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ノドサウルス類は活発に動いてはいなかったらしいということがわかりました。

 鎧竜類は、尾の先端にこぶをもつアンキロサウルス類と首や肩に大きなトゲをもつノドサウルス類で構成されます。この両者は違った生態をもっていたと考えられています。
 脳や神経の構造を調べることで、生態を推測することができます。今回、オーストリアの約8000万年前(中生代白亜紀後期)の地層から発見されたノドサウルス類Struthiosaurus austriacusの脳幹の形がCTスキャンによって調べられました。
 この結果、体のバランスを保つ役割をもつ小脳片葉が小さいということがわかったそうです。このことから、こぶのある尾を振って身を守っていたと考えられているアンキロサウルス類とは異なり、Struthiosaurusは装甲で身を守っていたと、研究者は考えています。また、内耳の壺が小さいということもわかったそうです。内耳の壺が小さいと、聴覚が弱いと考えられます。これらのことから、Struthiosaurusは聴覚に頼らず、あまり動かない生態だったと、研究者は考えています。

1/22 University of ViennaNeuroanatomy of the nodosaurid Struthiosaurus austriacus (Dinosauria: Thyreophora) supports potential ecological differentiations within Ankylosauria. Scientific Reports, 12(1), 144

2022/1/21

最古の被子植物の蕾の化石が発見されました。

 現在、被子植物は植物の中で最も多様なグループです。しかし、いつどのように被子植物が出現したかは、よくわかっていません。白亜紀前期(約1億4500万年前〜約1億100万年前)の義県層から多様な被子植物の化石が発見されたり、ジュラ紀(約2億100万年前〜約1億4500万年前)の地層から花の化石が発見されたりしているため、ジュラ紀に被子植物が存在していたことは確実視されています。しかし、ジュラ紀の被子植物の化石記録は少ないため、初期の被子植物についての理解はいまだに進んでいません。
 今回、中国内モンゴル自治区の約1億6400万年前の地層から、被子植物の蕾と果実の化石が発見されました。今回の発見は、被子植物の蕾の化石として、最古のものです。今回発見された被子植物は新属新種とされ、Florigerminis jurassicaと名付けられました。

A Jurassic flower bud from China. Geological Society, London, Special Publications, 521

2022/1/20

オーストラリアから新たな化石鉱脈が発見されました。

 化石から、現生とは姿が大きく異なる動植物が生きていた過去の世界を垣間見ることができます。しかし化石として残るのは、ほとんどの場合で骨や殻などの硬い部分だけであるため、軟体部を復元したり、硬組織をもたない生物がどのような姿だったかを知ったりすることは、困難です。
 例外として、普段は化石として残りにくい軟組織がよく保存される化石産地がいくつかあります。このような化石産地は化石鉱脈と呼ばれています。今回、オーストラリアのニューサウスウェールズ州から新たな化石鉱脈が発見されました。今回発見された化石鉱脈は、"McGraths Flat"と名付けられました。
 McGraths Flatからは、約1500万年前(新生代新第三紀中新世)の生物の化石が発見されています。ここからは、軟体部が保存されたさまざまな動植物の化石が発見されているとのことです。また、ここから発見される化石には、細胞やメラノソームといった細胞内小器官まできれいに保存されているそうです。さらに、昆虫の表面についた花粉、腹部に獲物が入った魚、魚に寄生したムール貝など、生物同士の関係を推測できる化石も発見されているそうです。
 中新世に気候は乾燥化し、オーストラリアではそれまで広がっていた熱帯雨林が縮小し、灌木地や砂漠が広がっていったと考えられています。 McGraths Flatから発見された葉の化石から、当時、熱帯雨林の周りには乾燥した環境が広がっていたことが推測されるそうです。当時すでに、熱帯雨林が縮小していたのだろうと、研究者は考えています。

1/10 Australian MuseumA Lagerstätte from Australia provides insight into the nature of Miocene mesic ecosystems. Science Advances, 8(1)

2022/1/16

ヨーロッパから、更新世に生きていたセンザンコウの化石が発見されました。

 ルーマニアの約220万年前〜約190万年前(新生代第四紀更新世)の地層から、センザンコウ科の化石が発見されました。センザンコウ科は、体の背面と側面のほぼすべてを角質の鱗状の板で覆われた哺乳類です。始新世中ごろのヨーロッパで出現したと考えられていますが、気候の寒冷化に伴って新第三紀中新世中ごろまでにヨーロッパから姿を消したと、これまで考えられてきました。今回の発見は、ヨーロッパで最も遅い時期に生きていたセンザンコウ科の発見になります。
 今回発見された種は、現在アフリカに棲息しているSmutsia属の新種とされ、Smutsia olteniensisと名付けられました。Smutsia属はこれまで、約500万年前にアフリカで出現したアフリカ固有の属と考えられてきました。今回の発見により、Smutsia属がかつてはこれまで考えられてきたよりも広い範囲に棲息していたということもわかったとのことです。

1/10 University of ArkansasThe youngest pangolin (Mammalia, Pholidota) from Europe. Journal of Vertebrate Paleontology

2022/1/11

ガストルニス類の骨に、高い割合で病気になった証拠が発見されました。

 化石に残された、病気や外傷が原因と考えられる病変は、古生物の行動や生理、免疫、生活史などを推測し、復元するのに重要な手がかりとなります。この古病理学の研究は、鳥類以外の恐竜類に関しては多くありますが、鳥類に関してはほとんどなされてきませんでした。
 今回、オーストラリアの約5万4200年前〜約5万400年前(新生代第四紀更新世)の地層から発見された鳥類Genyornis newtoniの化石の病変が、外形の観察とCTスキャンによって調べられました。Genyornisは、体重192〜234kg、体高2mと推定されているガストルニス類です。今回調べられた化石は、胸骨3点、大腿骨25点、脛足根骨41点、足根中足骨38点、趾骨366点です。少なくとも34体分の化石と考えられています。
 この結果、4個体分の骨(胸骨1点、足根中足骨1点、趾骨4点)に病変が確認できたそうです。この病変は、骨隨炎に典型的にみられるものとのことです。
 今回の研究により、約12%のGenyornisが骨髄炎で苦しんでいたらしいということがわかりました。当時は気候が乾燥し、オーストラリア大陸内部に砂漠が広がっていったと考えられています。環境が悪化するにつれて食物が減少し、Genyornisは大きなストレスにさらされていたと考えられるそうです。このストレスによって免疫力が低下し、高い割合で病気になったのではないかと、研究者は考えています。

2021/12/26 The GuardianMultiple occurrences of pathologies suggesting a common and severe bone infection in a population of the Australian Pleistocene giant, Genyornis newtoni (Aves, Dromornithidae). Papers in Palaeontology

2022/1/4