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ゴンドワナ大陸で最古の真鳥類の化石が発見されました。

 ブラジルの約1億1500万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、鳥類の後ろ足の化石が発見されました。
 この足は真鳥類の新属新種とされ、Kaririavis materと名付けられました。Kaririavisの指の骨は太く、第2指にはカーブした大きなかぎづめがあるそうです。ダチョウに似たようなグループに属していたのではないかと、研究者は考えています。
 白亜紀前期の南米からは、これまでエナンティオルニス類の化石しか発見されていませんでした。当時は、南半球にあった超大陸ゴンドワナが少しずつ分裂している時期でした。今回の発見は、ゴンドワナ大陸でで最古の真鳥類の発見になります。

11/23 Sci-newsA new ornithuromorph bird from the Lower Cretaceous of South America. Journal of Vertebrate Paleontology

2021/11/28

歯をもたないケラトサウルス類が発見されました。

 ブラジルの約1億2500万年前〜約1億100万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、新属新種の獣脚類の化石が発見されました。Berthasaura leopoldinaeと名付けられたこの獣脚類は全長約1mで、顎に歯がないとのことです。
 Berthasauraはケラトサウルス類に属します。ケラトサウルス類で歯のない恐竜が発見されたのは、リムサウルスに次いで2例目です。しかしリムサウルスの場合、成体は歯をもちませんが、幼体のうちは歯をもっていました。今回発見されたBerthasauraの化石の骨のいくつかに癒合が見られなかったことから、今回発見されたBerthasauraは未成熟の個体だったと考えられています。未成熟の段階で歯がないことから、Berthasauraはリムサウルスとは異なり、幼体の時も含めて生涯ずっと歯をもっていなかったと、研究者は考えています。
 Berthasauraは他のほとんどのケラトサウルス類とは異なり、植物食または雑食だったと考えられるそうです。

11/19 Sci-newsThe first edentulous ceratosaur from South America. Scientific Reports11, 22281

2021/11/26

イギリスに、これまで考えられていたよりも多様なイグアノドン類がいたらしいということがわかりました。

 イグアノドン類は中生代ジュラ紀中期(約1億7400万年前〜約1億6400万年前)に出現し、白亜紀(約1億4500万年前〜約6600万年前)に多様化した恐竜です。これまで、ワイト島にある白亜紀前期の地層から産出したイグアノドン類の化石は、華奢な化石はマンテリサウルス(Mantellisaurus atherfieldensis)のものと、大きくがっしりした化石はイグアノドン(Iguanodon bernissartensis)のものと、これまで考えられてきました。
 今回、これまでマンテリサウルスのものとされていた化石が詳しく調べられました。この結果、この化石の下顎の片側には少なくとも28本の歯が生えていたらしいということがわかったそうです。この歯の数はマンテリサウルスよりも明らかに多いとのことです。また、吻部がまっすぐなマンテリサウルスに対し、今回調べられた化石の吻部はふくらんでいるなど、マンテリサウルスとの違いがいくつもあることがわかったそうです。
 このことから、今回調べられた化石はマンテリサウルスとは別の新属新種とされ、Brighstoneus simmondsiと名付けられました。今回の研究から、白亜紀前期のイギリスにはこれまで考えられていたよりも多様なイグアノドン類がいたと、研究者は考えています。

11/11 Taylor & Francis GroupA new hadrosauriform dinosaur from the Wessex Formation, Wealden Group (Early Cretaceous), of the Isle of Wight, southern England. Journal of Systematic Palaeontology

2021/11/21

翼竜類は筋肉によって空気の抵抗を減らしていたらしいということがわかりました。

 翼竜類は、はばたいて飛ぶことができるようになった最初の脊椎動物です。しかし、翼竜類の飛行についてはまだわからないことが多くあります。
 今回、レーザー光を用いた分析によって、約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の地層ゾルンホーフェンから発見されたプテロダクティルス類の化石に残った軟体部が調べられました。飛行機や鳥類、コウモリなどは、胴体と翼の付け根の輪郭を滑らかにすることによって、飛行の際の空気の抵抗を軽減させています。鳥類では羽毛によって、コウモリでは毛皮によって、輪郭が滑らかになっています。今回の分析の結果、翼竜類では筋肉によって翼の付け根の輪郭が滑らかになっていたらしいということがわかったそうです。この筋肉があることで、空気の抵抗が減少しただけではなく、翼をより精巧に動かすことによって効率的な飛行ができていたのではないかと、研究者は考えています。

10/19 The University of Hong KongPterosaurs evolved a muscular wing-body junction providing multifaceted flight performance benefits: Advanced aerodynamic smoothing, sophisticated wing root control, and wing force generation. Proceedings of the National Academy of Sciences, 118(44), e2107631118

2021/11/17

進化速度が遅い方が多様性が高くなるらしいということがわかりました。

 鱗竜類は、トカゲやヘビなどの有鱗類とムカシトカゲ類で構成されるグループです。現在、1万種以上の鱗竜類がいますが、そのほとんどは有鱗類で、ムカシトカゲ類は1種しかいません。鱗竜類は中生代三畳紀前期または中期(約2億5200万年前〜約2億3700万年前)に出現したと考えられています。その歴史の初期にはムカシトカゲ類が繁栄し多様な姿をしていた一方、有鱗類の多様性はあまり高くありませんでした。白亜紀になるとムカシトカゲ類は減少し、有鱗類が形態的にも系統的にも大幅に増加しました。有鱗類の大きなグループのほとんどは白亜紀(約1億4500万年前〜約6600万年前)に多様化し、白亜紀末の大量絶滅を生きのびました。新生代でも有鱗類は陸上の生態系で重要な構成要素となっている一方、ムカシトカゲ類はわずかな種しか生き残りませんでした。進化速度が速いと多様性が高くなると考えられることが多いですが、逆に進化速度が遅いと多様性が高くなるという説もあります。
 今回、中生代と新生代古第三紀(約6600万年前〜約2300万年前)における鱗竜類の各グループの体のサイズの変化の速度が調べられました。体のサイズは、形態、生態、生理に関係する重要な特徴です。この研究の結果、中生代を通じてずっと、ムカシトカゲ類の体サイズの変化の速度は有鱗類よりも速かったらしいということがわかったそうです。ムカシトカゲ類の体サイズの変化の速度は有鱗類の倍ほどもあったとのことです。
 今回の結果から、進化の速度が速いと絶滅する速度も速くなると、研究者は考えています。進化の速度が遅い方が絶滅の速度も遅く、長期的には高い多様性をもつようになるとのことです。

11/10 University of BristolSlow and fast evolutionary rates in the history of lepidosaurs. Paleontology

2021/11/14