨の特徴や歯の形などから、Discokeryxはキリン上科に属すると考えられるそうです。キリン上科には、他の反芻類よりも多様な形の頭頂部が見られるとのことです。頭部から首の骨が複雑な形をしていることも合わせて、キリン上科が進化する過程で、激しい雄同士の戦いがあったことが示唆されるとのことです。キリン類の長い首は、一般的に考えられている要因(高い位置にある葉を食べること)ではなく、この雄同士の戦いによって進化してきたのだろうと、研究者は考えています。

Sexual selection promotes giraffoid head-neck evolution and ecological adaptation. Science, 376(6597)

2022/6/7