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2017年〜2022年のニュース

ガストルニス類の骨に、高い割合で病気になった証拠が発見されました。

 化石に残された、病気や外傷が原因と考えられる病変は、古生物の行動や生理、免疫、生活史などを推測し、復元するのに重要な手がかりとなります。この古病理学の研究は、鳥類以外の恐竜類に関しては多くありますが、鳥類に関してはほとんどなされてきませんでした。
 今回、オーストラリアの約5万4200年前〜約5万400年前(新生代第四紀更新世)の地層から発見された鳥類Genyornis newtoniの化石の病変が、外形の観察とCTスキャンによって調べられました。Genyornisは、体重192〜234kg、体高2mと推定されているガストルニス類です。今回調べられた化石は、胸骨3点、大腿骨25点、脛足根骨41点、足根中足骨38点、趾骨366点です。少なくとも34体分の化石と考えられています。
 この結果、4個体分の骨(胸骨1点、足根中足骨1点、趾骨4点)に病変が確認できたそうです。この病変は、骨隨炎に典型的にみられるものとのことです。
 今回の研究により、約12%のGenyornisが骨髄炎で苦しんでいたらしいということがわかりました。当時は気候が乾燥し、オーストラリア大陸内部に砂漠が広がっていったと考えられています。環境が悪化するにつれて食物が減少し、Genyornisは大きなストレスにさらされていたと考えられるそうです。このストレスによって免疫力が低下し、高い割合で病気になったのではないかと、研究者は考えています。

2021/12/26 The GuardianMultiple occurrences of pathologies suggesting a common and severe bone infection in a population of the Australian Pleistocene giant, Genyornis newtoni (Aves, Dromornithidae). Papers in Palaeontology

2022/1/4

ゴンドワナ大陸で最古の真鳥類の化石が発見されました。

 ブラジルの約1億1500万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、鳥類の後ろ足の化石が発見されました。
 この足は真鳥類の新属新種とされ、Kaririavis materと名付けられました。Kaririavisの指の骨は太く、第2指にはカーブした大きなかぎづめがあるそうです。ダチョウに似たようなグループに属していたのではないかと、研究者は考えています。
 白亜紀前期の南米からは、これまでエナンティオルニス類の化石しか発見されていませんでした。当時は、南半球にあった超大陸ゴンドワナが少しずつ分裂している時期でした。今回の発見は、ゴンドワナ大陸でで最古の真鳥類の発見になります。

11/23 Sci-newsA new ornithuromorph bird from the Lower Cretaceous of South America. Journal of Vertebrate Paleontology

2021/11/28

エナンティオルニス類の歯の生えかわり方が現生のワニ類と同じだったらしいということがわかりました。

 エナンティオルニス類など、中生代の鳥類には歯をもつものがいました。これら歯をもつ鳥類は何回も歯が生えかわっていたと考えられています。しかし、どのように歯が生えかわっていたのかは、これまでよくわかっていませんでした。
 今回、ブラジルの白亜紀後期(約1億100万年前〜約6600万年前)の地層から産出したエナンティオルニス類の保存の良い顎の化石3点がCTスキャンにかけられました。この結果、顎の中に次に生えてくる歯が複数あることがわかったそうです。
 次に生えてくる歯の位置が詳しく調べられた結果、エナンティオルニス類の新しい歯は口の内部に近い部分で最初にでき、その後、すでに生えている歯の歯根を吸収しながら顎の外側に向かって移動していたらしいということがわかったそうです。この歯の生えかわり方は、現生のワニ類と同とのことです。

Natural History Museum of Los Angeles CountyDental replacement in Mesozoic birds: evidence from newly discovered Brazilian enantiornithines. Scientific Reports, 11(1)

2021/10/10

体より長い尾羽をもつエナンティオルニス類の化石が発見されました。

 中国遼寧省の約1億2000万年前(中生代白亜紀前期)の地層から、新属新種の鳥類の化石が発見されました。Yuanchuavis kompsosouraと名付けられたこの種は、中生代に繁栄したエナンティオルニス類の1種です。頭胴長は約23cmであるのに対し、その約1.3倍の30cmもの長さのある尾羽をもっていました。そしてその付け根には、短い羽根が扇状に生えていました。このような構造の尾羽は現生の鳥類では見られますが、エナンティオルニス類で発見されたのは、今回が初めてです。
 扇状の尾羽は飛行に役立ち、長い尾羽は異性を惹きつけるディスプレイだったと、研究者は考えています。

9/16 Field MuseumAn Early Cretaceous enantiornithine bird with a pintail. Current Biology

2021/9/26

脳の形の変化が、鳥類が白亜紀末の大量絶滅を生きのびた一因らしいということがわかりました。

 中生代白亜紀末(約6600万年前)、恐竜類のほとんどが絶滅し、鳥類だけが生き残りました。なぜ恐竜類の中で鳥類だけが生き残ることができたかは、よくわかっていません。
 今回、約7000万年前(白亜紀後期)の地層から、鳥類イクチオルニスの立体的に保存された頭骨の化石が発見されました。イクチオルニスは歯をもつなど原始的な特徴をもつ鳥類で、白亜紀末に絶滅しました。
 今回発見されたイクチオルニスの頭骨がCTスキャンにかけられ、脳の形が復元されました。この結果、イクチオルニスの脳は現生の鳥類よりも鳥類ではない恐竜類の脳に近い形をしているらしいということがわかったそうです。特に、ヒトでは言語や思考などの高度な認知機能や運動などをつかさどる大脳半球が現生鳥類に比べてかなり小さいとのことです。
 この脳の構造の違いが、鳥類が白亜紀末の大量絶滅を生き残った理由の一つではないかと、研究者は考えています。

7/30 University of Texas at AustinBird neurocranial and body mass evolution across the end-Cretaceous mass extinction: The avian brain shape left other dinosaurs behind. Science Advances7(31), eabg7099

2021/8/10

エナンチオルニス類で報告された胃石が、胃石ではなかったらしいということがわかりました。

 エナンチオルニス類は、白亜紀前期(約1億4500万年前〜約1億100万年前)に出現した原始的な鳥類です。中国の熱河層群から数千点の化石が発見されています。しかし、それだけ大量に化石が発見されているにもかかわらず、熱河層群からは消化管の内容物が保存されたエナンチオルニス類の化石は発見されていないため、エナンチオルニス類が何を食べていたのかについてはよくわかっていません。
 鳥類や恐竜は、食べ物の消化を助けるために石を飲み込むことがあります。消化管の内容物自体が残っていなくても、飲み込んだ石(胃石)が発見されれば、硬い植物や種などを食べていたのだろうと推測することができます。
 熱河層群のエナンチオルニス類で唯一、Bohaiornis guoiは、胃石があったと2015年に報告されています。しかし、消化管のあったあたりに石があっても、偶然飲み込んだ可能性や、地層に含まれている石が偶然消化管のあたりにあっただけという場合もあり、必ずしも胃石とは限りません。今回、Bohaiornisで報告された胃石が本当に胃石だったのかどうかが検証されました。
 走査型電子顕微鏡とX線を使って調べたところ、胃石と報告されたものは玉髄でできているということがわかたそうです。この玉髄の量は、Bohaiornisの体重と比較して、胃石として使われるには少ないということもわかったとのことです。このことから、胃石として報告された玉髄は、胃石ではなく、化石化の過程でできたものだと、研究者は考えています。

2/18 Field MuseumInvestigating Possible Gastroliths in a Referred Specimen of Bohaiornis guoi (Aves: Enantiornithes). Frontiers in Earth Science

2021/2/21

中生代の鳥類の顔がこれまで考えられていたよりも多様だったことがわかりました。

 マダガスカルの約7210万年前〜約6600万年前(中生代白亜紀後期)の地層から2010年に発見された鳥類の化石が新属新種ということがわかり、Falcatakely forsteraeと名付けられました。
 発見されたのは、部分的な頭骨の化石です。この化石はCTスキャンにかけられ、その後、頭骨が復元されました。この結果、Falcatakelyの頭骨は長さ約8.5cmで、長くて高さのあるくちばしをもっていたらしいということがわかったそうです。くちばしの先端には小さな歯が1本残っているとのことです。化石には保存されていないものの、Falcatakelyのくちばしの先端には複数本の歯が生えていただろうと、研究者は考えています。
 Falcatakelyは白亜紀前期に出現した原始的な鳥類であるエナンティオルニス類に属すると考えられています。しかしFalcatakelyの頭骨は、エナンティオルニス類を含め、中生代のどの鳥類とも異なる独特の形をしています。
 Falcatakelyの発見により、原始的な鳥類の姿がこれまで考えられていたよりも、多様だったということがわかったとのことです。
 また、口蓋には、現生鳥類にはなく、鳥類以外の恐竜と始祖鳥のようなごく初期の鳥類にある骨があることがわかったそうです。これまでエナンティオルニス類にこの骨があるのではないかと考えられてきましたが、確かな証拠は発見されていませんでした。

11/25 natureLate Cretaceous bird from Madagascar reveals unique development of beaks. Nature

2020/11/29

最古の新鳥類の化石が発見されました。

 現生の鳥類は、新鳥類というグループに属しています。これまでに発見されている中生代の新鳥類の化石記録は非常に少ないため、新鳥類が中生代の間にどのように進化してきたかはよくわかっていません。
 今回、ベルギーの約6680万年前〜約6670万年前(中生代白亜紀末期)の地層から、新属新種の新鳥類の化石が発見されました。Asteriornis maastrichtensisと名付けられたこの鳥類は、確実に新鳥類といえる種として最古になります。Asteriornisにはキジ類とカモ類と同じ特徴があるそうです。キジ類とカモ類の共通祖先に近い種であると、研究者は考えています。
 新鳥類は南半球で出現したという説が有力です。しかし今回、原始的な新鳥類がベルギーから発見されたため、新鳥類がどこで出現したかを確かめるには、さらに化石が発見される必要があると、研究者は考えています。

3/18 University of CambridgeLate Cretaceous neornithine from Europe illuminates the origins of crown birds. Nature, 579(7799), 397-401

2020/3/22

現生のペンギンと似た姿の最古のペンギンの化石が発見されました。

 ニュージーランド領チャタム諸島の約6250万年前〜約6000万年前(新生代古第三紀暁新世)の地層から新属新種のペンギンの化石が発見され、Kupoupou stilwellと名付けられました。 Kupoupouは現在までに発見されているペンギン類の中で最古の種になります。Kupoupouの体高は、現生のコウテイペンギンとほぼ同じ約1.1mと推測されています。また後肢が長いほかの初期のペンギン類とは異なり、Kupoupouの後肢は短いそうです。Kupoupouは、サイズでも後肢の形でも、現生のペンギンに近いとのことです。
 また、今回の発見から、ペンギン類の祖先は白亜紀の間に、アホウドリやウミツバメの祖先と分岐した可能性があると、研究者は考えています。

12/12 Flinders UniversityChatham Island Paleocene fossils provide insight into the palaeobiology, evolution, and diversity of early penguins (Aves, Sphenisciformes). Palaeontologia Electronica

2019/12/26

ニュージーランドから、新種の巨大なペンギンの化石が発見されました。

 ニュージーランドの約6200万年前〜約5800万年前(新生代古第三紀暁新世の中ごろ)の地層から、新種のペンギンの化石が発見されました。このペンギンは、南極大陸の暁新世の地層から発見されているCrossvallia unienwilliとおそらく同属別種だと研究者は考えています。今回発見されたペンギンは、Crossvallia waiparensisと名付けられました。
 今回C. waiparensisの化石が発見された地層は、これまでペンギンの化石が発見されている地層の中で最も古い時代に堆積したものです。後ろ足の骨のサイズから、C. waiparensisの体高は1.6m、体重は70〜80kgと推定されています。これまでに発見されているペンギンの中で最大級のサイズです。
 暁新世の地層からは、ほかにもサイズの大きなペンギンの化石がいくつも発見されています。このことから、ペンギンはその進化のごく初期の段階で巨大な体を獲得したのだろうと、研究者は考えています。

8/14 Canterbury MuseumLeg bones of a new penguin species from the Waipara Greensand add to the diversity of very large-sized Sphenisciformes in the Paleocene of New Zealand. Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology

2019/8/19

始祖鳥と同時期に生きていた鳥類の化石が発見されました。

 ドイツの約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)の地層「ゾルンホーフェン石灰岩」からは、最古の鳥類である始祖鳥の化石が産出しています。これまで、ジュラ紀の地層からは始祖鳥以外の鳥類の化石は発見されていませんでした。今回、「ゾルンホーフェン石灰岩」から、始祖鳥以外の鳥類の化石が初めて発見されました。
 今回化石が発見された鳥類は、Alcmonavis poeschliiと名付けられました。Alcmonavisの化石は、始祖鳥の一番新しい時代の標本と同じ層準から発見されました。発見された部位は、右の翼(前肢)です。この化石が詳しく調べられた結果、始祖鳥には見られない、後の時代の鳥類と共通する特徴がいくつもあることがわかったそうです。Alcmonavisは羽ばたいて飛ぶことができたと、研究者は考えています。今回の発見から、ジュラ紀の鳥類はこれまで考えられていたよりも多様だったと、研究者は考えています。

5/14 Ludwig-Maximilians-Universitat MunchenA non-archaeopterygid avialan theropod from the Late Jurassic of southern Germany. eLife, 8

2019/5/19

白亜紀に複数の動物が営巣地を共有していた証拠が発見されました。

 9年前、ルーマニアの約7000万年前(中生代白亜紀後期)の地層から、営巣地の化石が発見されました。今回、卵の殻の化石を詳しく調べた結果、この営巣地には4種類の卵の殻があることがわかったそうです。4種類の動物が同じ営巣地を共有していたと、研究者は考えています。卵の殻から、その4種類の動物は、エナンティオルニス類、分類不明の鳥類、ヤモリ類、小型のワニ形類と推測されるそうです。
 異なる種類の動物による営巣地の共有は現在でも見られるそうです。鳥類の親が守っている巣の周りに卵を産むことによって、小型の爬虫類たちの卵もまた外敵から守られる効果があったと、研究者は考えています。今回の発見は、このような営巣地の共有の最古の証拠になります。

2/20 University of SouthamptonA mixed vertebrate eggshell assemblage from the Transylvanian Late Cretaceous. Scientific Reports, 9(1)

2019/2/24

これまで始祖鳥の羽根とされてきた化石が、ほかの獣脚類の羽根である可能性もあるということがわかりました。

 始祖鳥は、約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)にドイツに棲息していた最古の鳥類です。これまで10体ほどの化石が発見されています。これまで始祖鳥とされてきた化石の中で最初に発見されたのは、1861年に発見された羽根の化石です。この羽根が始祖鳥のどの位置に生えていたものなのか、これまではわかっていませんでした。
 今回、この羽根の化石がLaser-Stimulated Fluorescenceという技術を用いて詳しく調べられました。この方法によって、肉眼では確認できない羽軸を含む詳細な羽毛の構造がわかったそうです。この研究の結果、この羽根は始祖鳥の雨覆または大羽か、あるいは始祖鳥の羽根ではなく未知の羽毛恐竜の羽根である可能性があるということがわかったそうです。

2/7 The University of Hong KongDetection of lost calamus challenges identity of isolated Archaeopteryx feather. Scientific Reports, 9(1)

2019/2/10

エピオルニスは夜行性だったらしいということがわかりました。

 エピオルニス類は、体高最大4mの史上最大の鳥類です。新生代第四紀更新世に出現して捕食者のいないマダガスカルで繁栄し、完新世後期に絶滅しました。ニュージーランドのモアのように昼行性で植物食だと広く考えられていますが、その生態についてよくわかっていませんでした。
 今回、エピオルニス類の2種、Aepyornis maximusA. hildebrandtiの化石の脳函がCTスキャンによって調べられました。脳函の形を調べることによって、脳の形がわかります。
 この結果、視覚を司る視葉が両種で、特に最大種のA. maximusで小さいということがわかったそうです。このような特徴は、夜行性で目がほとんど見えないキーウィと同じです。また、嗅覚をつかさどる嗅球がA. maximusで大きく、A. hildebrandtiではそれほど大きくないということもわかったそうです。
 A. maximusは視界の遮られる森林に棲んで夜に行動し、A. hildebrandtiは開けた草原に棲んで夜よりは夕暮れ時に活発に活動していたと、研究者は考えています。

10/31 ScienceDailyNocturnal giants: evolution of the sensory ecology in elephant birds and other palaeognaths inferred from digital brain reconstructions. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 285(1890)

2018/11/4

始祖鳥が羽ばたいて飛べたかもしれないということがわかりました。

 始祖鳥は約1億5000万年前(中生代ジュラ紀後期)に生きていた最古の鳥です。四肢と尾に翼をもっていましたが、始祖鳥が羽ばたいて飛べたのか、あるいは滑空するだけだったのかはよくわかっていません。
 今回、X線マイクロトモグラフィを用いて、ゾルンホーフェン標本、ミュンヘン標本、アイヒシュテット標本の3体の始祖鳥の上腕骨と尺骨の内部構造が調べられました。この2つの骨は、現生鳥類において、飛ぶことにもっとも強く適応した骨とのことです。そして、翼竜2種を含む69種の主竜類の上腕骨と尺骨と比較されました。
 この結果、始祖鳥の皮質骨(骨の外側の部分)には、現生鳥類と同じくらいの密度で血管が通っていたらしいということがわかったそうです。このことから、始祖鳥の代謝はかなりよかっただろうと、研究者は考えています。また、皮質骨の血管の密度はサイズの大きいゾルンホーフェン標本よりもサイズの小さいアイヒシュテット標本の方でかなり高いということもわかったそうです。これは成長段階の違いによるものではないかと研究者は考えています。
 皮質骨の厚さは、空を飛ばない種類では厚く、空を飛ぶ種類では薄いという傾向があります。始祖鳥の皮質骨の厚さは、キジに最も近いという結果が出たそうです。キジは捕食者から逃げたり障害物を越えたりするときに、短い距離を勢いよく羽ばたいて飛びます。始祖鳥も同じように短い距離を羽ばたいて飛んでいたのではないかと、研究者は考えています。ただし、始祖鳥の胸の骨は現生鳥類のように強い羽ばたきができるような構造をしていません。現生鳥類とは違った方法で羽ばたいていたのではないかと、研究者は考えています。

3/12 European Synchrotron Radiation FacilityWing bone geometry reveals active flight in Archaeopteryx. Nature Communications, 9(1)

2018/3/18

約4800万年前の鳥の化石に尾腺が保存されているのが発見されました。

 約4800万年前(新生代古第三紀始新世前期)の地層が分布するドイツのメッセル・ピットから産出した鳥の化石に、尾腺が保存されているのが発見されました。尾腺は鳥の尾の付け根の皮膚にあり、ここから油脂状の分泌物が分泌されます。この分泌物を嘴を使って羽毛に塗り、羽毛が湿るのを防ぎます。
 今回発見された尾腺の中には、油脂状の分泌物も残っていたそうです。新第三紀よりも古い脊椎動物の化石に脂質が保存されているのは非常に珍しいそうです。さらに、今回発見された脂質を分析した結果、少なくとも部分的には、もとの化学組成がそのまま残っていることがわかったそうです。尾腺の分泌物がバクテリアに分解されにくい構造をしていることや、脂質が急速に分解されにくい物質に変わったことなどが、脂質が残った原因ではないかと研究者は考えています。

10/18 Senckenberg Research Institute and Natural History MuseumPreservation of uropygial gland lipids in a 48-million-year-old bird. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 284(1865), 20171050

2017/10/22

白亜紀の琥珀の中に鳥のひなが保存されているのが発見されました。

 ミャンマーから採集された約9900万年前(中生代白亜紀中ごろ)の琥珀の中に、鳥のひなが保存されているのが発見されました。頭部から首、翼、後肢、尾まで、体の半分近くが保存されているそうです。しかも、骨だけではなく、皮膚や羽毛、爪までよく残っているそうです。
 今回発見された鳥は、中生代に生きていたエナンチオルニス類のひなだと、研究者は考えています。生後数日から数週間のひなだと考えられるそうです。このひなの翼には、初列風切り羽根、小翼、次列風切り羽根、雨覆い羽根といった飛ぶための羽根がそろっていたそうです。一方、それ以外の羽毛は薄く、獣脚類に見られるような羽毛が生えていたそうです。生まれたばかりのひなに飛ぶための羽根が生えていることから、エナンチオルニス類は生まれた直後から飛ぶことができ、現在の鳥のように親の世話を必要としなかったのではないかと研究者は考えています。

6/7 National Geographic NewsA mid-Cretaceous enantiornithine (Aves) hatchling preserved in Burmese amber with unusual plumage. Gondwana Research

2017/6/18